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第三章 コミュ障陰キャぼっちでもライブはできますか? 第十二節

想いは彷徨う…何処へ続くのか

天城くんに教えてもらったメモを頼りに大倉くんのもとに向う

途中で何度か電車を乗り換えて少し離れた都市部のほうに進んだ

時間は午後五時を過ぎている、特に門限はないけど帰りが遅くなることは伝えている

まだ辺りは明るいけど段々と人が増えたし一人で歩くのは心許なかった

それから大通りを抜けていわゆる路地裏に進んだ

この道であってるのかすごく不安だったけど天城くんのメモもスマホの地図もあっていて進むしか選択肢はなかった

そんなに怖いなら引き返せばいいじゃないかって?

残念 実はもうスマホのバッテリーがない上に、迷子になっていた…


スマホの充電は残り二パーセント、モバイルバッテリーも持ってない

そのうえ初めて来た場所だ、路地裏な上に大通りも人混みがすごくて道も複雑

このまま引き返したら余計、分からなくなる

今の私に残された選択肢はこのまま大倉くんを見つけ出して駅までの道を聞くこと

それができなければ私はこのまま都会という名のジャングルで遭難したまま死ぬ…

想像しただけで気絶しそうだけどなんとか気をたしかに持った

それからしばらく歩いていると灯が見えて…


煌びやかbな装飾とネオンの掲示板…

建ち並ぶのは怪しいお店というかいかがわしいお店だった

店の前にはスーツ姿の男の人が何人も立ってる

しかもそれぞれビラやパネルを持ってて行きかう人にしきりに声をかけていた…

立ち止まったままだと狙われると思った私は足早に前を通り過ぎて行く

すると突然、肩を叩かれて…

「ひゃい!」

変な声を出して振り返ると見慣れた男の人…違う女の人だった

私より少しだけ背が高いぐらいの彼女は驚いたように私を見つめた

「どうしたんだ蚊帳ノ、こんなところで」

「た、竹本先輩……」

そう言って私をジャングルから救出してくれたのは竹本先輩だった


 私たちは人の少ない道の端で立ち止まった

それからことの一部始終を先輩に伝えた

「マジか… なんで蚊帳ノ一人で大丈夫だと思ったんだそいつ…」

「ですよね… 私もまさかこんなところだとは思わなくて…」

先輩は呆れたように視線を逸らしながら鞄から何かを取り出した

「ひとまずコレ スマホの充電とそれから大倉のとこにはオレが案内するから」

「え、ああ ありがとうございます…」

それから私は先輩の後をついて歩いて行った


「蚊帳ノなら大丈夫だと思うがここにオレがいたこと、恋たちには話すなよ」

「え、ああ はい それはもちろん…」

ここまで助けてもらった恩もあるし先輩だって他人に知られたくないことぐらいあるだろう…

そもそもこんなところに来たなんてバレたら生徒指導ものだろうし

「ここがどんな場所かなんとなく分かったか?」

「その…怪しいお店が多いところ…ですか?」

「まああながち間違いではないが、言ってしまえばキャバクラとホスクラが建ち並んでる繁華街だな」

「なるほど…」

繁華街なんてテレビでたまに見るぐらいで来たのは初めてだった

それにキャバクラもホスクラ? (たぶんホストクラブのことだろうけど)も初めて見た

「それとここから先はラブホ街になる」

「えっと… ラブホ…ですか?」

「ラブホテルだが? 知らないのか?」

「あ、はい…」

ホテルというからには宿泊施設なんだろうけどそれにしては煌びやかな感じで

あとオシャレな見た目のところも多いのになぜか料金が安い

というか宿泊とか休憩って書かれたパネルが入り口に大きく掲示してあった

「マジか… 一応聞くがそういう知識ないのか?」

「えっと…すみません たぶんないです…」

先輩が言ってるのがなにをさしてるのか分からないけどたぶん私が無知なだけだろう…

「謝ることじゃないが… 危ないな…」

「そんなにマズいですか?」

「まあ さすがに高校生だしな… とりあえず歩きながら教えるわ」


それから先輩は淡々と説明を始めた

一切、声のトーンを変えず、まるで機械の音声ガイドみたいに…

でもその内容はとても真顔で聞き流せるものじゃなくて

五分後には身体中が暑くなっていた


「大丈夫か?」

「あ、いえ その…」

あまりに衝撃的な内容に脳がショートする

天城くんの家からずっとなのでもうすでに一日の脳のキャパシティーを超えていた

「まあ 少し刺激が強かったか…」

「世の中のカップルはみんなそうなんですか!?」

「まあ基本的にはそうだろ 付き合ったことがあればラブホぐらい使うだろうし」

聞いた私がバカだった!

さも当然みたいに涼しい顔で言われて余計に恥ずかしくなる…

「それに男女だけでじゃなく同性のカップルでも使うだろ」

「…」


『だって蚊帳ノさん、綾乃のことが好きでしょ?』


天城くんの言葉が反響する…


いや違うから! 別に私は綾乃のことをそうゆう目で見てないしこれは友達としての好きだからね!?

そもそもも別に女の子と恋愛するつもりなんて微塵もないし付き合ったからって女の子同士でそんな…

だいたい、普段と違った現実離れした空間に来たから余計なこと考えただけだし

まずもって私が綾乃を恋愛的に好きになったとしても綾乃も私、というか女の子が恋愛対象じゃないとお付き合いには発展しないしそんな相思相愛両想いなんて天文学的なかくりつじゃなきゃ発生しないよね?

なんならもし全部が全部、それこそ魔法か奇跡みたいに上手くいったとしてもまだそこまで社会は寛容じゃないしそのせいでお互い傷つくぐらいなら始めから付き合わないほうがいいじゃん?

たしかに私だって高校生だしそういう知識の一つぐらい持ってたさ

それに少しは興味だって…

でも男の人は怖いしそもそも私みたいなコミュ障陰キャぼっちかつ見た目もせいぜい中の下ぐらいの女が誰かと付き合えるわけないしスタイルだって良くないよ

太ってるよりいいじゃんなんて言われるけど脱いだらガリガリだいそんなんじゃ綾乃とも釣り合いが取れないというか…


あれ?どうして今一瞬だけ綾乃の裸を想像して…

違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う

私は綾乃を恋愛対象として見てないから!

これはほんとに気の迷いだから!


なんて傍からみたら何とも醜い自己問答と言い訳を繰り返してしたら

「ここだ」

「え、あ…」


目的地に到着したのだった

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