幽霊の正体
夏のホラー企画に向けて小話を一つ
例えばさ、カーテンを閉めて部屋の電気を消すとさ、月明かりは入ってくるけど真っ暗な訳よ。
そこで天井の隅だとか、開いてるクローゼットの中とかをじっーとみるのよ。
目が馴れてと来ると部屋の様子がぼんやりは見えるけどほとんどは闇な訳よ。
そしてこう少しだけ想像してみる。
人の顔がこっちを見てる。
するとどうだろう。
僅かに射し込む月明かりなのか、目のチカチカなのか、何かがぼんやりとあるような気がしてきて、本当にナニモノかが見てるような気がして来る訳よ。
このよく見えない状況という本能的な恐怖心に想像力が組合わさる事、それがほとんどの幽霊の正体だと思う訳よ。
そうそうこの実験してもいいけど、
その方向に手を伸しちゃ駄目だよ。