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第三章 コミュ障陰キャぼっちでもライブはできますか? 第五節

秘めたユリの行き着く先は……

私は驚いて先輩を見た

「バンドリーダーですか?」

「そうそう 私がそうだったんだけどね桜に言われてバンドリーダーやってるんだよね バンドリーダーなら自分の意見も言いやすいだろうからって」

「そうだったんですね… でも私のイメージだとバンドリーダーをするものだと思ってたんですが…」

これは勝手な偏見だけど先輩はボーカルだしバンドリーダーをするのは当然だと思った

「あーでもうちのバンドにはもともと雅先輩がいたからさ」

「そうなんですか!?」

「そうだよー PRIVATELILLIEプライベートリリーって名前なんだけどね私以外に雅先輩と桜と惠、それから今は生徒会で会計やってる田村松子たむらしょうこって子とやってたんだよね」

「生徒会の人と…」

生徒会と音楽部の仲が悪いって話は聞いていたけどまさか元バンドメンバーがいるなんて

なんだか色々闇がありそうな… さすがにこれ以上聞くのはマズイな…


「あーまあ 雅先輩の件で色々あってね まあ完全に私が悪かったんだけど…」

「そうなんですね… ところでバンドリーダーってやっぱり大変ですか?」

「うーんどうだろ 私の場合は桜が助けてくれるからそんなでもないかな 実質的なバンドリーダーは桜みたいなものだからさ」

先輩は苦笑いしながら言った

「バンドリーダーってそんな悪いものでもないよ 部長やるより百倍マシ」

「そるほど…」

たしかにそれもそうかもな部長だと部活の仕事とか責任とかが全部降りかかって来るわけで… それに比べたらバンドリーダーって気楽かもしれない

「だから蓬ちゃんもやってみたらいいよ 他の子がやりたいって言ったらそのときはまた話し合えばいいだけだしさ」


「…実は、綾乃と真凛からは私にバンドリーダーやってほしいって言われてて…」

「そうなの!?」

「はい…でも私にできるか不安なんです」

頼まれた以上はやるしかないそう思っていた

でも綾乃は私がちゃんと自分のしたいこと、やりたくないことを言えるようにバンドリーダーをしてほしいって言ってくれた

だから誰かに頼まれたからじゃなくて自分の意思で決めないといけない

でも私には自分で決める覚悟も断る勇気も無くて

結局、誰かのせいにして楽なほうににげようとしてた


「なら、ちゃんと話し合わないとだね」


「話し合うですか?」

「そうだよ バンドのこと、これからどうしていくのかみんなは蓬ちゃんはどうしたいのか それをちゃんと話して納得して前に進まないと…私たちみたいにはなって欲しくないから…」

私は人の目を顔を見て話すことができない

だから基本的に相手の感情は声色と声量で測っているんだけど

この時の先輩の声はどこか悲しそうだった


「分かりました 一度、ちゃんと話してみます…」

「うんうんその調子だよ ぶつかったり喧嘩したり、解散しかけたりはバンドにとって日常みたいなものだからねそうして一つのバンドになっていくのです」

喧嘩や解散騒動が日常なのはどうかと思うけど生まれて今まで弟としか喧嘩なんてしてこなかった私にはそういうのもいわゆる青春に見えた


だから私は


『明日の放課後、音楽室で話しがしたい』


綾乃と真凛、二人に向けてそうメッセージを送ったのだった

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