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第三章 コミュ障陰キャぼっちでもライブはできますか? 第四十三節

契約は交わされる

その絵を見た後の記憶はよく覚えていない

ただそれから私とメイリンちゃんは一緒に遊んで、それからメイリンちゃんのお父さんが彼女を迎えに来て別れた

でも


でも、あれは夢の中の出来事のはず…


何年も前のことだから記憶が混濁してるけれど時系列が合わなかった

メイリンちゃんと出会った頃、私は入院していた

そもそも弟が入院したこともない

何もかもあの時の記憶は現実との齟齬が大きすぎる

だからあの時の出来事は夢の中のことだと思っていた


「でも、メイリンちゃんと私はほんとに出会ってたんだね…」

「はい… あの時はメイリンも幼くてそれに…」

彼女が何かを言おうとしたその時、扉が開いた

「坂本、遅かったわね」

「申し訳ありません 少々、トラブルがあったもので…」

「構わないけど、トラブルのほうは何ともなかったの?」

淡々と話すメイリンちゃん

さっきから思ってたけど坂本さんと話すときのメイリンちゃんはまるで別人のようだった

所々カタコトの日本語も流暢になってるし

二人が話し終えたところでメイリンちゃんは私に向き直った


「話が途中にナッテすみません それで蓬と私の馴れ初めについては思い出してくれたんですネ!」

「馴れ初めではないけど… メイリンちゃんと出会ってたことは思い出した…かな?」

自分の記憶に自信がない… というかほんとにあの時のことは夢と思っていたから今になって元日だったことが分かって余計に混乱した

私が難しい顔をしているとメイリンちゃんは私の手を取って言った

「『細かいことは気にしない』です! 蓬がメイリンと会ったことがあることを思い出してくれたならケッコンの話も考え直してくれマスか?」

「それは… ていうかその話は何も思い出せてなくてね?」

「『細かいことは気にしない』です!」

「だいぶ重要なことだよ!?」

私が少し思い出したからってそう簡単に人生の分岐点を決断できるわけじゃなかった

私が咄嗟にツッコミを入れるとメイリンちゃんはかすかに微笑み

「なら、私とお付き合いしてもらえませんか?」

そう言いだした

「お付き合い?」

「はい! 交際のことです!」

「交際… 恋人になるってこと!?」

メイリンちゃんはニコニコと笑ったまま表情を変えなかった

メイリンちゃんの提案は最初はムリだと思ったけどもともとメイリンちゃんとの結婚を断るために(嘘だけど)真凛と付き合おうとしてたわけだし


でも結婚はムリでも一時的な交際ならまだ考える余地はある

メイリンちゃんの中ではコミュ強陽キャのイメージのままみたいだけど付き合ってみれば私がコミュ障陰キャぼっちってことに気が付いてその想いも冷めるかおしれないし

それに


「私と付き合えるならバンドのことは諦めてくれる?」

正直、ずるいと思った

私との交際かバンドへの加入もしくはバンドの掛け持ちを天秤にかけさせるんだ

ついさっきまでメイリンちゃんと出会った時のことを夢と錯覚して忘れていたのに

メイリンちゃんが私のことを想う気持ちは本物のはずなのにそれを利用するなんて

でもメイリンちゃんは少しだけ考えたあと

「わかりました! 蓬がメイリンと付き合ってくれるならバンドのことはきれいさっぱり忘れマス!」

「えっと… いいの? 私が言えたことじゃないけどバンドやりたがってたし…」

「いいんです! たしかにバンドはしたいでけどあのヤクザさんの言う通りメイリンにとっては蓬と一緒にいられることのほうが大事だと思ったのデ」

大倉くんがメイリンちゃんに言った言葉を思い出す

『お前は蚊帳ノと一緒に居たいだけだろ』

たぶんメイリンちゃんにとっても深く突き刺さった言葉だ

でもsの言葉を否定しないならメイリンちゃんの想いはそれだけ本気なんだ

なら今の私がやるべきことは…


「分かった… メイリンちゃんがそれだけ本気なら 私もメイリンちゃんの想いに応えられるよに頑張るから… だから」


そのあとの言葉を遮るように再び扉が開いた


「ちょっとまった!」


そう叫びながら真凛が飛び込んできた



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