到着
はい、作者のユミルです。
ある親切な方からのアドバイスを頂き、今までの話全てを一度編集しました。
これでより読みやすい作品になっていると思われます。
作者は初心者です。何かありましたら遠慮なくしかりつけてください。
では、どうぞ。
はい、黒木悠です。ただいま王都に到着いたしました~(わ~パチパチ)。
え? なんですかそこの人。「めんどくさいから省いただろ?」いやいや、そんなことはありません。
ただ、何事もなく王都についてしまっただけです。
あの森からこの王都まで徒歩十五分。
神が媒体に使っていた紙を地図にしてもらい、平坦な道のりをほてほてと歩いて、はい☆到着。
……うん、寂しかった。
神もいつの間にか消えるし、だれにも会わないし、なんも無いし。
門が見えてきたときには涙がこぼれそうになったね。
で、その門の前。
さすが王都の門だけあって、その威厳ははかりしれない。古くとも重厚なこの門は、今までずっと王都を守っていたのだろう。両端にある見張り台から見える兵士達も、表情だけでこの仕事に誇りを持っていることが分かる。
が。
(こ、怖ぇ…………)
訪れる人々に恐怖を与えることもある。
門というよりも壁といったほうがふさわしいかもしれないこの石造りの門は、高いわでかいわ厚いわで、人々に向けて発する威圧感が半端ない。それにくわえて出入国のチェックをしている兵士さんがやけに怖い。
ガタイのいい体付きに腰にさした剣。歴戦の戦士っぽい顔の傷。
……子供は無理だな。うん。
とりあえず入国審査の列に並ぶ。そんなに人がいないため、意外と早く兵士さんに会えた。
こ、心の準備が…………!
「次!」
「は、はい!」
思わず声が裏返る。変に思われない程度に最大限ゆっくりと兵士さんに近づいた。
「名前は」
「ユウ・クロキです……」
神から、この世界は名前が先に来るのだということも教えてもらっていた。
「歳は」
「17です」
「入国理由は」
「か、観光に……」
「……観光?」
「は、はい」
ない頭を振りしぼって考えた入国理由を問い返され、表面上はいつもの顔でも、内心はめちゃくちゃ慌てていた。
「……そうか。いっていいぞ」
「………………」
「……? おい」
「は!?はいすみませんすぐ行きます!」
やばい。一瞬記憶が走馬灯のように頭の中を駆け巡っていた。
どうしようこれ捕まる? 捕まるのかな何死刑? 死刑になんの俺ああどうしようせめて彼女の一人でも欲しかった――――みたいな。
最後の部分は言いふらしたやつコロス。
とりあえずダッシュで門を抜け、いよいよ王都に足を踏み入れて――――驚いた。
「う、わあ………………」
――――――そこには、まさしくファンタジーの世界が広がっていた。
入ってすぐに市場があり、様々な店が客を集めようと声を張り上げている。それだけなら俺の世界となんら変わりがないが、商品が一味も二味も違っていた。相当な人の数でだいぶ混雑しているにもかかわらず、俺の目は自然と商品に釘付けになる。
――――――売っているのは魔法の品々だった。
薬草の束から回復薬を取り扱っている薬屋。
よろいやかぶと、盾などの防具を扱う防具屋。
現在の日本国では一度もお目にかかったことがなかった本物の剣やオノを売る武器屋。
杖から魔術書から水晶から、怪しげなものが数多く置いてある魔法具屋。
――――――全てが俺を魅了した。
やっと王都に到着。
このあとは身支度を整え、誰かと接触させたいと思っています。
なかなか難しい……(汗