謝罪界犬3
目の前に二人の男が現れた。
「田中さん気を付けてください。前の二人とは格違いの負のオーラです」
「お前らは誰だ」
そう言うと前の男が手を動かす。
そして、後ろの男が答える。
「私は謝罪界犬のサムラゴウチ。現代のベートーベンとも呼ばれている」
「それ、自分で言うか」
「何を言う小僧」
「前の人の手話見る前に言ってんじゃねえか」
サムラゴウチはあわてている。
「めんどくさい、どうせこの場で消えるんだから手話はいらないか、私の作詞を見ろ」
「来ます」
リルを変身させて身構えた。
サムラゴウチはノートを出した。
「これが私の作詞だ」
「何だ、これ小学生の落書きか?」
リルも混乱している。
「隙あり」
リルに拳を放つ。
リルは5メートルぐらい吹っ飛んだ。
「どうだ、私の作詞の力思い知ったか」
「いや、めっちゃ物理だし」
「コイツを倒せば五条さんから手当がでるしな」
「!?」
どういうことだ。
「五条が何の関係があるんだ」
「おっと、こいつはいけねぇ」
サムラゴウチは続ける。
「私たち謝罪界犬は世間をわざと騒がせてお金を稼いでいる。ただ、そいつは天然だから全部テレビで話しちまいそうになって、見かねた五条さんが適当な奴と組ませてそいつを処分しようとしたんだ」
「じゃあ、最初に戦ってた時も、俺が見てるって知っててやったのか?」
「そういうことだ」
「くそー、あの野郎とっちめてやる」
リルが戻ってきた。
「田中さん、携帯のクリアボタンを押してください」
「んっ、わかった」
クリアボタンを押すと、リルは透明になった。
「これでどうだ」
「くっ」
リルはサムラゴウチを捕えた。
「田中さん、早く送信を」
「はい、送信」
「ふっ、送信したところで五条さんのもとに戻るだけだ、本当に我々を倒すことにはならない」
そう言って、サムラゴウチは消えた。
「くっ、どうすればいいんだ」
「田中さん、私達にできることをしましょう」
「そうだな」
あのふざけた野郎をとっちめに行こう。
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