第201話:ミーム
ミームを下がらせるわけにはいかなかった。
ミームの実力は高く、彼女を下げればそれだけルミニア達の戦力が確実に落ちてしまう。
いくら総合力で男子を上回っているとはいえ、その分広範囲を受け持っているルミニア達に余裕は無いのだ。
五人で連携しながら戦っている以上、ミーム一人抜ければそれだけ連携にも穴が開いてしまう。
このまま五人で戦い続ける以外の選択肢を、ルミニアは持っていなかった。
以前にも、ルミニアはフランと共にゴブリンと戦った事がある。
レキやミリス、フィルニイリスと一緒に、鍛錬の一環としてとある森に入ったのだ。
もちろんレキ達以外にも王国の騎士団やルミニアの父親が治めるフィサス領の騎士達もいた。
仮にも王女と公爵令嬢である。
万が一の無いよう、安全に安全を重ねた上での戦闘訓練だった。
今、ルミニア達の傍に騎士達はいない。
レキは単独で片側を受け持ち、ミリスとフィルニイリスは後方でこちらを見守っている。
これは学園行事。
ゴブリン以外の魔物が現れる気配がない為か、ギリギリまで手を出さずにいるようだ。
その信頼に応えたいとは思うものの、それにはまず現状を打開しなければならない。
槍の間合いを活かし、ゴブリンを寄せ付ける事無く戦いながらルミニアは現状を分析する。
ルミニアと共に前衛で長剣を振るうユミは問題ない。
ルミニアと同様、長剣の間合いを上手く活かし先程からゴブリンを自分の間合いに入れる事無く戦えている。
後衛のファラスアルムは魔術による支援や回復を頑張ってくれている。
彼女はまだ無詠唱で魔術を放つ事は出来ない。
それでも的確に状況を判断しながら、魔術を行使してくれているのだ。
遊撃に回ったフランは持ち前の素早さを活かしながら縦横無尽に戦場を駆け回っていた。
レキ直伝の双短剣で、前衛を突破しそうなゴブリンをことごとく切って捨てていた。
ルミニアを含め、四人はまだ大丈夫。
問題は・・・。
「きゃあっ!」
横からのゴブリンの攻撃を避けそこね、ミームが体勢を崩した。
尻もちこそつかなかったが、追撃の機会は逃してしまったようだ。
普段のミームなら、それこそフランと競うようにゴブリンを仕留めていただろう。
「ふふん、どう?」などと鼻を鳴らしながら、得意げな顔で次から次へと得意の格闘術で倒していったに違いない。
それがどうだろう。
先ほどから、ミームの拳はゴブリンを捉えきれず、ミームの蹴りはゴブリンを僅かに下がらせる程度で終わっている。
得意の連撃も繰り出せていない。
二撃目三撃目を出そうとしても、すぐに別のゴブリンに襲いかかられ邪魔をされているからだ。
それに対処しようと目を向ければ、倒し損ねたゴブリンが飛びついてきて、ミームは慌てて下がるしか無かった。
――――――――――
こんなはずじゃないのに。
カルク同様、ミームも自分の至らなさに悔し涙を浮かべていた。
学園に来る前、同年代でミームに勝てる者はいなかった。
純人族の学園なら面白い相手がいるかもと入ってみれば、そこには圧倒的な強者であるレキがいた。
入学早々の手合わせで返り討ちにあって以来、毎日のように挑んでは倒されている。
同年代の相手にコレほどこてんぱんにされた事はなく、あまりの実力差に悔しいとすら思わなくなっていた。
フランやルミニアとも武術の授業で何度か手合わせをしている。
こちらはレキほどではないにせよ、今のところミームは負け越している。
何度か勝った事はあるが、戦績で言えばフランの圧勝、ルミニアに至っては偶然が重なった結果の勝利のみだ。
面白い相手どころではない。
同年代で自分より強い相手に巡り会えた。
プレーター獣国を出て良かったと思いつつ、心の何処かでこんなはずじゃと思ったりもした。
どうしてそんなに強いのかと、以前レキ達に聞いた事があった。
返ってきた答えは、ずばり魔物との戦闘経験だった。
レキは五歳の頃から三年間、毎日のように魔物を狩り続けてきたのだという。
最初は信じられなかったミームだが、レキの強さを知ればなるほどと思うようになった。
フランとルミニアも魔物と戦った事があるという。
こちらはレキを始めとした十分すぎる護衛の面々に囲まれての戦闘らしいが、それでも魔物と戦った経験のないミームからすれば羨ましい話だった。
自分とレキ達との差はそれなのだろうと考えた。
いずれは自分もと、そう思っていた。
そんな矢先に訪れた絶好の機会。
この野外演習でなら魔物と戦うかもと意気込んだ。
何事もなく終わりそうで少々がっかりしていた昨夜。
森の影からひょっこり姿を見せたゴブリンに、ようやく自分も魔物と戦えると喜び勇んで飛びかかり・・・そしてミームは死にかけた。
敗北の先にあるものは、悔しさでは無かった。
敗北の先には死があった。
レキ達に負ける度、悔しさを抱きながらも「次は勝つから!」と意気込んできた。
だが、実戦に次など無いのだ。
あるのは死で、勝たなければそこで終わり。
それを知らなかったミームは、負けてもただ悔しいとしか思わなかった。
相手の武器を怖がらずに掻い潜れるのも、相手の懐に躊躇いなく飛び込めるのも、全ては死ぬ事の無いただの試合だったから。
相手の武器を躱しそこねれば傷を負い、相手の懐に飛び込み損ねれば捕まる。
捕まれば後は地面に押し倒され、四方から飛びかかってきたゴブリンに食われて終わり。
それが実戦。
今ミームが行っているのは、つまりは命のやり取りなのだ。
あんなに強いレキが毎日鍛錬を欠かさないのも、フランが剣や魔術の鍛錬を真面目に行うのも、頭の良いルミニアが槍を振るうのも、全ては死なない為。
負けてしまえばそれで全てが終わってしまう。
そんな戦いを経験しているからこそ、レキ達は毎日頑張っているのだろう。
それに比べ、今までのミームは戦う事を楽しんでいただけ。
勝つ事にこだわり、負けても「次は勝つから!」などと言って。
負ければ次など無いのに、それを知らないからこそ「次」頑張れば良いと考えていた。
次のない戦い。
それがこんなにも怖く、辛いものだったなんて・・・。
思いどおりに行かない戦いに、それでもミームは歯を食いしばり拳を振るい続けた。
――――――――――
もう何度目か分からない拳をミームが繰り出す。
拳は目の前のゴブリンの頬を掠め、わずかに後ろへと退かせた。
息を継ぐ間もなく別のゴブリンがミームに飛びかかり、それを蹴りで迎撃する。
「あ~もうっ!」
複数を相手にする戦い。
思いどおり戦えない歯がゆさをミームは拳に込めた。
それは、戦闘開始から何度も繰り返された攻撃。
おそらくはただの偶然だったのだろう。
力を込め過ぎた拳。
先程よりわずかに大ぶりだった攻撃を食らったゴブリンは、先ほどより大きく後退した。
そのゴブリンが偶然死角を生み、更には大ぶりの攻撃直後という事もありミームは次への対処が遅れてしまった。
「きゃあっ!」
生まれた死角から別のゴブリンが飛びかかり、ついにミームは一匹のゴブリンに組み付かれてしまった。
「やっ、あっ・・・」
飛びかかった勢いのままに押し倒され、ミームが地面に組み敷かれる。
昨夜は暗くてよく見えなかったゴブリンの、醜悪な顔がミームの眼前に迫った。
「ギャギャ!」
その顔に不釣り合いな大きな目を歓喜に歪ませ、大きく開けた口からは牙が覗き、今にも食らいつこうとミームへと迫る。
「や・・・いや」
強いとは言えまだ十歳の子供。
組み敷かれた体勢では満足に力も入らず、伸ばした腕でなんとか押し返そうともゴブリンの力はミームが思っていた以上に強く、牙が徐々に迫ってくる。
身体強化などとっくに解かれ、それでも拳を繰り出せば牙くらいは折れたかもしれないが、今のミームは恐怖に囚われそれどころでは無かった。
「た、助け・・・」
脳裏には昨夜の光景が蘇り、同時に救いを求めようと辺りを見渡した。
ここには昨夜助けてくれたレキはいない。
伸ばした腕は空を切り、ゴブリンの牙はミームの首筋へと迫った。
「っ!」
いよいよその牙がミームの首筋に突き立てられようとした。
やがて来る痛みに耐える為か、あるいは恐怖からか、ミームは強く目を閉じた。
「うにゃあ!」
覚悟した痛みは訪れず、代わりに届いたのはここ一月毎日の様に聞いていた声。
直後、組み敷かれていた体が自由を取り戻し、感じていた重みも無くなった。
「フランっ!?」
「ミームっ!」
「ミームさんっ!」
「・・・ユミ、ルミニアっ!」
目を開ければ、そこにはまるでミームをかばうように立つ、仲間の姿があった。
先程の掛け声はもちろんフランのものだ。
今も、皆の先頭で両手の短剣を振るっている。
ミームのすぐ目の前には長剣を構えるユミと槍を構えるルミニアの姿があった。
どちらもフランと手分けするように、ユミは左を、ルミニアは右を受け持っている。
更には。
「すぐ治しますからっ!」
遅れて、ファラスアルムがミームへと駆け寄ってくる。
倒れているミームに手をかざし、目を閉じ呪文の詠唱を始めた。
「ファラ・・・みんな、うぅ・・・」
倒れているミームを中心に、半円を描くように立つフラン、ルミニア、ユミ。
詠唱が終わったらしいファラスアルムの手から癒やしの魔術がミームに降り注ぎ、ミームの怪我が治っていく。
胸の内側から様々な感情が浮かんできて、目からは涙が溢れてきた。
救われた事に対する安堵、こんな自分を助けてくれたみんなへの感謝。
ゴブリン相手に何も出来なかった悔しさや、そのせいで皆に迷惑をかけた事への申し訳ない気持ち。
総じて、役立たずな自分に対する気持ちの方が強かった。
勝手な自分、足手まといな自分。
でも、みんなはそんな自分を見捨てず、危険を顧みず助けてくれた。
それが嬉しくて、同時に助けられるだけの自分が情けなくて。
叶うなら昨夜の様に泣き叫びたかった。
でも、それが出来ない事くらい今のミームにも分かっていた。
戦いは終わっていない。
もともと数では圧倒的に不利なのだ。
それをルミニア達は、不慣れな連携で対抗しているに過ぎない。
本当なら、そこにミームも加わるはずだった。
「う、うぅ・・・」
正直に言えばまだ怖かった。
突き立てられそうになった牙の鋭さ、間近で見る醜悪なゴブリンの顔、生暖かい息や体に食い込んだ爪の感触。
まぶたに焼き付き、脳裏に浮かぶあらゆる光景が、戦いを拒絶した。
だが、みんなはそんなゴブリンと戦っている。
役立たずなミームを守ろうと、倒れた状態のままのミームを中心に、半円を描きながら必死に戦っているのだ。
学園に来るまでは負け知らずだったミーム。
誰かに助けられた事は無く、誰かを助けた事なら何度もあった。
そして、お礼を言うその子に「ふふん」と鼻を鳴らしてきた。
昨夜だって、ゴブリンを倒した事を自慢するつもりだった。
「ふふん」と鼻を鳴らし、皆の前で胸を張るはずだったのに・・・。
――――――――――
自分は何をやっているのだろう。
ゴブリンなんかに良いようにやられ、いつも張り合っているフランやルミニアに一方的に助けられて。
自分より弱いはずのユミやファラスアルムまでもが、自分を助けるため必死になって戦っている。
フランやルミニアは兎も角、ユミやファラスアルムは怖いはずだ。
ユミは昔、ゴブリンに殺されかけたと聞いた事がある。
レキとの出会いの話だ。
森で薬草を採っていた時にゴブリンに襲われたと。
偶然レキ達が通りかからなかったら、おそらくはそのまま喰われていたに違いない。
ファラスアルムなど、戦い自体苦手としている。
武術はからっきし、攻撃魔術もロクに使えず、きっとゴブリンどころか最弱の魔物であるホーンラビットにも勝てないかも知れない。
そんな二人が今、ミームを助けようと必死になって戦っている。
自分は何をやっているのだろう。
皆を守り戦うのは、ミームのはずだった。
自分より弱いユミやファラスアルムを助ける為、拳を振るう。
フランと撃破数を競い、「ふふん」と鼻を鳴らして胸を張って。
ルミニアに苦笑交じりに小言をもらい、それから・・・。
自分は何を・・・
いつの間にか涙は止まっていた。
傷はファラスアルムが癒やしてくれた。
立ち上がる力が脚に宿り、拳はきつく握りしめられたまま。
悔しい。
救われた安堵も、申し訳ない気持ちも薄れ、自分自身に対する怒りで一杯だった。
フラン、ルミニア、ユミ、ファラスアルム。
学園で出会った友達に迷惑をかけて、自分は何をやっているのだろうか。
昨夜も救われ、今日もまた救われた。
強いはずの自分はどこにもおらず、役立たずで足手まといな自分がいる。
悔しい。
このまま倒れていれば、あるいはフラン達が全てを終わらせてくれたかもしれない。
両手の短剣を必死に振るうフラン。
戦況を確認しながら槍を突き出すルミニア。
まだ慣れていないだろう長剣を力一杯振るうユミ。
仲間の支援を必死に行うファラスアルム。
彼女達にまかせておけば、ゴブリンの数十匹くらいきっと大丈夫なのだろう。
だってほら、フランの短剣が一匹のゴブリンを切り裂いたし。
ルミニアの槍がゴブリンの腹を貫いた。
ユミの長剣がゴブリンを怯ませて、ファラスアルムの癒やしの魔術がフラン達に降り注いだ。
悔しい。
そんな彼女達に任せっきりな自分が。
何も出来ず、ただ倒れているだけの自分が。
たかがゴブリンと侮り、みんなに迷惑をかけた自分が。
そんな自分を助けてくれたみんなに対し、何も出来ない自分が。
戦う事を放棄し、皆に任せようとしている自分が。
拳は更に強く握りしめられた。
爪が食い込み、掌には血が滲んでいた。
先ほどとは別の涙が、目尻に浮かんだ。
悔しいっ!
このまま何も出来ないのが悔しい。
みんなに迷惑をかけっぱなしなのが悔しい。
助けられたまま終わるのが悔しい。
自分のせいで、皆が傷つくのが悔しい。
脚を踏みしめ、拳を握りしめてミームが立ち上がった。
悔しいっ!!
やられっぱなしは悔しい。
ゴブリンごときに倒されるのは悔しい。
好敵手であるフランやルミニアに助けられたままなのが悔しい。
自分より弱いはずのユミやファラスアルムに迷惑をかけたのが悔しい。
何も出来ず、このまま終わるのが悔しい。
仲間が傷ついているのを、ただ見ているだけなのが悔しい。
ゴブリンの爪がフランを浅く傷つけ、ルミニアの槍をゴブリンが掴もうとした。
ユミの長剣の届かぬ場所からゴブリンが石を投げた。
ファラスアルムを喰らおうと、ゴブリンが背後から回り込もうとした。
悔しいっ!!!
あるいはそれは、初めてレキに負けた時からミームの中にあったモノかも知れない。
レキの強さを知り、レキには勝てないのだと思い知らされ、いつの間にかレキは特別なのだと思い込むようになった。
毎日のようにレキに挑んでいるのは、絶対に勝てないのだと心の底から納得する為だったのかも知れない。
フランやルミニアには勝てないとは思わない。
負け越しているとは言え何度か勝った事もある。
ユミなら大抵勝てるだろう。
ファラスアルムはそもそも武術がからっきしなので戦おうとは思わないが、その分ファラスアルムには魔術がある。
何が言いたいかと言えば、フラン達はミームの仲間で友達なのだ。
学園に来る前にはいなかった、ミームと対等の友達。
同年代では頭一つ飛び抜けていたミームは、対等な友達と言うのがいなかった。
周りはミームを自分より強い子供として上に見ていて、ミームはミームで弱い連中とはやってらんないなどと強がった。
獣人の国プレーターには、いわゆる「強さこそ全て」という考え方がある。
種族的に魔術が不得手な分、武術に力を入れているからこその考え方なのかも知れないが、とにかく強い者が尊ばれる国なのだ。
実際、プレーター獣国の王は最も強い者がなる事になっているし、五年に一度プレーター獣国では最強決定戦なんて祭りもあるくらいだ。
そんな国に生まれたミームもまた、強さを尊ぶ考え方を持っている。
才能に恵まれ、同時に努力を怠らなかったミームは、気がつけば同年代の誰より強くなっていた。
そして、気がつけば周りに誰もいなくなっていた。
嫌われていたわけではない。
多少勝ち気で我儘ではあるが、獣人ならほとんどの者が負けず嫌いで、我儘と言っても子供らしい可愛いものだ。
だが、同年代では負け知らずで、大人顔負けの実力を持ったミームに対し、負けず嫌いのみが先行していた周りの子供は、どうせミームには勝てないのだからと、誰もミームと競わなくなったのだ。
ミームとの差を思い知らされるのが嫌だったのか、鍛錬すら一緒にしなくなっていた。
浮いた子供だった、と言えるのだろう。
いつも一人で鍛錬を続けていた。
そんなミームを心配し、あえて純人国の学園を勧めたのはミームの両親だった。
そして、ミームはこのフロイオニア学園で、自分より強い子供と、自分と毎日競い合える友達と出会った。
フロイオニア学園で出会ったミームの友達。
勝ち負けを競い合い、肩を並べて戦える友達。
そんな友達が、ミームをかばって戦っている。
肩を並べるはずの友達が、ミームを背にかばい、ミームの前に立って戦っているのだ。
友達なのに、一緒に戦うはずなのに。
まるでそう、ミーム一人が置いて行かれるような。
はるか前方に見えるレキの背中。
そのレキの後ろ姿を隠すように、フラン達の背中が見えた。
みんな、ミームを置いて行ってしまう・・・。
そんなのは嫌だ。
獣人の国で居場所を失くして。
このフロイオニア学園でやっと見つけた自分の居場所。
それを、よりによって自分の弱さが原因で無くしてしまうなんて。
ミームだって戦えるのだ。
みんなに助けられるだけではなく、みんなと一緒に、もっと。
だって、みんなは友達なのだから。
「やぁーーーっ!!!!」
「ミームっ!?」
「ミームさんっ!?」
雄叫びと共にミームが飛び出した。
立ち上がった脚に力を込め、精一杯の力でゴブリンに殴り掛かった。
頬を掠めたゴブリンの爪を怖がらず、ゴブリンの懐に躊躇なく飛び込み、全力でその醜悪な顔をぶん殴った。
いつものミームの、いつもより気合の入った拳。
拳はしっかりとゴブリンに命中し、その背後にいた別のゴブリンを巻き込みながらぶっ飛んでいった。




