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ギガンティア大陸戦記  作者: 葉月麗雄
第一部 第一章 士官学校時代編

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新たな仲間 後編

九月に入りロマリア帝国も過ごしやすい季節になってきていた。帝国首都ハーフェンは休日ともなるとたくさんの人で賑わい街は活気に溢れている。最前線での戦闘状態にくらべここはまだ戦争などとは程遠い世界のようであった

セリア、ソレーヌ、エミリア、ジュディの四人は宮廷学校を卒業し、セリアとソレーヌは少尉としてフェフデンに着任することとなった。


エミリアとジュディは同じく少尉だがセリアの私兵として帯同する形となる

フェルデンとは首都ハーフェンに次ぐロマリア帝国第二の都市で国内の各都市を結ぶ道路がすべて集約する交通網であり国の重要な位置付けの都市であった。


「やはりフェルデンか、予想してた通りだったな」


「あの街は各都市を結ぶ重要な交通網だからな、それだけ我々の任務も重大だって事だ」


「エミリア、ジュディ。二人ともこれからもよろしくな」


「こちらこそ。早く第一線で活躍したいものだな」


「そうだなと言いたいところだが、まずは与えられた任務をしっかりこなす事から始めていこう。でないと活躍するチャンスも掴めなくなるからな。まあ、今から心配をしても始まらないからまずは新たな環境に早く慣れる事だな」


セリアの言葉にみんな頷いた。


「そう言えば、ユリアはどうした?」


ソレーヌの問いにジュディが答える。


「昨日が約束の夜だったが、しばらくまってみたけど結局彼女たちは来なかったよ。。」


「そうか。。残念だが私はソレーヌにエミリア、ジュディが付いてきてくれるだけで十分だ」


「期待半分だったけど、ダメだったか。。」


「エミリアたちの心意気は嬉しかったし充分感謝してるよ。まあ彼女とは巡り合わせがなかったんだろう」


セリアがエミリアとジュディの苦労と気持ちは充分伝わったと労いの言葉をかけた。


「さあ、出発しようか」


セリアを先頭に馬に乗りハーフェンを出発しようとしたとき後ろからセリアたちを呼ぶ声が聞こえた。


「みんな、待って!」


「ユリア!」


ジュディたちが声を聞いて振り向くとユリアが急ぎ息を切らせて走ってきた。


「間に合った、遅くなってごめんなさい」


「お前昨日競技場に来なかったじゃないか?」


「両親を説得するのに時間がかかってね。結局話しは平行線のままラチが開かなくて夜中のうちにこっそり荷物まとめて家を出てきたんだけど。。待ち合わせの時間に間に合わなくてごめんね。私もジュディたちと一緒に行くよ」


ユリアの言葉に思わずエミリアとジュディはお互いの顔を見合わせた。


「本当か?ユリアが来てくれるなら大歓迎だ」


「エミリアの言う通りいつまでも賞金稼ぎって訳にはいかないし、そろそろきちんと働かなきゃって思ったのもあるけど。決められたレールの上に乗っているだけの人生が退屈に思えてね、賞金稼ぎをやっていたのもそんな日々から抜け出したかったからなんだ。私も仲間に加わえてくれるかな?」


ユリアの言葉にエミリアは万感の思いで胸が熱くなった。

セリアも嬉しそうにユリアに挨拶をした。


「ユリア、よく来てくれた、エミリアとジュディだけじゃなく私もソレーヌも嬉しいし大歓迎だよ、あらためてよろしく頼む」


セリアはそう言うと手を出してユリアと握手し、ユリアもあらためてセリアによろしくお願いしますと頭を下げた。

こうしてセリアの隊にソレーヌの他、エミリア、ジュディ、ユリアが加わり仲間は五人となった。

その様子を遠くから監視していた皇女モニカは自分たちに必要な人材が増えた事を喜んだ。


「あの五人が組むとは面白い。おそらくフェルデンでそう時間がかからぬ内に彼女たちは頭角を表してくるだろうね。あの五人はいずれ私とオスカーがこの国を動かす時に味方としなければならない重要な人物となるだろうから」


「私もモニカ様のお力になれれば幸いです」


「もちろんイリーナも頼りにしているよ。いずれお前の力を借りる時が来ようだろうから、その時まで私の側で引き続き面倒をかけるがよろしく頼むね」


「ありがたきお言葉です。私の出来る限りの事をさせていただく所存です」


「セリアたちには国の重要な交通網であるフェルデンへ着任させるようオスカーの重臣であるシュタインベルク伯爵に頼んで手配してもらった。万一にもルンベルク要塞都市とフェルデンが陥落するようなことがあればこの国は終焉を迎えてしまうだろうから、一手打っておくためにね。彼女たちならルンベルク要塞都市が陥落した場合、フェルデンを守る最大の防御壁になってくれるだろう。そうならない事を願ってはいるけど。。」


ここでモニカは心に秘めた想いを口に出した。


「そして私もフェルデンへ向かう」


「え?今なんと?」


イリーナが驚いて聞き返すのも無理はない、モニカは皇女という立場から考えたらあり得ない行動に出ようとしていたのだ。


「セリアたちだけに危ない橋を渡らせて私は安全な場所でそれを見ているなんてそんな事出来ないからね。私が注目をして力を借りようと思っている人物がどんな人物なのかを見定めるためにも自らの目で見て共に行動していくのが筋でしょう。フェルデンの総指揮官になりたいと皇帝には意思を伝えてある。結果は勝手にしろってことだったからお許しが出たと言うことだ」


「あまりにも驚かれるお言葉で私には何とも申しようがございません。。オスカー殿下が何とおっしゃるか。。」


「オスカーは私が説得する。イリーナも一緒に来てもらいたい。私が動けない時に代わりに動いてもらう人がいないと不便だからな」


「それはモニカ様のお力になれるのであれば私に出来る事は何でも致しますが。。」


「そんなに心配するな。このハーフェンにいて安楽椅子に座りながら何かを待つような事は私には向いていない。自ら動いて先を切り開く。そのための第一歩だと思ってくれ」


「モニカ様にそこまでおっしゃられては臣下の立場ではお止めしようがございません。。ご無事を祈るのみです」


「イリーナには迷惑をかけないよ。そろそろ宮殿に戻ろうか。今日は皇帝が久しぶりに出てくる閣議があるからね、見たくもない顔だけど」


「モニカ様!」


「おっと、そんな事を口に出して誰かに聞かれてたらまずかったね」


モニカはセリアたちが出発するのを見届けると付き人であるイリーナと宮殿へと戻っていった。

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