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青春はフィルムの中に  作者: キュン太郎
1/1

ただいま、桜木町

桜木町は、やはりカップルで賑わっていて、

楽しそうに男が、彼女の買い物袋を、

『持つよ』と奪っていく。


駅から山下公園へ行く途中のこの橋で立ち止まる。


4年前、この橋で彼女に振られた。

『ごめん。私の好きな直也じゃないから、もう』


そんなトラウマの地に、俺は転勤してきてしまった。


だけど久しぶりの横浜に初恋の時のように緊張し、

不思議とうきうきもしていた。


山下公園を歩いていると、やはり桜並木は海とぴったり合って、なんだか美味しそうでお腹が減ってしまう。

俺の卒業した大学の学生が、花見をしている。

懐かしい。

だんだん、その花見をしている学生が、過去の自分たちにすり替わっていった。


×××××××××××××××××

「おい!直也さっきから黙ってんなよ!」

雄二がずっと、野次を飛ばしてマジうざい。

「お前、俺と2人の時はずっと『おっぱいは世界遺産』ってたろ?!」

「やだ、なにそれ」と仁美が俺を見ながら言う。

「ち、ちがう」

「俺もお前が、『女大好きすぎて、女になりそう』

って言ってるの、聞いたことあるわ」

と、和也がわざと真剣な顔でエピソードを増そうとしているのが、本当に勘弁してほしい。

結奈が、「もう直也君は、異性として見ないことにした」と笑いながら言う。

「うちも〜」と、茜が言う。

「いや、お前ら盛りすぎだって」と俺が焦っている隙に、「今年も頑張りましょう。乾杯〜〜!」とみんなが勝手に乾杯を始めて、みんなくすくすわらう。


映画サークルを立ち上げた、初めてのみんなでの

飲み会。

「部長だれにすんの」と雄二、

「ん、まあこのサークル作ろうって言った、直也でしょ」

「いやいや、和也やる方が」

「じゃあ、部長は直也ということで、

乾杯!」

乾杯〜〜と2度目の盛り上がり、

「これから、幹事兼部長よろしく」とくすくすわらいながら、和也と雄二が笑う。

「せけえぞ」

そんなこと言いながらも、この居場所はすごく楽しくて、

春匂いと、桜越しのランドマークタワーになぜか心がうきうきしていた。


映画なんて一回も使ったことないけど、

みんなでやれば、できそうな気がしていた。

サークルだって、こんな人が集められると思ってなかったから。


大学のキャンパス。

すっかり桜が咲いて、映画とかに出てきそうな大学のサークル勧誘が始まっていた。




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