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第三章 コミュ障陰キャぼっちでもライブはできますか? 第三十七節

間違いは正すものであり過ちとは繰り返すものだ


ならば正論とは正義とはなんのために存在するのか…

「なーかせたーなーかせたー メイリンちゃんがでーていったー」

下手クソな替え歌を廻兎が耳元で歌った

自分は事実をただ並べただけだからなにも悪気がないのだが周りの空気は冷たかった


一見ふざけた態度の廻兎も目が笑っていないし朝霧は当然ながらさっきまで転校生と言い争っていた小林までも冷ややかの表情だ


「ほんと今のはないと思う」

「最低……」

朝霧と小林が口々に言った

自分は蚊帳ノと違ってこれぐらいでダメージは受けないもののここまで袋叩きにされるのは心外だった

「別にほんとのことを言っただけだろ あの転校生に取ってバンドはそれほど重要じゃなかった ただ蚊帳ノと同じ空間に居たいだけ そんなわがままに俺たちが付き合う必要はないだろ」

「たしかにそうだけど言い方ってものがあるんじゃないの?」

珍しく朝霧が突っかかってくる

まあ子供の頃はこんなの日常茶飯事だったけどここ最近は大人しかったから少し以外だ

普段ならこんな時、廻兎が適当に間に入ってくるのだが

「今回は俺も綾乃と同意見だわ 女の子相手にさすがに言い過ぎだ」

そう言って自分の頭を叩いてきた わりとガチで

「っ… なにすんだ!」

「なにってこの場にいる全員がしたいことだけど? まあこれぐらいで済んでありがたく思えよ」

そう言って廻兎はため息をついた


自分でもさすがに言い過ぎた感はあった でも

「お前らがはっきり言わないから言っただけだろ」

「それは感謝すべきことかもな 悪役になってくれてありがとよ あと真凛も」

「アタシ!?」

突然話題が変わって小林が驚く

「ユゥさんに対してずっとつんけんしてたじゃん」

「あー まあ あれはなんていうか… でも大倉は言い過ぎ」

「あーはいはい 分かったよ たしかに俺が悪かった」

もう面倒になってきたのと自分の非も多少は認めざるを得ないから認めることにした


これでこの話は終わり…

そのつもりだったのに朝霧はこちらに近づいてくると

「ほんとになにが悪かったか分かってる?」

「だから 俺が転校生を泣かせたことだろ…」


「そうじゃなくて! どうしてメイリンちゃんが泣いたのかちゃんと分かってるの?」


なにを今更…

転校生が泣いた理由なんて自分にだって分かる

「俺の言い方が悪かったんだろ?」

「たしかにそれもあるけど、そうじゃないよ」

朝霧はそのの視線を自分の瞳から逸らすことなく続けた

「蓬ちゃんのことを悪く言われて 蓬ちゃんへの気持ちを否定されたからだよ」

「……」


なにも言い返せなかった

というか朝霧に言われてようやく気が付いた

どうして転校生が泣いたのか?

どうして正論をぶつけただけなのに廻兎が綾乃が小林が怒っているのか?

その理由にやっと気が付いた


自分はただ練習に邪魔だった部外者(転校生)を追い払おうとしていただけだった

そのための手段として正論を使って論破した気になっていた

その過程で蚊帳ノを傷つけたことも転校生が蚊帳ノに抱いた思いを踏みにじったことにも気が付かなかった

結果しか見ていなかった


「わかった?」

「…ああ 悪かった」

親が子供に言い聞かせるみたいに綾乃は言った

その言葉に反論の余地はなく素直に自分の否を認めた

「ならちゃんとメイリンちゃんにも謝ること いい?」

「……」

「もう…」

呆れたみたいに朝霧がため息をつくと廻兎が言った

「ところで俺たちもユゥさんのこと探しにいったほうがよくない? 蚊帳ノさんにまかせっきりにはできないでしょ」

「そうだね 蓬からも連絡ないし探しに行こう」

廻兎の言葉に小林が賛同した

「なんでそんな…」

「いいから 龍弥も行くよ」


拒否しようとするも小林に強引に押し切られて四人は音楽室を後にした


「こんな俺のことを諦めないなんてもの好きな連中だな…」


そう一言だけ呟いた

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