表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界生活はとりあえず2年間!  作者: ミーレさん
第一章 研究所
3/86

2.美少女と自己紹介

「…………。」

「…………。」

 見つめ合う、私と制服美少女。

 ……制服。中学生かな、高校生かな?

 うーん、高校生に一票! 理由、なんとなく。


 さて。ここは、年上として、私から話しかけましょう。


「えっと……」

『ーー、ーーーーーーー!』


 ………同時。私が少女に話しかけたのと、フード男がなんか言ったの、同時ですよ、どう思います?……本当に止めて欲しいものだわ、運命感じちゃうじゃない。


 私(と美少女)は、フード男たちがいる方、つまりドア付近ね、を見る。でも、私達に話しかけてるってより、男1人が他の男4人に話しかけてるみたい。何言ってんのか、わかんないけど……なんか怒ってる?


 ……ちょい、美少女が恐怖で震えてるのがわかんないの?やめなさいよ。


 っていうか、君らが私たちを召喚したんじゃないの、じゃ、なんか説明しなさいよ、もちろん日本語で!






 ……おぉ、そうだ。美少女に話しかけるんだった。ふむ、フード男の話題をふってみますか。


「………なんか、怒られてますね。」

「え、あ、そう……だね。」


 ………ねぇ、敬語使わないってことは、もしかして私を年下認定した?そうなんでしょう、ダメよ、人を見かけで判断しちゃあ。


 そりゃ、君より身長低いし、どことは言わないけど小さいし?化粧もしてないし童顔だし?………うん、年下認定もしょうがないか…。


 うぅ、せめてイヤリングをしていれば……もうちょっとお姉さんっぽかったかしら?

 ……たぶんダメだと思ってしまう自分が恨めしい……。





 とか思ってたら、同じ男がまた喋った。


『ーーーーーー。』


 うーん。さっきから喋ってる男ってなんか、他の4人の男と比べて、ローブの色がちょっと違うのよね…。4人は黒なんだけど、喋ってる男は深緑。


 やっぱ、喋ってるのは上司かしら?なんか、おじさんって顔してるし。男5人の中で、一番年上っぽい。

 ………これで年上じゃなかったら、だいぶ失礼なこと考えてるわね……。まぁ、考えることは自由だわ、うん、問題ない。


 あれ、じゃあ私のことを年下だと思ってる美少女も問題ないわね……。



『ーーーー、ーーーーーー。』


 そして、喋っていた上司は、ぎいいぃぃっ、と音をたてながらドアを開き、慌てて去っていった……。


 えぇっ!?私らは放置ですか?放置なんですかー!?さっきも考えたけどさ、とりあえず説明しようとか思わないわけ?


 残されたのは、黒ローブ4人と、私ら女子2人。黒ローブさんたちは、なんか所在無げに立ってる。……ちょっとかわいそうかも。








「………私たち、どうなるんだろう。……こ、殺されちゃうのかな」


 び、美少女が話しかけてきた!


 やっほーい!いやぁ、こんな状況でも、美少女に話しかけられると嬉しいですね。私、男の人観るより可愛い女の子観たいひとですから!


 ………いやいや、落ち着いて、落ち着いて答えるのよ、そう、お姉さんっぽく!…えっと。


「……それはないと思いますよ。殺すならもう殺されているでしょうし。身代金要求するにしろ、人質にするにしろ、生きてた方が都合はいいでしょうし。」 


 と、言うことで、殺しは全面否定。まぁ、この言い方だと、用がすんだら殺されるって言ってるのと同じかもしれないけど。



「どうなるかはわかりませんけど、何かトラブルがあったみたいですから、しばらく放置されるんじゃないですか?もちろん監視つきでしょうけど。」


 ……異世界じゃね?ってとこには触れてない。確証がないことは言いません。


 もし今、異世界だと思うって言ったら、ここが異世界じゃなくなる気がするのよね。


 なんだろう、じゃんけんで、気合い入れて「勝つぞ」って言ってる人ほど負けやすい、みたいな。期待するほど裏切られちゃうのよね……。


 あら?じゃあ私、ここが異世界であって欲しいのね。


 うーん、まぁ、なんか組織的な犯罪に巻き込まれるよりは、異世界転移の方が夢がありますしねぇ。……魔法とかあるかもしれないし!ワクワク。






 そして、美少女は、少し驚いた顔で私を見ている。ふふ、驚きましたか?


 私は年上ですよって、態度で示せたかしら。素で喋るより、敬語の方が大人っぽいでしょう。ちゃんと質問にも答えてるしね!








 じっと見つめ合う両者。


 ……う、可愛い。私好みの女の子なのよねぇ。


 髪は、左の下の方でまとめてくくって、前にたらしてる。色は黒、ちょっとフワッとしてる。髪先は胸ポケットよりも下の位置にあるから、結構長いわね。髪をおろしたら、腰くらいまではあるのかしら?


 ただのゴムでくくってるんじゃなくて、水色シュシュでまとめてるのが、女の子って感じでいいですね、好きです。


 肌は白いし。肌荒れも、ほぼない。一重まぶたなのが、ちょっと残念。でも、まつげは長いね。いいな。


 ………ふふ、私とは対照的よね。私は、肩よりちょっと長いかな、くらいの茶色の髪ですよ。別に染めてない。傷んでるだけ。ちなみに、寒いからくくってない。


 さらに、前髪で隠してるけど、おでこにはニキビがあったりするんですよ……。


そして、肌はちょーっとだけ焼けてる。今年、夏に海に行ったからねー、家族で。日焼け止め、ぬったのに、ちょっと焼けちゃった。それの名残。


 服も、暖かさ重視してるしね。私が女の子っぽいのって、ネックレスしてるくらいじゃないかしら。まぁ、服の下にあるから、見えないけどね!







 すると、美少女が静かに口を開いた。


「……ここって、異世界だと思う?」


 え、それ言っちゃうの?まぁ、私、上から落ちてきたしね……。うん?この子も落ちてきたのかな。うし、聞いてみよう。


「さぁ……、どうでしょうか。ところで、ええーっと。」


 あれ、名前知らない。


「………名前、教えてもらってもいいですか?」


 質問変更。あと、立ってるの疲れたから、さらっと美少女の横に座ってみる。


「あ、そうだね、私は睦月神楽(むつきかぐら)だよ、よろしく……。」


 と、控えめな自己紹介。

 神楽ちゃんかー。いいなぁ、そういう名前、憧れるわー。私なんて、私なんて。


「私は……井上麗華(いのうえれいか)です。よろしくお願いします。」


 そう、麗華。麗しい華。ないわ、ない。完璧に名前負けしてるもの。だから、私のことはレイカ、とカタカナで呼んで頂戴。


 ついでに、名字もどこにでもありそう、平凡。井上だなんて。7画しかないじゃない。なのに、名前は19+10で29画もあるのよ、考えられないわ。


 名前を書くときに、どれだけ私が苦労してきたことか。小学校の習字なんて、悲惨だったわよ!



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ