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第三章 コミュ障陰キャぼっちでもライブはできますか? 第五十一節

離れたくない

「やっと二人っきりになれましたネ」

背中に妙な気配を感じて思わず固まってしまう

脇腹からおへそのほうに向って細い腕で囲まれていた

「メイリンちゃん!?」

顔を背中に押し当てたまま息をする少女に問いかける

自分よりも背が高い彼女は腰を落として少しだけ前かがみになっているみたいだ

もっともぴったりと背中に密着されているから振り返ることはできなかったけど…


背中に感じる吐息はゆっくりと深呼吸するみたいに穏やかだった

それに対して自分の心音は速くなる一方でどうにかなってしまいそうだった

「蓬の背中… いいにおいがしマス…」

「ちょっ メイリンちゃん!?」

勝手にどぎまぎしてる間になにやらとんでもないことをされていた

綾乃とか真凛みたいな素でかわいい女の子ならともかく私みたいな芋くさいコミュ障陰キャぼっちの匂いなんて…

「いいにおいです…」

「いや、ちょっ ていうかメイリンちゃん探してる間にだいぶ汗かいたからそんないいにおいすはずないよ!?」

「いいにおいです…」

「会話が通じてない!?」

メイリンちゃんはなにをいっても同じことしか言わなかった


流石にこのまま汗の匂いを嗅がせるわけにはいくまいとなんとか彼女を引きはがした

「蓬?」

「流石にこれ以上は… ヤバいので…」

汗の匂いが気になるのもそうだけど今までにないくらい密着されて頭の中がパンクしそうになっていた (というかすでにパンクしてた…)

「むー 蓬からは甘くていいにおいしかしませんヨ…」

「うう… そう言ってくれるのはありがたいけど でも普通に汗かいてるから…」

いいにおいがしたならたぶん柔軟剤だろう

柔軟剤なんて普段気にしないけど汗の匂いが紛れたのなら柔軟剤様様だ…

「蓬はイジワルです…」

「なんで!?」

ジト目で呟くメイリンちゃんにツッコミを入れた


「それじゃあ私もそろそろ帰ろうかな…」

このままの調子で帰ってしまおうかとどさくさに紛れてそんなことを言ったらメイリンちゃんにまた腕をつかまれた

「蓬… 帰っちゃうんですカ?」

「あ、えと…」


上目づかいでそんなことを言われて帰れるわけがない

そもそもこんな美少女にこんなこと言われてはい帰りますなんて言える人がいるわけない

「うっ… でも… さすがにこれ以上は迷惑なんじゃ…」

「坂本に言って蓬の分のごはんも用意してもらってます」

「でも…」

「蓬の荷物とスマホも手に入りましたし蓬のご家族が心配されるならメイリンが説得します それに坂本も夜には帰ってしまうのでメイリンはひとりぼっちになってしまいマス」

懇願するメイリンちゃんの手を振りほどかないといけないのにそれができなかった

結局…

「分かったから! とりあえずお母さんに聞いてみるから… ね?」


メイリンちゃんの家に泊ってもいいか電話で聞いてみたら即答でオーケーがでた…

「友達の家にお泊り!? 最高じゃない 楽しんでらっしゃい!」

「あ、えと お母さん!?」

聞き返えす隙もなく電話があっさりと切れてしまった

そのあとLINEで『着替えとか必要ならソッコー届けるから言ってね』なんて送られてきた

「どうでしたか?」

「一応、許可はもらえたけど… 着替えとか持ってきてないから…」

「大丈夫です! 着替えなら蓬の分もありますよ!」

「えっ!?」

そういうとどこからともなく現れた坂本さんが大量の衣装のかけられたハンガーラックを持ってきた

「よろしければこちらのお洋服をお使いください」

「あ、えと…」

私が戸惑っているとメイリンちゃんは私の手を引いて言った

「どんな服がいいとかありますか?」

「いや… その…」

「じゃあ坂本、蓬に似合いそうな服を選んでおいて」

「かしこまりました」


そのまま私はメイリンちゃんに奥の部屋に連れて行かれた

「あ、えと… ここは?」

薄暗い部屋に明かりが灯る

「お風呂です!」

「……」

「一緒に入りましょう! 蓬」

「……へ?」


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