解説────妖怪トンネルはタイムマシーン────
読了お疲れ様でした。そして今まさにこの文を書いてる私よ。お疲れ様でした。いえいえどーもどーも。
ばかやってる場合じゃないわよ。
いかがでしたでしょうか。面白かったって? よせやい照れる。もっと言ってもっと。
話を進めさせていただきます。
まずですね、この作品は私が過労で倒れたことによって思いついた作品なんです。労働時間もそうですが新たに任されたポジションのプレッシャーに耐えられずにミスを連発して空回り。勝手にどんどんと追い込まれた(追い込んでいたのは自分である)私は半分位壊れました。で、半分位壊れた状態でね、お空を見上げたんですよ。その時期ってのは7月くらいだったかなぁ? もんのすっごいキレーな青空にね、でっかい入道雲がかかってたんですよぉ。でね、半分位壊れてるわけですから、軽めの幼児退行してたらしくてね、その青空に無駄にワクワクしたんですよね。
その瞬間ですよ。こう、まさに『降りてきた』んですよ。アイデアが。スーッと……いや、フッとかな……ズンッて感じもあったっけ……どれがいいですか?
で、今回書くに至ったと。こういうわけなんですね。どんなわけだよ。
では、これにてこの話はお終い…………ってわけにもいかないですよねぇ。
だってなんでそもそも|ヤマダがタツヤの無茶苦茶な居候を受け入れたのか《・》が判明してませんもんね。
なので最後にそこだけ軽く触れてサヨナラしましょう。
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────不可思議な体験から数週間後。それは少し肌寒い日のことだった。休日の昼間に、あの時走った道をなんとか思い出しながらタツヤは新たな愛車で走っていた。特に何があるわけでもないが、なんとなくもう一度『妖怪トンネル』を見てみたくなったのだ。妙な懐かしさに浸りたくなったとでも言うべきか。
と、そんな時。この肌寒さに合わないような薄着をした少年を見かけた。
少し前なら無視をしていたかもしれないが、タツヤは似たような状況で助けられたことがある。それならば彼を助けることで、ヤマダ、いや、フミノリの行動への答えと言えるだろう。Uターンして少年の元へ向かう。
「少年! 随分と涼しそうだが、どうしたんだ?」
「おい、あんた! ここどこなんだ!?」
「え? ……どこって」
「なんなんだよ、絶対ここ日本じゃねーだろ!? さっきまでこんなに寒くなかったぞ!?」
「待った待った。話が読めないぞ? 君は日本人だろ?」
「そうだよ! 1964年生まれの純日本人! 性はヤマダ名はフミノリだ!」
「…………は?」
「あれだ! あそこ! あっこ潜った後急に冷えたんだ! こんな変な事ってあるのか!?」
どうやら『妖怪トンネル』がタイムマシーンになるのは夜中の2時49分だけじゃないようだ…………。
────妖怪トンネルはタイムマシーン・今度こそ、本当に、完────