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黄金の双剣士  作者: ひろよし
二章:王都への旅
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第31話:昼間の襲撃

挨拶と他愛もない会話を交わし、フランを起こした一行は手早く朝食を済ませると再び街へと向かい歩き出した。

森を抜けて三日目。

予定では、本日中に街へ着けるはず。


「このペースなら、早ければ日が沈み切る前には着ける」

「何もなければ、だがな」

「大丈夫、この辺りに魔物は少ないはず」

「そうなの?」

「ここもまだ魔の森に近い。

 人はおろか魔物ですらこの辺りはうろつかない」

「ゴブリン居たよ?」

「昨日のゴブリンも普段ならもう少し遠くに居るはず」

「昨日戦った場所も十分遠いと思うがな」

「そう?」


レキ達がいる場所は街と魔の森の間に広がる平原。

強力な魔物がはびこる魔の森と、多くの人が住む街の間に広がるこの平原は、基本的に魔物の数が少ない。

魔の森の魔物は基本的には森の外に出る事は無く、街の人は魔の森へ向かわない為、それを獲物とする魔物もいないのだ。

その為、この平原は一種の空白地帯とも言える場所になっている。


「そういえばレキ」

「ん?」

「昨日は戦ったのじゃろ?

 数はどのくらいいたのじゃ?」

「ん~。いっぱい?」

「む~・・・」

「姫様?」


昨夜レキがゴブリンと戦ったという話は、フランも朝食の時に聞かされていた。

と言っても、聞かされたのはゴブリンがいたというのと、レキが飛んで行って倒したという事のみ。

野営地からかなり離れていた為リーニャ達ではあまり語る事が出来ず、レキはレキで相手がただのゴブリンのためあまり語るべき内容が無かった。


レキの話しがあまりにあっさりしすぎていた為か、朝食後もフランはレキにゴブリンの話を何度も聞いていた。

合わせて、昨日のダークホーンや一昨日の大量の魔物、さらには魔の森の魔物についてもあれこれ聞いていたのだが。


「どうしたの?」


改めてゴブリンの話を聞かされ、フランが何やら黙りこんだ。

今までとは違う反応に、レキがフランの顔を遠慮なく伺う。


「わらわはまだレキが戦うところを見ていないのじゃ」

「・・・そうだっけ?」

「そうじゃ。

 森では気を失っておったし、森を出てからはわらわのいない所でばかり戦っておった」

「平原での戦いは私達も同じ。

 昨夜のゴブリンとて見えたわけじゃない」

「それでもじゃ。

 わらわだけがレキが戦っているのを見てないのじゃ」

「う~ん・・・」


リーニャは目の前で野盗を蹴り飛ばすさまを、ミリスとフィルニイリスは気を失っているフランを食べようとしたオーガを瞬殺するさまをそれぞれ見ている。

フランだけが、レキの戦闘を今だ目の当たりにした事が無かった。


レキの強さを目の当たりにしていないにもかかわらず、レキのあらゆる行動を「すごいのじゃ!」と賞賛するフランの純粋さはある意味大物と言える。

だが、聞くのと見るのとでは何もかもが違うのだ。


何より、フランはただ純粋にレキの凄いところを見てみたくなったのだ。


「次の狩りはわらわも行くのじゃ!」

「うん、いい「ダメですよ、フラン様」・・・あれっ?」


フランのお願いに快く頷こうとしたレキだったが、すぐさまリーニャが止めに入った。

それも当然。

どんな魔物だろうと魔物は魔物。

いくらレキが強くとも、万が一の事がある。

基本魔術しか使えないフランでは、身の守りようもないのだ。


護衛としてミリスとフィルニイリスもいるし、リーニャとて最低限の自衛は出来る。

魔の森でもなければ、最悪フランを連れて逃げるくらいは出来るはず。

だが、それはあくまで最悪の話。

魔物になど遭遇しない方が良いに決まっている。

ましてや王女自ら魔物へ突っ込んでいくなど、リーニャでなくとも許可など出せるはずもない。


「むぅ・・・」

「私達はあくまで護衛なのです。

 姫様自ら危険な方へ行かれては守りようがありません」

「レキだって姫が傍にいれば戦い辛くなる」

「フラン様を庇ったばかりにレキ君が怪我をしても良いのですか?」

「うにゃ・・・」

「第一そんな事を言ったら「あっ、魔物」・・・やっぱり」


三人がそれぞれフランの我侭を諌めていた所、レキが魔物の気配を察知した。

そんなレキに、何故かフィルニイリスが呆れたような顔を向ける。

レキが「どうしたの?」と聞いても「お約束」と良く分からない事を言うフィルニイリス。


「それじゃ行ってくる!」

「待った!」

「待て、レキ」

「待つのじゃ!」


昨夜同様、魔物の方へと飛び出そうとするレキを三人が呼び止めた。


「・・・えっと、何?」

「迂闊に飛び出してはダメだ。

 まずは私達と相談してからだ」

「今レキが飛び出したら姫とリーニャを守るのは私とミリスになる。

 私達では手に負えない魔物が来たら守り切れない」

「どういうこと?」


呼び止めたのは三人。

そのうち、ミリスとフィルニイリスはレキに護衛として話し合いをして欲しいと願い出た。

最も戦力の高いレキがこの場を離れている間に他の魔物が来た場合、自分達では対処できない可能性があるからだ。

魔物を相手に戦えるのはレキとミリス、そしてフィルニイリスの三人。

一人で上位の魔物を仕留められるのはレキだけで、ミリスとフィルニイリスがコンビを組んだとてレキの足元にも及ばない。

だからこそこの場はレキが残り、ミリスとフィルニイリスが向かった方が良い場合もあるのだ。


「私達の最大の目的は姫を王都へ連れて行く事。

 つまり姫の無事が最優先」

「敵の殲滅は姫様を無事に王都へ連れて行く為の手段でしか無いのだ。

 戦わずにやり過ごせるならそれに越した事はない。

 姫様が傷つく可能性が下がるわけだからな」

「ふんふん」


最初に考えねばならないのは、戦闘行為そのものが必要かどうか。

そもそも全ての魔物が敵という訳ではなく、魔物の中にはこちらから手を出さなければ襲ってこない種類もいる。

レキが先日仕留めたダークホーンなどがその具体例である。

こちらから攻撃さえ加えなければ、ダークホーンは無害な魔物なのだ。


もちろん有無を言わさす襲い掛かってくる魔物もいる。

ゴブリンなどは意外にも好戦的だし、オーガは人を食料としか見ていない。

平原においても、ロックフォックスやアースタイガーといった魔物は人や動物問わず襲ってくる。

このような魔物は、逃げるか倒すしかないだろう。


戦う必要があるかどうかを見極めるのも、護衛として重要なのだ。


「魔物が大群で攻めてきた場合、レキが前に出るのは間違いではない。

 ただ、レキが抜かれたら私達では対処できない可能性が高い」

「オーガを倒せるレキでも対処しきれない魔物なら、私やフィルが全力で抗っても姫様を守り切れないだろうな」

「その場合、どうすれば良いと思う?」

「ん~・・・」


次に考えるべきは戦術、つまりは仲間同士の連携。

レキが前衛として戦うのは良い。

だが、前に出すぎた為に後ろに抜かれてしまっては元も子もない。

魔物とて馬鹿正直に真正面から攻めてくるとは限らず、中には他の魔物と示し合わせるように多方面から同時に襲ってくる場合もある。

連携して狩りを行う、フォレストウルフのような魔物もいるのだ。

ミリスが前に出て敵を食い止めつつ、フィルニイリスの魔術で後方から支援する。

それでも倒しきれない魔物はレキに任せる、というのもこの場合は有効だろう。


「でもそれじゃミリスが」

「ああ、そうだな。

 だが目的が姫様の無事ならそれもありだ」

「私達は命がけで姫を守る。

 時に自らを犠牲にしてでも姫を守りきる。

 その覚悟はある」

「そ、そんなのっ!」

「姫様が許さない事くらい分かっている。

 だからこそ、皆が無事に乗り切る方法を考えなければならないのだ」

「姫も無事、私達も無事。

 みんな無事に王都に辿り着く。

 これが最大の目標」

「う、うん」


そうして改めて確認するのが目標である。

何故魔物と戦わなければならないのか。

目標を達成する上で必要では無いのであれば、戦う理由もない。


先ほどレキは、ただ魔物が居るというだけで飛び出そうとした。

だが、仮にその魔物がダークホーンなどの無害な魔物ならやり過ごすのも手である。

攻撃的な魔物であっても、向こうが気付いていないならやり過ごした方が良い。

魔物が群れで行動している場合などは、下手に手を出せばその群れ全体が襲ってくる可能性すらあり得るのだから。


このような様々な選択肢を無視し、ただ魔物と言う理由だけで飛び出しては、逆に自分たちを危険にさらす可能性があるのだ。


「わかった」

「分かれば良い。

 レキは今まで自分だけで対処してきたのだからな。

 知らない事や分からない事があってもおかしくない。

 だが、これからは自分で判断せず私たちに聞いてほしい。

 仲間なのだからな」

「・・・仲間」


仲間という言葉を深く飲み込むレキ。


魔の森ではずっと一人だった。

ウォルン達はいたが、基本的には何をするにも自分で考え行動してきた。

魔物は敵であり食料である。

見つけたら狩るのが魔の森での生き方だった。


今のレキは一人ではない。

魔物を倒す必然性は無く、仲間の安全の為には逃げる事も重要だった。

一人で戦う必要もなく、時としてミリスやフィルニイリスに任せる事も。


ここには仲間がいる。

一緒に戦おうとしてくれているミリスとフィルニイリス。

守るべき存在であるフランとリーニャ。


だからこそレキは考えなければならなかった。

どうすればみんなを守れるのか。

みんなを無事に王都へ連れて行くにはどうすれば良いか。


一人では分からないのなら、みんなに聞けば良い。

ここには一緒に考えてくれる仲間がいるのだから。


「レキ、近づいてくる魔物の種類は分かる?」

「んとね、アースタイガー?だっけ?」

「なっ!?」

「アースタイガーは平原の魔物では上位。

 強さはオーク以上。

 速度は速く平原でアースタイガーから逃げ切るのはまず不可能。

 食性は肉食。

 人も魔物も等しく餌とする魔物」


アースタイガー。

平原においてはほぼ最上位に位置する魔物。

強靭な脚力を活かした速度で獲物に近づき、爪と牙を用いて攻撃する。

その力はオークをも容易く仕留め、平原であればオーガすら倒すだろう。

およそ平原に置いて、アースタイガーは間違いなく最強に位置する魔物である。


「間違いなく近づいているのだな?」

「うん」

「狙いは私達?」

「分かんない」

「数は?」

「えっとね、一匹」

「他に魔物の姿は?」

「ん~・・・無い」

「そう」


近づいてくる魔物やその他の情報をレキから聞き出し、そしてレキを交えて話し合う。

共に旅をする仲間同士の作戦会議である。


敵は上位の魔物。

一匹ではあるが放置するには危険性が高い。

逃げ切るのは難しく、本来なら撃退するのも難しいのだが。


「ちなみに、レキはアースタイガーと戦ったことは?」

「一昨日倒したよ?」

「あぁ・・・そういえばそうだったな」

「倒すのにどのくらいかかる?」

「ん~・・・わかんない。

 どれもすぐだったし」

「そうか・・・」


ここにはアースタイガーを難なく仕留める事が出来る少年レキがいる。


「通常なら私達全員で対処すべき魔物」

「・・・レキ一人で十分そうだな」

「うん!」

「どうする、フィル」

「レキはアースタイガーの相手をしてもらい、私達で姫とリーニャを守るのが無難」

「・・・だろうな」


最初の通り、レキが仕留めに行くという事になった。


何も考えずに飛び出すのではない。

みんなと相談した上で、レキが倒すのが一番だと判断したのだ。

結果だけを見れば同じだが、その差はかなり大きい。


「じゃあ行ってくる!」

「ああ」

「よろしく」


何の憂いもなく、皆に見送られながらレキが飛び出す。

上位の魔物と戦いに行くのだというのに、その表情は明るい。


「・・・って、もうあんな所に」

「あっ、終わった」


昨夜もみんなの為にゴブリンを倒した事に変わりはない。

だが、今日は違う。

みんなと相談し、みんなにお願いされて、そして魔物を倒す。

だからだろうか、いつもよりなんだか体が軽かったのは。

森でオーガを倒した時より剣が軽かったのは。

そして、一撃で魔物を仕留められたのは。


「アースタイガーも一撃・・・か」

「魔の森のオーガに比べればアースタイガーとて大した事はない」

「それはそうだが・・・」


周囲の警戒をしながらも、一撃で終わったらしい上位の魔物との戦いに、ミリスとフィルニイリスが呆れていた。


「ただいまっ!」

「ああ、お帰り、レキ」

「お帰りレキ、ご苦労様」

「うん!」


脅威となる魔物をあっという間に仕留め、戻ってきたレキに仲間であるミリスとフィルニイリスがそれぞれいたわりの言葉をかける。

二人の言葉に笑顔を向けるレキは、後ろに控えている仲間にも目を向けた。


そう、レキが最初に飛び出そうとした時に、ミリスやフィルニイリスと同じく「待つのじゃ!」と声をかけたにもかかわらず相手にされなかった悲しい少女であり、レキ達が守るべき存在であるはずの少女、フロイオニア王国王女のフラン=イオニアである。


王女であるフランは今、頬をこれでもかと膨らませながらレキを見ていた。

ぶっす~という音がどこからともかく聞こえてきそうなほど、全身で不機嫌さを表現していた。


・・・元々可愛らしい顔をしているせいか、そんな様子でも十分可愛いかった。


「フラン?」

「つーん」


つーん、と声に出して言うフラン。

そんなフランにレキが困惑する。


とりあえず怒っているという事だけは分かった。

だが、一体何を怒っているのかが分からなかった。


フランの安全のために魔物を倒してきたのだし、いつものように「すごいのじゃ!」と褒めてくれるのだと思っていたのに・・・。


「どうしたの?」

「つーん、じゃ」


分からないなら聞いてみよう。

そう思い、もう一度一度声をかけてみるも、フランの様子は相変わらず。

それどころか、膨らませた頬をそのままに、レキから顔をそむける始末である。

そんな二人をいつものように微笑ましそうに見守るのは、彼女の姉代わり母代わりのリーニャ。


「レキ君」

「あ、リーニャ」

「まずはお疲れ様です。

 私達の為、危険な魔物の相手をしてくれてありがとうございます」

「あ、うん!」


フランの分までレキをいたわり、お礼を言うリーニャにレキも笑顔が戻った。

そう、レキはみんなの為に戦ったのだ。

相手は森の魔物よりだいぶ弱かったが、それでもみんなのためにちゃんと仕留めてきた。

肉は美味しくないそうなので放置した。


「ふふっ、フラン様はちょっと拗ねてるだけですよ」

「拗ねてるの?」

「つーんじゃ」

「なんで?」


再び困惑したレキ。

フランに聞いてもつーんとしか答えてくれず、仕方なくリーニャに尋ねた。


「レキ君。

 レキ君が最初に飛び出そうとした時、フラン様も止めたのですよ?」

「そうなの?」


リーニャに聞かされた、フランが拗ねている理由。

それを聞き、首を傾げたレキ。

その様子は、何故拗ねているか分からないというよりむしろ・・・。


「気づいていなかったのですね」

「う~・・・」

「えっと、ごめん」


先ほどより更に強く睨んでくるフランと呆れ顔のリーニャ。

そんな二人に、とりあえず謝るレキだった。


――――――――――


「ふんっ、どうせレキはわらわのことなどどうでもよいのじゃな」

「そんなことないって」

「でもフィルとミリスの話は聞いてたのじゃ!」

「だってフィルもミリスも魔物に詳しいし」

「フィルとミリスの主はわらわなのじゃ!

 ならばまずわらわの話を聞くべきじゃ!」

「え~」


拗ねるフランを宥めながら、レキ達は相変わらず平原を歩いていた。


「大体レキは魔物となるとすぐ飛び出していってしまうのじゃ!

 珍しい魔物がいればぴゅ~って行ってど~んじゃ!」

「だって森じゃ見たことない魔物いっぱいいるんだよ?」

「わらわだって見たいのにっ!」

「フラン連れてったらダメってみんなが・・・」

「わらわだって見たいのにっ!!」


つーんとした態度こそ止めたものの、先ほどからフランはレキに不満をぶつけ続けていた。

守られる立場であるフランは、当然ながら魔物の傍に行く事は出来ない。

むしろ魔物が出たら遠ざけられるフランである。

そんなフランと、魔物を見れば飛んで行けるレキとでは、当然ながら周りの扱いも違う。


フランも頭では分かっているのだろう。

それでも同い年のレキが自由に振る舞っているのに、自分は何もさせて貰えない事が不満なようだ。


「ふふっ、レキ君も大変ですね」

「じゃれてる」

「ははっ」


そんな二人をリーニャ達が暖かく見守る。

一見すれば喧嘩しているような二人だが、別の見方をすればどうにもならない事に不満を述べる女の子と、それを宥める男の子という構図だった。

例えるなら、街へ買い物に出かけた兄と留守番させられた妹、と言ったところだろうか。

実際は魔物退治だが。


「えっとね、黄色で縞々で、顔とかかっこよかったよ?」

「む~!

 わらわも見たかったのに!」

「あっちに置いてきたからもうすぐ見えるよ?」

「動いてるとこも見たかったのじゃ!

 大体どっか行くなら行ってきますというのが礼儀じゃろう」

「えっ、言ったよ?」

「わらわは聞いて無いのじゃ!」

「え~」


つい先程まで魔物と、それも平原では最強クラスの魔物であるアースタイガーと戦っていたとは思えないレキ。

フランが先ほどから文句を言い続け、レキはそんなフランの小言を聞きながらもアースタイガーがいかに格好良かったかを自慢げに語り、それがフランの不満を増やしていく。

不用意に騒ぐのは魔物なり野盗なりをおびき寄せてしまう為、普段なら諫めるリーニャ達も、レキの実力を信頼しているのか温かく見守っている。

別に、フランの不満が自分達に向くのを嫌がっているわけではない。

フランの不満はただの可愛い我儘で、レキについて行きたがったのも、レキの傍なら安全だと分かった上での言葉である。

万が一を考え、またレキに護衛としての心構えを教える為にも無視したが、実際はアースタイガーくらいならフランを連れて行っても問題は無かった。

なにせ、レキにとってはたった一撃で倒せる魔物なのだから。


とは言え、フランはずっと文句を言い続けているし、それを聞くレキも少しばかり疲れてきている模様。

いい加減リーニャ辺りに助けてもらおうとレキが後ろを向いた。


「にゃ!

 聞いておるのかレキ!」

「え~」

「ふふっ」


すかさずフランからの文句が飛んだ。

そんな様子すらもほほえましく、リーニャ達も助けてくれない。


結局、レキは昼食を取るまでひたすらフランの愚痴を聞き続けたのだった。

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