想造主についての詩
これは傍観者ヘカテーが語る
ある一つの詩
咎負いし想造主は
始めに一人の存在を造りました
それは魔王サタンと想造主は名付けました
彼は想造主の友となりました
想造主が脳内で適当に繰り広げる
物語の主役として
サタンは動きます
次に想造主は想造します
彼の咎が生んでしまった
罪の象徴を
想造主は彼をアラスゼンと名付けました
アラスゼンは人の世で言うなれば
魔王サタンの弟のようなものです
アラスゼンは二つの魔王を組み合わせて造られており
二つの魔王の名を掛け合わせた名前です
彼は罪の衝動に駆られ続けます
想造主の罪から生まれたために
咎を成し続けるのです
想造主は後悔します
アラスゼンを生み出してしまったことを
想造主は決意します
アラスゼンという
咎成す罪人を滅ぼすことを
サタンは自身を使うように
想造主に言いました
アラスゼンを討つための刃として
サタンは動きます
想造主はまず
土台となる詩語りを書きました
人無き世界で憂慮なく
魔王サタンとアラスゼンの二人を
戦わせるためです
次いで想造主は書きます
自身の黒き咎を
死神たるタナトスの語りを
傍観者たる私の語りを
煉獄の荒涼を彷徨う者についての語りを
それは想造主の配慮なのです
物語という二つのパズルを
完成させるためのピースを
配慮の中に散りばめたのです
そして、ピースは揃いました
あとはパズルという枠に
嵌めるだけです
それが物語というパズルを完成させる手段
そして、完成はもうすぐ
想造主の手により
成されるのです
私はただそれを視て語るだけ
それが、私という傍観者の役割なのですから
五つめの詩は咎人の罪




