夜と眠り
なんかめっちゃ短いです……。
すいません。
俺たちは、とりあえず露店で夕食を食べて宿に帰った。
メニューは、ゼロのお勧めでカルの串焼き。カルっていうのは何か分からないけど、豚みたいな味がした。
ゼロには四次元ポケット的なカバンの中から出したフード付きローブを着せた。これもティズのところで買っておいたもので、俺のサイズだからぶかぶかだ。前がちゃんと見えているか心配だ。
俺はゼロの歩幅に合わせてゆっくりと、ゼロは長すぎるローブの裾によたよたしながら歩を進めていた。
で、宿屋。
帰ってきたときには満室になっており、ゼロの部屋が取れなかった。んで、今は俺の部屋のベッドの上で、ゼロと向き合っている。
……別にやましいことなんてなにも考えてないからな!
ちょ、そこの人!そんな汚らしいモノを見る眼で見ないで!
仕方がないだろ!この部屋ベットか床以外に座るところがないんだよ!つーかベット以外の家具がない。せいぜいベッド脇の小さなテーブルぐらいだ。
「……あの」
「ん?なんだ、ゼロ」
意識をアッチ(どっちだ!?)に飛ばしていると、ゼロが声をかけてきた。
「ご主人様のお名前を教えてもらってもよろしいでしょうか?」
「ッげほごほがは!!」
「ご、ご主人様!?」
思わずむせた。
だって「ご主人様」だよ!? なんなんだそのメイドさんとかが言いそうな名称は!!
俺にはそっちの気はない!! ……はずだ!!
「お、俺はユウ・クロキ。ユウって呼んでくれ、頼むから」
「……? はい、分かりましたユウ様」
またむせそうになったがこらえた。「ご主人様」よりはましだ。
息を整えてから問いかける。
「で、ゼロ。なんであんなところに居たんだ?」
「……はい。お話します」
ゼロの話を要約するとこうなる。
元は山奥の農村で生まれ育ったが、奴隷商人達に村を襲われ、捕まったあとは街を転々としていた。そして、近くの街で買われたが、ここについてから隙を見て逃げ出してきた。
ということらしい。
「へえー」
「ユウ様に助けていただいたのは、ちょうど逃げ出してから一時間ほど経ったときです」
走りつかれて休んでいた所を、あのごろつきどもに見つかったのだとか。
奴隷、ね。いまだに実感が沸かず、よく出来た映画を見ているような感覚だったが、現実に起こっていることだとなんとか認識する。
「本当にありがとうございました。あのままだったら、きっとまた奴隷商人の所へ連れて行かれてしまったと思います」
「いいって、いいって。こっちがムカついたからやっただけだし」
頭を下げてくるゼロを、手をヒラヒラさせてやめさせる。
本当に、感謝されることなんてないのだから。
「ま、いいか。とりあえず寝るぞー!っと言いたいけども、どうするかな……?」
さっき言ったように、この部屋にはベット以外の家具がない。一応床にカーペットらしきものがあるが、それだけだ。
俺が考えていると、ゼロが慌てたように声を発した。
「ユウ様はベッドでお眠り下さい! わ、私は床で結構ですから!」
「そーいう訳にはいかねーだろ――――が!」
「ひゃあ!?」
慌ててベッドから降りようとしたゼロを引き止めた、つーか首根っこを引っつかんだ。そのまま布団をかぶせる。
「ユ、ユウ様!?」
「はい逃げるな暴れるな~落とすぞ」
「は、はい」
「ん、よし」
バタバタと手足をばたつかせるゼロを大人しくさせ、自分も布団に潜り込んだ。
「じゃ、諦めて寝ろ。おやすみ」
「は、はい、おやすみなさい」
……いま思えば、こっちに来てからはじめての睡眠だ。色々と知らないところで疲労がたまっていたのか、俺は五秒後には深い眠りに落ちていた。
……話がすすまねー。
登場人物少ねー。
……文才ないな、自分(涙