表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
70/110

第三章 コミュ障陰キャぼっちでもライブはできますか? 第十九節

君の痛みを和らげるほどボクは強くない


けど君のと一緒に踏み出すことなら…

翌日の学校は本当に憂鬱だった

綾乃はまたも体調を崩したらしくて欠席するって連絡があった

真凛は昨日から連絡がなくて電車でも見かけなかった

いつもなら私を見つけてすぐに声をかけてくれるのに…

ほんとは今日だって昨日のことをすぐにでも真凛や綾乃に話したかった

でもあんなこと… 大倉くんが私たちのことを利用しようとしてたなんて言ってもいいのかと迷った

誰にも相談できなくてただ悶々とよるが明けて今に至る


朝のHRホームルームで真凛が忌引であることが知らされた

今日から三日ぐらい休むことになるらしい

詳しい話しは聞けなかったけどなんとなく胸騒ぎがした

けど私にできることは何もないしとりあえずそっとしておくことしかできなかった


昼休みは珍しく一人だった

いや、中学の頃はこれがデフォルトでいたって普通の日常なんだけど…

それでも高校に入ってからずっと綾乃や真凛に助けられていたんだなと感じさせられた

それからただただ時間だけが過ぎて放課後、綾乃も真凛もいないうえ天城くんにも声をかけられなくてとぼとぼと帰路につく

ライブまで時間がない焦りにかられながら俯いて校舎を後にしようとした

「蓬ちゃん? 奇遇だねー」

「あ、えと…」

背後から声をかけてきた人物、それはこの間の遠足で知り合った雛鳥さんだった

「どしたの? なんか思いつめてるみたいじゃん」

「あ、その…」

バンドのこと、ライブのこと真凛のことそれから大倉くんのこと…

本来なら関係のない雛鳥さんにどこまで話していいのか迷った

「なにかあったなら話し聞くよー」

「で、でも…雛鳥さんえを巻き込むわけには…」

「友達なんだからそんなの気にしなくていいんだよ」


その一言で全てが決壊した

「あ、あのね…」

それから今まであったことを全て話した

本当に全部、ほんとはこんなこと雛鳥さんに話すべきじゃないって分かっていたのに

だって離したら雛鳥さんはきっと力を貸してくれようとしてくれる

そうやってまた誰かを頼ってしまう自分の弱さに辟易する

それでも雛鳥さんは私が要領を得ない話し方をしていても一つ一つ丁寧に聞いてくれて

「そっか… なんていうかすごくありきたりなことを言うと大変だったね…」

「うん… それで私もこれからどうしたらいいか分からなくて… 綾乃にも真凛にも相談できなくて…」

「うーん 所詮はボクも部外者だからなー そこまで口だしできないし…」


そう言って悩んだ様子の雛鳥さんは唐突に何かを思いついたように言った

「あ、じゃあさ もう一回、大倉君?のとこに行ってみない?」

「大倉くんのところに…」

正直、昨日の今日で行く勇気はなかった

また昨日みたいに帰れなんて言われたら今度こそ泣いてしまう…

私が不安に思っていると雛鳥さんは

「大丈夫! 今日はボクが一緒に行くよ!」

「雛鳥さんが!?」

「ボクじゃ役に立たない?」

「そんなことは! ない…けど…」

もちろん行くなら一人より二人だ

それに雛鳥さんなら綾乃や真凛と同じくらい頼もしいと思うけど…


「なんていうか… 路地裏とかちょっと危ない感じの場所だから…」

「アングラ系? なら大丈夫だよ ちょっと興味あるし!」

「でも… 私のせいで巻き込んでもし雛鳥さんになにかあったら…」

「もう そういうのはいいんだってば 蓬ちゃんが行く気ならさっさと行こ!」

そう言って私の腕を掴みすたすたと歩き出した

「雛鳥さん!?」

「あんまり遅くなっても面倒だしさ 場所もなんとなく分かるから」

「え、あっ ちょっ 雛鳥さーん 聞いてるー?」

雛鳥さんは平均よりちょっと小柄な私より更に小さくて

細くて柔らかそうなその腕からは想像できないくらいしっかりと腕を捕まれてた


そのまま流れるように電車に乗せられて

行先のメモは一瞬見せただけだったのにまるで暗記してるみたいに電車を乗り継いだ

その間、一度も行先について聞かれなかったからちょっと怖い

雛鳥さんの記憶力がずば抜けて高いのかそもそも陽キャ自体がこうなのか分からないけど

ここまでの行動力といいなんかすごい…

そんなふうにあっけにとられつつも私が感心していたら昨日と同じ路地裏に到着した


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ