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第二章 コミュ障陰キャぼっちでもバンドは組めますか? 第十九節

私なんかどうなったって構わない


けど私のことを好きでいてくれる人が傷つくなら……


私は何があっても友達を護る…

翌日、私は校門で真凛と待ち合わせをしていた

理由は昨日言っていた遠足の買い出しのためだった

中学の近くに行くことになるから断ろうかと迷ったけど佐藤さんと宇佐美さんが急用で行けなくなったらしく、真凛を一人で行かせるのはさすがにかわいそうに思ったのだ


「遅いな…」

少し遅れると言ってたけどなかなか真凛の姿が見えなくて不安になる

もしかして他の子と行けることになって置いてかれた!?

真凛なら顔も広いからもしかしたらありえるかも…

段々と不安は募る一方だった

「あれ、蚊帳ノさんじゃん どうしたの?」

突然、同じクラスの天城くんに声をかけられた

この間、遊びに行った時に会ったけど一対一だと緊張する…

「あ、えと 真凛を待ってて…」

「そうなんだ アイツならもう少しで来ると思うよ 生徒指導の中野に捕まってたから」

「そっか… ありがとうございます…」

真凛は生徒指導の中野先生に呼び出されてたのか…

まあたしかに入学早々から金髪にしてたりピアスも空けてたからかなり目を付けられてるみたいだったけど… 大丈夫かな…

「まあ アイツも懲りないからな~ なんか中学時代の出来事がーとか言ってたけど」

「中学の?」

真凛が中学の頃の話をしてたなんて驚きだった

私のことは覚えてないはず… 

そもそも中学の頃は一度も同じクラスにならなかったし部活も違うからほとんど会話なんてなくて…

私も高校に入って初めて話したぐらいだからそもそも私を知らない可能性のほうが高いけど… 

でも文化祭のことを知られてると怖いと思った…

「だれかに何か言われて変わろうと思ったらしいけど まあよくわかんねーな」

「そっか…」

私の知らない話だけどきっと真凛もなにかきっかけがあって見た目をかえたんだろうな…

真凛みたいに前向きな理由じゃないにしても私だって明るくなろうとしたし…


天城君と話していたら真凛がやってきた

「ごめーん蓬、中野の話が長くてさー てかなんで廻兎がいるの!?」

「ん ああ 蚊帳ノさんが変な男にナンパされないようにさ」

「あ、えと…」

ついさっき偶然、会っただけなのに天城くんはそんなことを言った…

そもそも私の見た目じゃナンパなんてされたくてもされないし…

(ナンパされたくないけど)


「なに? 蓬の彼氏ヅラ?」

「別に… どっちかって言えばお前のためだよ」

「はぁ?」

「ま、真凛も来たことだし、俺もいくわ」

そう言って天城くんは駅のほうに歩いて行った

「まったく 自分も待ち合わせとか言ってたくせになんで蓬を…」

真凛はまだなにか言っている

こういう時、どうしたらいいんだろう…

「ああ、ごめんね 待たせちゃって それじゃ行こっか」

「あ、うん」

真凛に手を引かれて駅に向かって歩き出した

そういえば真凛て私と二人の時はよくこうして手を握ってくれるけどこれって普通なのかな? まともな友達との経験のない私にはよくわからなかった

けどこうされるとなぜか安心するんだよね…


少し遅くなったけど二時間に一本しか来ない電車にはスムーズに乗れたし駅についてからの移動も徒歩五分ぐらいだった

昨日、真凛が言ってた駄菓子屋さんでおやつを買ったり、近くのホームセンターでタオルや汗拭きシートを買ったりした

終始、真凛は楽しそうで会話が途切れないぐらいに話しかけてくれたしそうしているおかげで私も中学の近くを通っている緊張感を紛らわすことができた

「いやー 結構、買ものがあったねー」

「あ、うん たしかに登山てなるとやっぱり色々と準備が大事そうだし…」

なんとなくだけど真凛と二人きりならわりとちゃんと話せてる気がする…

真凛の話を聞くスキルが高いからそう感じてるだけかもだけど…

「でも残念だなー 蓬が登山出来ないなんて」

「ああ うん ごめんね 一応、大丈夫ではあるんだけど念のためにって親に止められて」

「全然、まあしかたないかもだけどさ蓬だけ一人なのもかわいそうかなーって」

「うん… でも風邪でそもそも参加できない綾乃に比べたら参加できるだけ良かったって思わないと…」

そう言って学校を休んでいる綾乃のことを思い出す…

高校に入って初めての学校行事なのに参加できないなんて…

せめてお話ぐらいはしてあげたいけどそれで疎外感を感じたり傷つけてしまうかもしれないし…

自分がどうるべきか悩んでしまう… そんな時だった


「あれ? 小林じゃん」

「あ、月島つきしまじゃんどうしたの?」

目の目に現れた人物に驚いた

そこに立っていたのは月島凍夜つきしまとうやくん、小学校が同じで中学の頃、それも一年生の時に同じクラスだった男子だ

一瞬で背筋が凍る


ここまでいい感じに上手くいってたのにどうしてこんな急に…

よりにもよって小学校が同じで中一の頃に同じクラスだった子だ…状況は最悪

なんとしても早めに切り上げないと…

「なになに? 凍夜の知り合いか?」

隣には見知らぬ男の人が立っていた

背丈や格好からしてたぶん高校生だろう

「ああ 中学の頃の同級生、隣の子は知らないけど…」

よかった… どうやら私には気が付いてないみたいだ

「へー 始めまして ねえねえ 二人ともヒマならカラオケでも行かない?」

急に誘われた!? まさかこれがナンパ!?

いやでもたぶん本命は真凛で私なんておまけ程度なんだろうな…

「おい やめろよ」

私が驚いていると月島くんが止めに入った

「いいだろ 別に お前の彼女じゃないんだし」

「そういう問題じゃないだろ 初対面の相手に対して失礼だろ」

一見すると月島くんのほうがチャラチャラした見た目だったけど隣の男の子を聡ている

「悪いな二人とも じゃあ俺らはこれで…」

「勝手に話、進めんなよ! ねえどう? 俺らとカラオケ 何ならコイツ抜きで三人でもいいんだけど」

相手の子はなかなか引き下がらない…

私があたふたしていたら真凛が口を開いた

「ああ すみません アタシたちこれから用事があるので…」

「フーン そっちの子はどう?」

「わ、私は…」

急に視線を向けられてきょどってしまう…

「おい いい加減に…」

「なら君だけでもいいからさ 行こうよ」

強引に手を捕まれた

「あ、あの…」

ヤバい あいての力が強い…

最悪、奥の手を使うか迷うけどアレはマズいよね…


「あの その子嫌がってるんで離してもらえませんか?」

真凛が相手の手を掴んで言った… 強い…

「あ、俺はこの子と話してるんだけど そもそもお前みたいなギャル、どーせビッチだろうから興味ねーし」

そう言って真凛を突き飛ばす

「きゃっ」

真凛が後ろに倒れたこれにはさすがの月島君も

「おい お前……」

かなり怒ってるみたいだった

対して私は冷静で…


そのまま捕まれてない左手で…

その時だった

「ねえ 何してんの?」

背後から声がした次の瞬間だった

「あっつ いってーーーーーー」

私の手を掴んでいた手が外れた

どうやら相手の男の子はさっき真凛を突き飛ばした左手をあらぬ方向にひねられたらしい

「よくもまあそんなんで人の女に手が出せたもんだね」

前を見るとそこには天城君が立っていた

「どうして…」

「いやー ちょっと友達にドタキャンされてさ それでふらついてたら彼女が突き飛ばされの見かけちゃって…」

天城くんは終始、笑顔で答えた…怖い

「てめ よくも…」

「それ以上はやめときなよ 袖口見てみ?」

「ああっ」

そういって相手の子は自分の袖口を見ると…左手の袖が見事に裂けていた

「なっ なんなんだよこれ…」

「次は腕ごと逝かれるかもよ? まあ手を出しちゃマズい子に手を出したってこと」

そう言われて彼は一目散に逃げ出した…


「本当に悪かった」

月島君は私達三人に頭を下げた

「別に月島のせいじゃないよ 廻兎も来てくれたし」

「まあ、たまたまだけどね」

天城くんは笑いながら言った

「私のほうもごめん… 私のせいで真凛があんなことになって…」

「蓬は悪るくないよ… アタシがでしゃばったからで…」

「でも、私は真凛に何もできなかったし それに真凛が酷いことされた時もちゃんと怒れなくて…」

自分を庇ってくれた真凛があんなことをされたのに冷静でいた自分に失望した…

「いやいや蚊帳ノさんめっちゃキレてたよ てか普通に怖かったし どうやったのアレ」

天城君が不思議そうに私を見て言った

「アレって?」

「最後に袖口切れてたでしょ あれやったの俺じゃないよ」

「え、じゃあ月島?」

「いやさすがに無理だろあんなの 相手の服だけ切るとかどうやればああなるんだよ…」

なぜだろう…

一斉に視線がこっちに集まった気がする…


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