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プロローグ
今日も逃げてしまった。
もう話さなきゃと、ずっとずっと思っているのに、また逃げてしまった。
「連……ッ」
頬に一筋の│滴が垂れた。
梅雨のせいだろうか。│遥斗の感情に合わせたように、雨が降り出した。走って飛び出して来たので、もちろん傘など持っていない。ましてや、傘を横から差してくれる人も、いるわけがない。
いつまでもこのままでいたら、風邪をひいて震えること間違いなしだろう。
でも、帰りたいとは思わない。
顔を上げて目を閉じると、しとしとと冷たい雨の降る音が聞こえた。