タナトスの警告
二つめの詩
君は知ろうとしないねぇ
親切という言葉が持つ
愚かしき意味を
君は彼が怒ったのを見て
理不尽と思ったみたいだけど
彼が怒るきっかけを作ったのは君なんだよ?
君は分からないよね
なにせ小さなことなんだから
でも君は作ってしまったんだ
彼が怒るきっかけを
これは不変なる真実であり事実
君はさ、彼が病に苦しんでいるのを見て
可哀想に思ったんだよね
それ自体はとても良い事さ
でもねぇ、ここからが問題だったんだよ
君はからかうつもりで
言ったんだと思う言葉が
彼にとってはとても理不尽だったのさ
彼が咳込んでいて苦しんでるのに
[わざとやっている]と称すのはね
言われた側の気持ちが分からない
君が悪いんだよ
冗談だとしても
好きな歌を歌えないのに
[わざとやってる]と称すのは
言われた側はどう思うかな?
怒って当然だと僕は思うね
これで分かったかい?
小さなきっかけが
相手の心を傷つける刃になるということを
ついでに、心を傷つけられて
砕いてしまった場合について
君に教えようか
心を砕いてしまったら
死を望んでしまうのさ
抗うための心は
砕かれてしまっている
心は死への誘いの
最後の抵抗を
持っているというのにね
僕が誰かって?
僕の名はタナトス
死を司る神様といえば
分かるかな?
でも安心していいよ
君の魂は今は奪わない
これは警告なのさ
といっても、一度きりだけどね
じゃあ、死へ至るまでの人生を
苦しんで過ごすといいよ
それじゃあ、バイバイ
三編目は傍観する者の詩




