さらば
学校の放課後。
そこで俺とリルは五条を待っていた。
そして、五条が来た。
「僕を体育館の裏に呼び出すってことは告白でもするのかな?」
「違うわ、お前謝罪界犬を使って金儲けしていいと思っているのか」
五条は苦笑いをする。
「世間に話題を提供しているんだ。別に悪いことじゃないだろ」
「やらせじゃないか。世間の人を欺いている」
「ふっ、じゃあこうしよう。僕の家に来て二人が勝ったらもうこんなことは止めよう」
「ずいぶん、聞き分けがいいな」
五条は笑う。
「勝てたらね」
五条の家。
「ちくしょう、モンスターだらけじゃねぇか」
「こんなの勝てるわけないわ」
「ふっ、これでお前らも終わりだな」
「田中さん、携帯を壊してください」
「!?」
五条は慌てた。
「そんなことしたら力と引き換えに死ぬことになるんだぞ」
「そうなのかリル」
「はい、でも仕方ありません」
「後悔はないんだな」
「はい」
くっ、俺が好きだったリルはもういなくなるのか。
俺はためらった。
「早く田中さん、もう持ちません」
「えーい、ちくしょう。どうにでもなれ」
携帯を勢いよく壊した。
「ええ、これでいいんです。田中さん好きでしたよ」
リルの周りを浄化の光がつつんで爆発した。
「くそー、僕の計画が」
五条はそう叫んだ。
数日後。
五条はその後心を入れ替えて謝罪界犬を使って世間を騒がすことを止めた。
これで、しばらくは静かになるだろう。
「あー、これでよかったのかな」
良いはずがない。
リルがいなくなったんだ。
「あー、いい娘だったな」
俺は1日中そんなことを考えていた。
さらに数日後。
「やばい遅刻する」
俺はパンを咥えて登校する。
すると、
「!?」
ぶつかった。
「大丈夫ですか」
「あなたこそ大丈夫ですか?」
「えっ、リル」
「あっ、田中さん」
「どうして生きてるんだ」
「五条さんに携帯を直してもらったんです」
とリルは言った。
「リル」
「はい」
「付き合って下さい」
俺は今までリルに伝えたかったことを伝えた。
「それはちょっと無理です」
「えっ、俺のこと好きって言ったじゃん」
「あれはLikeの好きで、Loveの好きではないんです」
「そんなぁ」
とは言ってもリルが復活してよかったと思う田中であった。