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救出

「あそこだ…。あの中に桜さんが…」

午前4時

「4時か…あの大きさのスーパーの中を匍匐前進なんかで進んでいたら…奥にたどり着くだけで1時間以上かかってしまうな…その前に大きな関門が1つ」

今僕は、車が多く止まっている駐車場を目の前にしている…

「駐車場…しかも、これだけの数の車があるということは少なからず、ゾンビが隠れているだろう…、車の中からいきなり飛び出してこられたら…逃げ道もない」

駐車場を突っ切ればスーパーまで直線で行くことが出来るため時間の短縮になるが…死の危険性がある。

大回りすれば、入口まで時間は掛かるが…駐車場を突っ切るよりも安全…

「今の時間が4時…突っ切れば10分、大回りすれば1時間…」

誰も助けず、ただ食料を調達するだけならば大回りするのが正解だろう。

しかし、今の僕には助けなければならない人がいる…しかも3人…僕を含めたら4人だ。

大回りしている時間は無い…

「行くしかないか…」

姿勢を車体のフロントガラスよりも低くし、随時、車の下からゾンビの足が見えないか確認する。

絶対に車の中を覗いては成らない…万が一中にゾンビがいた場合、こちらに気づき暴れ出す可能性がある。

万が一中に居たとしてもこちらの存在がばれなければ襲ってくることは無い。

しかし…今僕は賭けをしている。

「もしあのゾンビが…音以外にも反応するのだとしたら…僕はもう積みかもしれない…」

ゾンビが反応するものとして、代表的なものが音だ。

しかし、音以外にも反応する場合がある、血や二酸化炭素、臭い、などゾンビによって様々。

今確認できているのは音のみで他の物でゾンビが反応を示してしまったら、僕は気づかれてゲームオーバー。

なので、僕の心は周りに音が漏れているのではないかと言うほど、鼓動が強く波打っている。

「はぁはぁはぁ…息をしたくないけど…心臓が動きすぎて、息をしないと破裂しそうだ…」

もしゾンビが二酸化炭素に反応してしまったらすぐに僕は襲われてしまうだろう。

だが、ゾンビが出現することは無く…無事、スーパーの入り口までたどり着いた。

「つ…ついた…まだ、中にも入ってないのにこんなに疲れるなんて…」

すぐに桜さんにラインをする。

「桜さん…今スーパーの前まで来ました…中の状況は分かりますか。それと、バリケードを張っている場合は人一人分がちょうど入れるくらいの抜け道を作っておいてください。万が一ゾンビが来たとしてもすぐ閉じれるようにして置くと比較的安全です。最もいけないのは大声で叫ぶこと、何があっても大きな声を発してはいけません。それだけは絶対に守ってください」

送信…と

すぐにラインが返ってくる。

「ありがとう、樹君…言われた通りにしておく。気を付けて」

「ラインが返ってくるということはまだ生きてる…」

スーパーの中を覗くと、真っ暗…電気はもうついていない。

自動ドアは入り口に2つありどちらも電源が落ち反応しない、その為主導で開けておけば自動的に閉まることは無い…

「良し…入口+出口の確保よし…」

僕は左手にウイスキーを持ち、右手をスーパーの壁側に向けながら、歩く。

――足音が凄い…聞こえるだけども5から8体は居るぞ…。

こちらは足音を立てるわけにはいかない…ウイスキーを少しずつこぼしながら、周りの足音に注意しながら進む。

ヘッドライトを一瞬だけつけゾンビが直線上にいるか確認する。

――よし…居ない。

野菜コーナーを抜け魚などの魚介が売っているコーナーに差し掛かろうとしたところで…僕は驚愕する…

――何だ、あの数…どうしてそこにそんなに居るんだ…

暗闇に目が慣れてきたころ、にその光景を目にし…一瞬叫んでしまいそうになったが何とか飲み込む。

「ここには多めに垂らしておこう…」

ウイスキーはもうほぼ空になってしまった…続いてウォッカを取り出し、魚コーナーを避け奥に向っていく。

――ちょうど…ここが中間地点か、それならここに…これを置いてと…

先ほど拾ったロックの掛かっていないスマートフォンのタイマー機能を1時間にセットし、地面に置く。腕時計を見ると4時50分

「ギリギリか…急ごう」

魚コーナーを抜けると食肉コーナーがある…ここも魚コーナー同様大量のゾンビがはびこっていた…

「何で壁に張り付いているんだ…何かに反応しているのか…」

今は桜さんたちを助けるのが最優先だ…それに、ゾンビたちが集中しているのならこちらも好都合。

そして等々奥までたどり着いた。

「あそこか…」

そこには従業員たちが出入りする銀色の扉が…

静かに近づき…下の小さな隙間から光を入れる…反応は無い

扉を少し開け…持っていたウォッカの蓋を投げ込む…こちらにはほぼ聞こえないが…中では音が鳴っているはず…それでも反応が無いということは、中にゾンビは居ない可能性が高い。

慎重に扉を開け、覗き込むがやはりゾンビは居ない。

両方の扉を全開に開け、ストッパーを付ける。

「進行先の確保…よし」

ウォッカの残りを全て床にまいた。

そして何とか無事に桜さんの待っているであろう部屋までやってきた。

軽く扉を叩く…中から反応は無い…ゾンビがいた場合は反応し何か行動を起こすだろう…つまり中にゾンビは居ない。

引き扉を静かに開けると…

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