第一章 二千十八年の君へ 第八節
始めからなにも知らなかった
自分のことも周りのことも
ただ傷ついた自分しか見てなかったんだ
夢を見た
懐かしくて暖かくてそして暗い
春の日の暖かさがあるからこそ冬の日の冷たさが際立つように
喜びや幸福の大きさ以上に悲しみと苦しみは心を壊す。
蚊帳ノ蓬の中学時代は悲惨だった。
中学一年生の頃、些細な誤解からある生徒の怒りをかった
それは自分が陰キャでコミュ障でぼっちだったから生まれた誤解で
悪いのはきっと自分だった。
ただその生徒が 違うその生徒たちがクラスの中でもいわゆるカースト上位に位置する生徒だっただけ。
その誤解がきっかけで陰口を言われたり、噂を流されたり、少し無視されただけ
同じ部活の子や小学校からの付き合いがあった子は普通に接してくれたし
クラスで完全に孤立したわけでもない。
だからこれは「いじめ」じゃない
そう思っていた
ある日のHRで担任の先生からクラスでいじめがあったことが伝えられた
「いじめ」なんてないそう思っていた
けど違った 担任から話された内容はまるで知らない「いじめ」のことで
先生も被害者は分からない、ただ被害者は三人だと言われた。
ここ最近、学校に来れてない生徒が一人、被害者はあと二人
一通り話し終えたところで先生は言った『傍観者も加害者』だと
放課後、時間を設けるからHRが終ったら指定された教室にいじめを知っていた生徒は全員集まるように言われた。
HRが終ってからその教室に向かったのは
私ともう一人の生徒を除いた全員だった
なにかが壊れる音がした




