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第二章 コミュ障陰キャぼっちでもバンドは組めますか? 第十七節

否定すればするほどこの気持ちは強くなって


でもこの感情の名前を私はまだ知らない

次の日も綾乃は学校を休んだ

どうやら風邪が長引いてるらしくて今週は学校に来れそうにないらしい

綾乃からはLINEで『心配かけてごめんね』と送られて来たので私も『大丈夫だよ、お大事に』とだけ返信した

本当は綾乃のことが心配だったしもっと何か言うべきだったかなとも思ったけど体調が悪いのにこれ以上、連絡するのは悪いと思ってやめた


部活では双葉先輩からギターを教わって簡単なコードなら弾けるようになってきた

今は、最初の難関であるFコードに苦戦中…

まだ三日目だからしょうがないけどまともに弾けるようになるには先は長そうだった


 そして翌日、水曜日

午前中の授業が終って昼休み、私は湊さんを探した

理由はもちろんこの間の件… 私の曖昧かつ不誠実な対応のせいで湊さんを傷つけてしまったことへの謝罪だった

もちろんあの時のお返しではないけれどせめてものお詫びとしてクッキーも持参した

本当は昨日、謝るつもりだったけど湊さんがちょうど学級委員の仕事で呼び出されてしまい時間が作れなかった

放課後はわりとすぐに帰ってしまうようだったし謝るチャンスは昼休みしかない

今日こそはなんと彼女が一人のタイミングで声をかけないと…

そう意気込んでいたその時だった

「蓬、一緒にごはん食べない?」

真凛に誘われてしまった

本当ならここは断るべきなんだけど皮肉にも湊さんの一件がトラウマになって人の誘いが断りにくくなっていた

「あ、えと 私でよければ… お願いします…」


真凛に連れられて来たのは教室の窓際、私の席だった

驚くことにそこには真凛と同じような見るからにコミュ強陽キャリア充の二人が座っている… ギャルだ

「おまたせー あ、この子が蓬ね」

「あ、えっと蚊帳ノ蓬です」

真凛に紹介されて思わずそう答えた

「やっほー 真凛が組んだバンドメンバーの子でしょ? あ、アタシは佐藤美奈子さとうみなこね みっちーって呼んでくれればいいから」

「なになに 前から思ってたけどめっちゃかわいいじゃん ウチは宇佐美卯月うさみうづき うさみんだよ~」

すごい勢いで迫られる…

ギャル怖い…

「ほらほら 蓬が困ってるでしょ なんかごめんね…」


「あ、いえ そんなことは…」

真凛が目の前で手を合わせて申し訳なさそうに謝った…

私のコミュ力が低すぎて気を遣わせている…

「そーだよー ウチらからしたらこれが普通じゃん!」

「蓬は繊細なんだからもうちょっとゆっくり近づかないと…」

「え、蓬ちゃんてネコかなんかなの!?」

真凛と宇佐美さんが言い合っている…

私のせいで二人が喧嘩に!?

「あ、あの…」

いたたまれなくなって何か言わなくちゃと思うけど言葉が出なかった…

私が一人であたふたしていると

「ほーら 二人とも蓬ちゃんが板挟みになってるよ ごめんねー あの二人っていっつもああだからさ あんま気にしないで」

「えと ああ はい…」

佐藤さんはさっきの陽キャギャルな感じとは打って変わり真凛と宇佐美さんの仲裁に入ってくれた

「あ、ごめんね 別に喧嘩とかじゃないからさ」

「そそ いっつも真凛が話してる蓬ちゃん連れて来たからウチも気になっちゃってさ」

「ちょっとなに言ってんの!?」

真凛がいつにもなく大声で叫んだ

「なにっていつものことじゃーん ここ最近なんてことあるごとに蓬、蓬って付き合いたてのカップルかよ」

「まーたしかにアタシもそれは思ったわ」

ここにきて佐藤さんが宇佐美さんに加勢した

ところで真凛てそんなに私のこと話してたんだ…不思議…

「ちょっ そんなんじゃないから ただバンド組めて嬉しいっていっただけじゃん!」

「否定するほどあやしい…」

宇佐美さんがジト目で真凛を見つめる

「なんか赤くなってない?」

「なってないから!」

宇佐美さんに言われて真凛は否定してたけど少し顔が赤くなってる気がした

「まーまー 真凛イジルのもそれくらいにしてさー 蓬ちゃんとも話そーよ」

「へ!?」

佐藤さんが私の方を見ながら言った


「そうだった!? ねね、蓬ちゃんて彼氏いるの?」

宇佐美さんがこっちに迫って来てそう話す

ていうかまずそれ聞く!?

ギャル流の距離の詰めかたが想像の数段上すぎて驚く…

「いない…です…」

「え、マジ!? こんなかわいいのに!?」

「あ、いえ 私なんてそんな…」


確かに中学の頃に比べれば見た目だけは少しだけ明るくなったかもだけど…

それでも綾乃とか真凛と比べたら私なんてそこら辺の石同然で…

「いやいや ほんと蓬ちゃんかわいいからね! 男子とか狙ってるヤツいっぱいいるし}

宇佐美さんがめちゃくちゃ褒めてくれる…

ヤバい 宇佐美さん優しすぎる…

ギャルが陰キャにやさしいってほんとだったんだ…すき

「でも真凛がボディーガードしてるから近づけないんでしょ?」

「そうなの?」

佐藤さんが真凛のほうを顎で差して言った

それを聞いて振り向いた宇佐美さんにつられて私も無言で真凛を見やる

「別に… 蓬とは一緒にいること多いけど男子の牽制なんてしてないし」

「でも蓬ちゃんがフリーって聞いて安心したんじゃないの?」

「そんなことは…ない…から…」

なんだろういつもより真凛の勢いが弱い気がする

まさかこの二人のギャル力は真凛すら凌ぐのか!?


「でも蓬ちゃん、気を付けたほうがいいかもよー 案外、モテそうだし」

「わかるー なんかこう守ってあげたい感がすごいよね」

「あ、えと」

今度は佐藤さんまで褒めてくれた…

普段、こういうことあんまり言われないからきょどってしまう…

「てか真凛て天城と良い感じだったじゃん あっちはどうなの?」

この間、綾乃も入れて三人で遊んだ時に会った天城くんとの話題だ

やっぱり真凛も少しは気にして…

「え、まあ 廻兎とはないかな」

気にしてなった… しかも私の時よりあっさりしてる…

告白もしてないのに振られた天城君をかわいそうに思いつつ仲が良いのと恋愛は別物なんだなと改めて感じる

私自身、恋とかそういったものには疎いけどなんとなくその気持ちは理解できた

真凛とは仲がいい…つもりだけど そこから恋愛にはならない…と思う

そもそも真凛も同じ気持ちだろうし…

綾乃とは…


綾乃のことを考えて意識が止まった

綾乃とも仲が良い…はずだけど そこから恋愛には…ならない?

なんだかすごくモヤモヤしてきた

わからない…

私と綾乃は女の子同士で…普通ならこんなことすぐに答えがでるはずなのに…

胸の奥がかすかに締め付けられた…ような気\がした


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