登場人物
■ プロローグ
2年B組の教室は、小さな「国」だった。
窓際、太陽の光が一番よく当たる場所には、華やかな一軍たちが集う。彼らの笑い声は教室の法律であり、その場の空気を支配する特権階級だ。
その周囲には、自分たちが安全な場所にいることを確認しながら世渡りをする二軍の市民たち。
そして教室の入り口付近、影の薄い隅っこには、自分たちの世界に閉じこもることで身を守る三軍のオタクたちがいた。
どこかに属していれば、一応の「居場所」は保証される。
けれど、その地図のどこにも名前が載っていない、空白地帯のような席に座る3人がいた。
強すぎる力と鋭い目つきのせいで、誰にも近づいてもらえない少年。
体力のなさと欠席の履歴のせいで、存在を忘れかけられている少年。
本の中に逃げ込むことで、誰とも言葉を交わさないことを選んだ少女。
鈴木悠太、田中悟、古賀美紀。
彼らは同じクラスにいながら、お互いの声すらほとんど知らなかった。
冷たい壁に囲まれたこの教室で、ただ卒業までの時間を静かにやり過ごす。そう決めていたはずだった。
しかし、ある放課後の、静かな図書室で。
一軍の傲慢さが彼らの「聖域」を侵したとき、止まっていた時計の針が動き出す。
「……のし上がってやろうぜ」
悠太のその一言から、教室の階層を根底からぶち壊す、3人の反撃が始まった。
【圏外:物語の主人公たち】
鈴木 悠太:チームの「盾」。圧倒的な威圧感を持つが、中身は不器用なほど優しい。
田中 悟:チームの「勇気」。弱さを知っているからこそ、土壇場で逃げない強さを持つ。
古賀 美紀:チームの「軍師」。感情は出さないが、観察眼と知識で勝機を見出す。
【一軍:影響力を持つ支配層】
楠 瑛太:一軍リーダー。完璧を演じる孤独な秀才。悠太を「良きライバル」と認めていく。
佐々木 小鳥:雑誌モデル。一軍の象徴だが、美紀にだけは「素の自分」を見せるようになる。
森本 澪:正義感の強いクラス委員。悠太の理解者となり、クラスの空気を浄化する。
芦田 翔:一軍のトラブルメーカー。序列にこだわり、悠太たちに最後まで反発する「壁」としての役割。
押尾 仁:バスケ部エース。単純で熱い男。悟の根性に惚れ込み、体育会系のノリで二人を認める。
【二軍:物語をかき乱す中間層】
石田 優成:プライドの高い秀才。悟の成長に嫉妬し、知略で嫌がらせを仕掛ける。
村田 悠亜:陽キャなギャル。一軍に近い立ち位置だが、実は誰とでも仲良くなれる「壁を壊す」才能の持ち主。
大森 大地:チャラい二軍男子。石田と組んで卑怯な罠を仕掛けるが、最後は悠太の迫力に屈する。
井上 ゆかり(いのうえ ゆかり):笑顔を絶やさない女子グループの影のリーダー。静かにクラスの人間関係をコントロールしようとする。
【三軍:才能を秘めた弱者層】
山本 一誠:アニメオタク。虐げられていたが、悠太たちに救われ「創作の才能」で文化祭の主役になる。
■ 目次(全12話)
1:第1話:嵐の予感と、図書室の三匹狼
2:石田の罠と、美紀の真実
3:一匹狼の正体
4:体力の壁を越えて
5:三軍・オタクたちの蜂起
6:文化祭実行委員の選出
7:女たちの戦い
8:裏切りと計略
9:三軍の誇り
10:修学旅行の夜
11:最大の敵
12:俺たちの教室




