表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界生活はとりあえず2年間!  作者: ミーレさん
第一章 研究所
5/86

4.異世界言語、理解薬

 リュック背負わせたまま、忘れてました……

 リュック背負ったまま、フード男たちと礼をしているという、おかしな状況だったんですねww

『ーー、ーーーー?』


 ポンポン、と優しく、肩を叩かれる。

 むぅ、仕方ないわね。ひょい、と顔を上げると、まー、綺麗な顔ね。男の人だから、かっこいい、と言うべきかもしれないけど。ごめん、女装似合いそう、とか思っちゃった。


 そして、その人は、スッとある場所を指差す。そこには、敷き布と、その上に座布団っぽいのが並んでた。あらまぁ、いつの間に。


 改めて、入ってきた人たちを見ると、男3人に、女2人。女性は、侍従だろうか、2人とも同じ服を着ている。この女性2人が、敷き布を敷いたり、座布団を並べてくれたのね、うん、仕事がはやい。


 ………でも、敷き布が、魔法陣にちょっと、かかってるんですけど。……いいんでしょうかね?まぁ、この部屋自体が狭いから、仕方ないけど。


 で。座布団の数は、出口側に3つと、魔法陣側に2つ。ちなみに、出口側の方が、金の刺繍が少し入ってて、あくしゅ……、いや、えっと、豪華ですね。


 ……これは、明らかに座ってくださいってことよね。


 笑顔で、出口側の1つに座ったらどーなるか。ちょっと気になるけど、まぁ、普通に魔法陣側に座りますか。


「睦月さん、私たちは、座った方がいいみたいですよ。」


 1人だけ先に座るのはイヤです、神楽ちゃん、あなたも道連れです。


「……あ、うん。そうだね、座ろっか。」

 神楽ちゃんは、顔をあげて、座布団を見て、返事をした。



 私が座布団に向かって歩くと、神楽ちゃんも後ろからついてきた。……新しく妹ができたみたいだわ。




 ………これ、靴脱ぐべきかしら。脱ぐべきよね、日本人としては。


 私はスニーカーを脱いで、きちんと揃えて置いた。敷き布を歩くと、少しごつごつしていた。


 座布団の前まで来ると、女性2人がいる方にお辞儀をしてから座る。……もちろん、正座。


 私が、リュックを下ろしていると、神楽ちゃんも座布団に座るところだった。神楽ちゃんが同じようにして座ったのを確認して、男3人が座布団に座りに来た。


 ……左から、あぐら、立て膝、立て膝。ひどくない?こっちは正座してんのに。


 しかも、靴、脱いでないよね。汚れちゃう、とか思わないのかしら、それとも、汚すものなのかしら。てか、それ、服も汚れるんじゃ……。




 全員が座ると、侍女の1人が、綺麗なお皿に入った、緑色のダンゴみたいなのを持ってきた。……待って、それ、どこから出した?さっきまでそんなの持ってた?………これがプロ技ってやつかしら。


 そして、もう1人の侍女が、水(だと思う)を置いていく。……息ぴったりね、えぇ、もう突っ込まないわ。プロ技よね?



 ふむ。ダンゴと水は、私と神楽ちゃんの分だけ。男3人にはない。私は、ちらっと男3人を観察する。


 あぐらをかいてる、左の若い男。短い茶髪、ごっつい体。……筋肉ね、きっと鍛え上げてるに違いないわ。私の予想としては、騎士団長とかかしら。でも、鎧は着てないわね……、謎だわ。


 次。立て膝の、右にいるおじさま。切れ長の目、長くて蒼っぽい髪。服装は、ゆったりしたものを着てるわね。


 で、真ん中の男。この人も、若いわね。私の肩を叩いたのはこの人だね。綺麗な顔してらっしゃる。髪は金に近い茶髪ってカンジかしら。真ん中にいるし、1番身分が高いのかな?


 その、真ん中にいる男と目が合う。


 ニコッ……て、微笑まれた……。何その笑顔、怖……。いや、普通の笑顔だよ、笑顔なんだけど……。なぜか、こう……、背筋がゾクッってなったのよ……。


 この男は、敵にまわすべきじゃない。絶対に、そういうタイプの人間だわ……。


『ーーーーーーー』


 ニコニコしながら、緑のダンゴを指差す、笑顔の男。


 ……………ふむ。まぁ、毒は入ってないだろうけど、万が一のこともあるしね。私だけなら食べただろうけど、神楽ちゃんがいるからなぁ……。




 とりあえず、そうね……。




「いいんですか?……ここ、盗聴されてますけど?」


 笑顔男の、目を見て言い放つ。



 キョトン、としてる笑顔男。……そして、またダンゴを指差した。ふむ、………なるほど、あなたたちは、本当に日本語がわからないみたいね。よかった。


 じゃあ。


「睦月さん、少しお話があります。」

「え、うん、なぁに?」


 えーっと。


「とりあえず、私が先にこれを食べます。もし、私が倒れたり、苦しそうだったら、逃げてください。体育には自信がありますか?」

「!……それは。

 ………私は、麗華ちゃんを置いて逃げたりしないよ。」


 じっと、私の目を見つめる神楽ちゃん。………ん?……麗華、……ちゃ、ん?


「………ちゃん付けは、止めて欲しいんですけど……」


 神楽ちゃんは、ちょっとムッとして言い返す。


「そこじゃないよ、今話してるのは。」


 いやぁ、私としては結構、重要な問題なんですけど。


「麗華ちゃん、いい?自分をもっと大切にして。小学校でも、そうやって習ってるでしょ、麗華ちゃんは、この世界で1人しかいないんだよ?」


 ………。ふふふふふ。泣いても、いいかしら。小学生って言いましたよ、この()。さらっと何、断言してるのよ……。あぁ、目が、じんと熱くなる。うぅ、ひどいわ、ひどいわ、ひどいわ………。


 私に構わず、どんどん話す神楽ちゃん。


「もし、その役をするとしたら、私がするべきよ。………私の方が、年上だし、ね。」


 速業だった。神楽ちゃんは、ひょいっと、緑色のダンゴを取って、自分の口の中に入れた。


「ちょおぉぉいっ、何してるの、何してんのよおぉっ!」


 可能性が低いとはいえ、怪しいものは食べちゃダメでしょう、しびれ薬とか入ってたら、どうするのよ!?


 最悪の可能性が、頭をよぎる。

 私たちは、救世主として召喚されたのではなく、ただの娯楽として喚ばれた?この笑顔男の娯楽に付き合わされる?この笑顔男は、人の死を観るのが好きで、実はダンゴは毒薬?


「うわああぁっ、出して、出しなさい、ぺっぺしなさい!」




『ーー、ーーーー、ーーーーー』






 神楽ちゃんが、謎言語を発しました。


 あ、そう、そういう……。

 つまり、あれね、異世界語が話せるようになるのね、了解、私も食べるわ。




 一応、毎日投稿できればいいな、と思ってます。

 これからは、朝の7時か、夜の22時、どちらかで投稿することになります。(ちなみに、明日の分はまだ書けてないので、22時投稿になります。)


 これからも頑張って書いていきますので、よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ