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異世界生活はとりあえず2年間!  作者: ミーレさん
第一章 研究所
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3.帰ってきた深緑フード

「睦月さんは、どうやってここまで来たんですか?」


 神楽ちゃんも、落ちてきたのかしら。もし落ちてきたなら、大変だったでしょうね、スカートだもの。


「自分の部屋のベッドに腰かけたら、いきなりベッドが消えちゃって。その後は、なんか、ずっと落ちてた気がする。……でも、よくわかんないや。ごめん。」


 ………つまり、落ちてきたのね、スカートで。しかも、その状況だと、何も持ってないんじゃないかしら。私はリュックに細々した物なら入ってる。

 女の子だもの、色々必要よね。直ぐに帰れそうになかったら、半分こしましょうか。


「そうですか……。

 私は、自転車に乗っていたら、地面が消えました。

 ……ちょっと、自転車とリュック、取ってきますね。」


「うん、わかった。」


 神楽ちゃんの了解を得て、自転車の方へ行く。大丈夫かなぁ、カゴとか曲がってないといいけど。


 私が立ったのを見て、フード男4人がちょっと焦った気がしたけど。……まぁ、気にしない、気にしない。


 私は、部屋の隅に転がっている自転車とリュックに向かう。まずリュックを拾って背負う。次に、自転車を起こす。ふむ、特に変なトコはないわね、普通に押せるし。良かった。


 自転車は、適当な所に停めておく。……魔法陣の中は怒られそうなので、魔法陣のちょっと手前に停めた。うん?そう考えると、私たち、魔法陣の内側で、おしゃべりしてたのか。ありゃりゃ。


「睦月さん、すみません。そこ、魔法陣の中みたいなんで、もう少しこっちでお話ししませんか?」


「あ、本当だ。」


 神楽ちゃんは、慌ててこちらに来てくれた。別に慌てる必要はないのに、かわいいなぁ。


 そして、またフード男たちがビクッてなったけど、気にしないね。なんかソワソワとドアの方を見てるから、………伝令でも待ってるのかしら?


 まぁ、いいや。

 私は、神楽ちゃんと、魔法陣の外側に座る。


「………。」

「………。」


 沈黙。な、何話そう、「お話ししませんか」とか言っときながら、何話すか決めてなかったわ……。えーっと。


「………。」

「………。」


 えーっとね、ちょっと待ってね、うんと。そうね……。


「………、睦月さんは、何か持ち物はありますか?」


 ……情報交換は大切よね。うん。


「いや、私は何も………、あ、シャーペンは1本あるよ。」


 そう言って、胸ポケットからシャーペンを取り出す。……あらまー、かわいいシャーペンね。星の飾りが付いてるわ。


「そうですか、ありがとうございます。……私は家に帰る途中だったので、少し荷物があります。もし、そのー、何か困ったことがあれば言ってください。」


 具体的には、女の子の日とかね。


「うん。」


 と、言ってにっこり微笑む神楽ちゃん。……ちゃんと、わかってるのかな、即答したけど。






 ………ふむ。噂をすれば影、と言うし。深緑フードのことについて話してたら、帰ってきて、なんか説明してくれるかしら。

 やっぱり、説明がないと、わからないことだらけだものね。……と、言うことで。


「さっきの人、どこに行ったんでしょうね。」


「……うん、そうだね、私も気になる。

 残ってる人たちに、聞いてみる?」



 ……え、すご。その行動力、すご。て言うか、神楽ちゃん、ちょっと前まで震えてたよね?よくそんなこと言えるわね。


「恐くないんですか?」


「恐いよ。でも、私も、しっかりしないといけないし。それに、このままでいても、何も変わらないかもだし。」



 ……すごい。私は普通に、このまま待つつもりだった。だって、女子2人に(私は女子に入るのか?)、男4人ですよ。

 でも、そうね。動くことも大切よね。


「……そうですね。確かに、このまま待ち続けるよりは、行動した方がいいかもしれ………おぉぅ。」



 いきなり、ドアがぎいいぃぃっ、と開きました。…驚いた、あのドアの音、どうにかならないのかしら。……夜には絶対に開けたくないわね。


 入ってきたのは、さっき出て行った深緑フードの男、だけじゃなくて、ぞろぞろと、5人くらい入ってきた。


 深緑フードさんは、部屋の隅、壁際まで行ってから、頭を下げた。部屋に残ってたフード男4人も、それに続く。まるで、執事ね。




 ……うん?てことは。深緑フードの後に入ってきた人たちって、結構身分が高かったりするのかしら。






 ……………。

 私は、無言で壁際まで行き、フード男の隣で、同じように頭を下げた。ワンテンポ遅れて、神楽ちゃんも壁際まで来て、頭を下げた。




「………………。」



 誰も、何も言わない時間が過ぎ去っていく。







『ーー、ーーーーーー。』

『ーー!?ーーーーーー………。』

『……ーーーーー。ーーーー。』



 たぶん、深緑フードの後に入ってきた人たちが話し出した。


 ………、ねぇ、最初の方?あなた、ため息ついたでしょ。何言ってるのかわかんないけど、ため息くらい、わかるんだから。


 一体、何がご不満なのよ?……まぁ、明らかに、私たちも頭を下げてることでしょうけど。



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