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私、捨てられちゃいました

非常識クレリック…ここに誕生!!!


元仲間への復讐劇、ここに開幕!!

それはダンジョンの帰り道に唐突に告げられた


「ミザリー、お前は今日からうちには要らないからどっか行ってくれ」


この時私はパーティーメンバーから何を言われたのか、一瞬理解できなかった


私はこのギルドで回復役のクレリックを担当しており、パーティーには欠かせない役割の筈だからだ


「え?私何かしちゃいましたか…?」


私は解雇を告げたこのパーティーのリーダー、ゲルドを見つめながら質問した


「お前…クレリックに必要ないスキルしか持ってないだろ…打撃アップに俊敏アップ、魔素吸収に必中の加護、魔素は多いけど…剣士なら理解できるが、クレリックでこれはないわ、平民でエルエリーゼの出だって聞いたからどんな優秀なやつかと期待したが…お前の回復量はそこまで高くないだろ?」


「そんな…でも、私頑張って来たじゃないですか!!」


「ミザリー…確かにお前は頑張ったが…これから先このパーティーには必要ないんだよ」


「え?ゲルド…なんでそんなこと言うんですか…エヴァンテもエファル、これはなにかの冗談ですよね!?」


そう言って私はパーティーメンバーを見回しました


苦楽を共にしたかけがえのない仲間、弓使いのエヴァンテ、魔術師のエファル


ねぇ…なんで目を合わせてくれないんですか…?


「えっと…貴女より優秀なクレリックが加入してくれることになったの…だから…ね?」


エヴァンテ…そういう事だったんですか…


「そういうことだ、分かったらさっさとこの金を持って出てけ…」


そういうと、ゲルドは私に銀貨の詰まった小さな麻袋を差し出しました


震える手でその麻袋を受け取ると、最後にもう一度、元メンバーを見回しました


あぁ…愛していたパーティーメンバー、信頼していたパーティーメンバー


それが今やジャガイモに見えるではありませんか


ダメですね、私としたことがこいつらの顔面見てたらむかっ腹が空いて来ました


「分かりました…今までありがとうございました、垂らしのゲルド、クソビッチのエヴァンテ、イキリヘボ魔術師のエファル、次あったら(放送禁止)にしてやりますからね…?」


おっと、つい言葉使いが荒くなってしまいました、では行きましょうか


「え…?今のミザリーか…?」


「あの優しいミザリーが…怒った?」


「おい!誰が垂らしだ!おい!」


雑音は気にしてはいけませんね…まずはこの先どうやって稼いでいくか、それを考えねば

〜〜〜


それから30分ほど街を彷徨い、今は武具屋に来ました


私には兼ねてから考えていたある戦略がありました…それは


「はぁ!?打撃アップエンチャットの杖が欲しい!?」


普通であれば打撃アップ付与の杖などクレリックには不要でしょう…


そう、ふ つ う では


奇しくも私は職業選択を間違えてクレリックにしてしまいましたが、スキルは戦闘系


ならばその特性を磨きつつクレリックの技量を高めればどうなるか?


ふふふ、考えるだけで笑えて来ますね


〜〜〜


それから1週間後、杖が完成したという知らせを受け、私は武具屋に参りました


「おう、嬢ちゃん…我ながら売るのを躊躇うほどの出来だぜ…材質は鉄だが性能は保証するぜ」


上部に祈る天使の小像があしらわれた長い杖、なんとも神々しく見えてまいりました


では行きましょうか…この杖の性能を確かめに


〜〜〜


今私が来ているのは竜惚の迷森と呼ばれる森


私がいた町…クリフシェルと隣国…竜種の支配する竜域の境にある森だ


魔素が異常に高いこの森では強い魔獣が大量に発生する


「っと…中々変異種はいませんね…」


その中でも変異種と呼ばれる個体が稀に発生する、変異種と通常種の見分けかたは色と大きさ、主にこの2つだ


しかし、落とすアイテムは変異種の実力によって大きく変わる…


遅い来るゴブリンをはじめとした雑魚を


ガンガンガンガンガンガンガンガン


容赦なく叩き潰す


ガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガン


数時間が経過し、ミザリーが進んだ道がゴブリン、コボルトなどの死骸で埋め尽くされた頃、ミザリーはようやく御目当ての変異種を見つけた


牙狼と呼ばれる…屈指の実力を持つ魔獣、その変異種を…通常種であれば黒い毛並みが、神々しく美しい純白に彩られている


一般的に変異種は通常種より強い


屈指の実力を持つ牙狼、その変異種…つまり実力は…


「いぃいいいいいいいいいいいやあああぁああああああああああ!!!!」


弱いはずがない


「ギャァアアアアアアアアゥ!!!」


牙狼の攻撃を必死で受け流しながら打撃を入れる


ガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガン


頭を何度も殴打する


当たるたびに


「フギャ!!」だの「グニュ!!」


という声を上げる


一撃そのもののダメージも大きいがミザリーのスキル、魔素吸収の効果が無視できない程には大きいらしい


「グルルルルルルゥゥゥ!!!」


牙狼も黙って殴られはしない、爪、牙の2重奏を奏でる


しかしどれだけダメージを負わせても


「パーフェクトヒール!!」


完全に回復される


確かにミザリーの回復量は多くない、だがそれは1つの魔術を4等分していたため、つまりパーティーメンバーがいなくなれば、それは全てミザリーにのみ降り注ぎ…結果としてどんな状態からも完全回復を可能とする、皮肉にもこの法則はミザリーが人類で初めて、この瞬間に発見した

クレリックが一人で魔獣を倒しに行くなど、自殺行為に等しく、ミザリー以外に誰も考えなかったからだ


「はぁっはぁっはぁっはぁ…流石牙狼の変異種…しぶといですね…!?」


「ガァゥォォォォォオオオオオウ!!」


ミザリーの不意を突いた完璧な一撃、ミザリーの細い喉を掻き切った…そう確信した牙狼…


だが


「パーフェクトヒール!!」


この声が響いた瞬間、牙狼は腹を宙に向け、尻尾を盛大に振った


降参です、いや、マジもう無理っす勘弁してください


人語が喋れれば牙狼はこう喋っただろう、服従の意を示している


「へ…?降参…?私…勝ったぁ…!じゃぁ…はははははははははっは!!」


クレリックとは一部の神官、だがその時のミザリーは悪魔のような笑みを浮かべていた


その笑みに生命の危機を感じ取り「クゥーン…」と情けない声を上げる牙狼


「我が糧となれ…!!」


神官が浮かべてはいけない笑みを浮かべ、ミザリーが渾身の力で杖を振り下ろす


ゴンッと一際大きな音が響くと共に、牙狼の体が光となって消える


やがて光が収まった時、そこには複数のアイテムがあった


「やったぁああ!!変異種のアイテム…暫くはこれで暮らせます…!!と、その前に能力を確認しておきますか…!?何ですかこれは…!!」


狼神のネックレス《付与効果:魔素回復(極)

             :即死回避(無制限)

             :基礎魔素量上昇(極)


狼神の指輪《付与効果:物理ダメージ段階上昇(物理ダメージを与えた回数1回につき次回ダメージ1.25倍)

          :自動回復(1秒間に体組織の25%を完全再生)


狼神の護符《付与効果:狼神召喚(無制限)


え…?変異種だよね?私が倒したの


神?え?あれ神だったの?


なんで勝てたんだろ…弱ってた…?


うん、そういうことにしとこう


きっとあいつは弱ってた、じゃないと神なんて勝てるはずがないし


「ははは…はははははははははは!!」


ミザリーは思考を放棄した、もし狼神が弱っていなければ…そう考えるだけで恐ろしい


「この装備達は売らない、たまたま手に入った装備だけど…これで怖いものはないはず…!この…打撃クレリック…ん?なんか語呂悪いな…打撃…殴り…殴りクレリック!!、この殴りクレリックが完成したわ!!」


さて…装備は(成り行きだけど)整ったわ…そして次は慣れですね…ユニオンのクエストで稼ぎながら慣れますか…!!

この作品が面白いと思ったら、評価、コメント、ブクマをよろしくお願いします(それによって連載化するか決めます

同一世界線(親作品)となる社畜竜王も是非お楽しみくださいませ…!

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