恐怖支配
少し遡るがこれは4月の話
1年6組だ
「このクラスの学級委員を決めようと思う。立候補する人はいるか?」
「先生、僕が立候補します。」
そう言ったのは織田豪鬼という男。これが全ての始まりだったのだ。
「そうか、他にいないか?」
俺達は分かっていなかった。この男の恐怖を。
「じゃあ織田さんに決定するぞ。異論はないな?」
まだ誰もこの男のことを知らないんだ。異論は出るところか分からない。
「よし、決定だ。じゃあ織田さんはみんなに挨拶をして学級での目標を決めてくれ。俺は職員室に行ってるからな。」
「はい、分かりました。」
見た目はがっしりしていて高身長。モテそうな雰囲気だ。
「挨拶をする。俺がこのクラスの学級委員となった。お前ら今日から俺に服従しろよ〜。」
ニヤケ顔でそう言ってきた。しかしみんなは服従するつもりは到底無い。
「は?誰があんたに服従すんの?」
「お前は桜と言うのか。お前の人生ぶっ壊してやるからな。」
「は?何言ってんの?」
そうだそうだと声があがる。
すると織田は桜の目の前に近寄った。
その瞬間、桜の顔面を躊躇せず殴った。
「痛った!!!あんたもう許さないから!」
「許さねえのはこっちだ。」
闇が深い顔でそう睨む。その言葉に桜は怯える。
「俺に刃向かったものはこうなるからな、分かったか貴様ら?」
「一言だけ言わせてもらうがそれが気づかれたら君は退学なんだぞ。」
「貴様は本田と言うのか。俺は何をしても退学にならない。何故かは後々俺に刃向かって来たものに見せてやろう。」
「おいお前ら!全員立って、1列に並べ。」
そう言われ何が始まるとは知らず、1列にみんな並んだ。
すると織田はいきなり先頭に殴りかかった、殴ったら次の人、殴ったら次の人を繰り返した。
その後に何があったのかは俺には分からない。しかし、予想できることとしては大体わかる。例えば、
自主規制
現実じゃありえないような話だ。その事があってからある一人は抵抗しようと学校に報告した。
しかし、どういうことか、織田は罪に問われなかった。しかしその次の日、報告した生徒は学校に来なくなっていた。何があったのかは誰も知らない。
その1件があってから1年6組は心が閉ざされてしまった。クラスにいるときは怯えている子犬の表情様々だ。3組の場合は喜怒哀楽、色んな感情があって誰も口を開けようとはしないが、6組には怯えるという気持ちしか無い、例え怒ったとしても何も出来ないからだ。自分がやられるだけ、ならば手を出さない。それが人間の心理だ。
しかしそんな6組でも廊下では明るい。
6組のギャルっぽい女子が出てきた。