表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Photo d'existence 【フォトデギジスタンス】  作者: じゅん
レダ・ゲンスブール
15/30

15話

 調律師による違い。ピンとこないシャノン。


「鍵盤が軽いとか、そういう話?」


「そういう話もあるけど、あの子の場合は特別でね。おそらくあのグレン・グールドですら到達できなかった場所に手が届く——」


 立ち上がると、レダは言葉を溜め、天井の先を見据えた。


 芝居がかった行動に、シャノンは首を傾げる。


「ん?」


 たっぷりと間を空け、険しい表情のままレダは続きを語りだす。


「にはまだ数十年早いけど、可能性としてはあるんじゃない? ってところ。そのための手伝いだよ、僕達調律師は」


 あくまで影の存在である、ということ。二十世紀を代表するピアニストと肩を並べる、というのは並大抵のことではないけども。伝説を超えるには、自分達は必要不可欠であること。それは間違いないから。


 その横顔。シャノンはありがたくカメラでいただく。


「つまり、調律師ってのは……まとめると」


「縁の下の力持ち。土台と言ってもいい。だけどねぇ。困ってるのがねぇ」


「困ってること」


 難しい表情に変わったレダに対し、シャノンは次の言葉を待つ。


 再度イスに、脱力したようにレダは座る。重力に負けるように。


「電子ピアノがかなり増えてるからね。あれは調律がいらないから。ずっと同じ音が出せる。そうなると、僕達の仕事も減っちゃうんだよこれが」


 まいったね、とため息。しかも日進月歩、より生の音に近づいてきているわけで。技術の革新の恐ろしさを日々体感している。


 切実な叫びを聞き、シャノンは深くイスにもたれかかる。


「なるほどねぇ、食い扶持がなくなる、と」


「なくなることはないと思うけどね。少し悲しくもあるわけで」


「というと?」


 一応の希望はあるという含みを持たせるレダに、さっぱり思いつかないシャノン。世の中お金じゃない、とは言ってもお金がないと生活できないわけで。日々のモチベーションにもなるし。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ