第二章 コミュ障陰キャぼっちでもバンドは組めますか? 第二十四節
好きという感情が言葉がまだ私には分からなくて
でも特別という存在に気づき始めている
それからしばらくして私たちはロープウェイで頂上まで移動した
他のみんなはもう頂上に着いていてお昼ご飯のを食べるために準備していた
「あ、いたいた よもぎー」
「あ、はい…」
真凛に声をかけられる
真凛は宇佐美さんと佐藤さんと一緒にごはんを食べるようだった
「蓬もこっちにおいでよ」
「あ、えと いいの?」
自分も一緒に食べていいのか、真凛だけでなくほかの二人も嫌じゃないか不安になる
「あたりまえじゃん よもちも一緒に食べよ」
「よもち?」
「ちょっとうさみん あんたまた変なあだ名つけて ごめんね蓬ちゃんコイツほんと距離感おかしいからさ」
「あ、いえ あだ名で呼ばれることとか初めてで… うれしい…です…」
宇佐美さんにあだ名で呼ばれて驚きつつも内心、ちょっと嬉しかった
小学生の頃は名前でしか呼ばれなかったし中学生の頃は苗字で呼ばれて…
あだ名で呼ばれたこととか一度もない… (裏でアルファベットで呼ばれたことはあったけど)
「え、マジ! ヤバい よもち、めっちゃいい子じゃん」
「調子に乗らないの、蓬ちゃんが優しいから許してくれただけでしょ」
宇佐美さんはすごく嬉しそうにはしゃいでて、それを佐藤さんが嗜めた
「てか なんで蓬にあだ名つけるかなー 蓬は蓬で良いのに…」
「あれれー 嫉妬かなー」
「だから違うってば!」
ため息まじりに呟いた真凛に宇佐美さんが突っかかる
コミュ障の私からしたら喧嘩してるみたいだけどきっとこれもいつも通りなんだろうな
「はいはい 時間無くなるからさっさと食べよ! あ、蓬ちゃんはアタシの隣ね」
「あ、はい」
佐藤さんに呼ばれて敷いてあったレジャーシートの真凛とは反対のほうに座る
「ちょっとなにどさくさに紛れて蓬の隣になろうとしてんの!?」
「嫉妬じゃん」
「違うからね!?蓬だってまだ知り合ってまもないみっちーが隣だと緊張すると思って」
「はいはい んじゃそーゆーことにしといてあげるよ」
そういうと私は手を握られてそのまま立たされ、真凛の隣に移動した
「蓬ちゃんモテモテだねー」
「あ、えと」
「ちなみにウチも、よもちのこと好きだよ~」
宇佐美さんにまで好きって言われた
顔全体が熱くなる
「顔が赤くなってる… いい反応…」
「ちょっと 蓬がこまってるじゃん!?」
「過保護だにゃ~」
宇佐美さんが呆れたみたいに呟いてひとまずこの話は終った
「いやー食べた 食べた」
お腹をさすりながら宇佐美さんが言った
「ちょっとうさみん食べすぎじゃない? これから下山だよ」
「まあ大丈夫っしょ ウチ代謝良いからさ」
真凛の心配をよそに宇佐美さんは余裕そうだった
「そういえばみんなのペアはどんな感じ?」
お弁当箱を仕舞ながら佐藤さんが聞いた
「ウチはB組のカーストトップって感じの子かな~ なんかA組のこと敵視してるみたいだし話も合わないなー」
宇佐美さんは不満そうに言った
普段から誰とでも仲がよさそうに話してる宇佐美さんにしては相手と話が合わないなんてちょっと意外だった
「そういうみっちーは?」
「アタシは男子とだよ まあ可もなく不可もなく、話しかけたらしゃべってくれるけど向こうから話しかけてくることもないし 顔はまあまあかな」
佐藤さんはペアの人とうまくやれてるらしい
あくまでコミュ障目線だからあてにならないけど
「んで、真凛はどーなのさ」
「ああ、アタシのペアは… なんていうか怒ってる? みたいな?」
「なんかしたの?」
「なんでアタシが悪い前提なの!?」
「いや、だって普段の行い的にそう見えたからさ」
真凛の普段の行いって…
私はこのグループの中で真凛がどう過ごしてるのか知らないけど真凛が誰かを怒らせるようなことそうそうするわけないと思っていた
「だからなんもしてないのに会った時からそうなんだって!」
「不機嫌みたいな?」
「よくわかんないんだよね 話しかけてもまともに返事してくれないしさ」
自分から話かけたのに無視されるとか私なら死ぬな…
「それって男子? 名前は?」
「男子だよ たしか大倉龍弥とか言ってたかな…」
その名前を聞いて驚いた
だってそれは知り合いの少ない私ですら知ってる名前で…
「ここにいたのか…」
背後から声がして思わず振り向いた…
そしてその先には……




