自己紹介をしましょうか。
改めて名乗りをあげるわね。
わたしはセラフィナ。
真なる名前<ネリィム・オブ・リリス>は”セラフィナ・ノクティルカ・カンタービレ”よ。
魔導士なのに真名を名乗っても良いのかって?
問題ないわ、真名というのは正式な名乗りをするためのものだもの。
むしろ広まってくれれば現世に干渉しやすくなるのだから積極的に広めるべきね。
セラフィナは現世の父様から頂いた名前。
華麗であり、純潔と気高さを持って欲しいという願いを込められているわ。
ノクティルカは師匠から頂いた魔術名。
暗闇に淡く光る一つの灯火で、幽と現(玄)を表し、それらを繋ぐ可能性であれという願い。
カンタービレはわたしが考えた名前ね。
優雅と詩的を表したくて当時の好きな小説から取った感じかしら。
あとはーーーーーーーそうね。
少し魔導のことについても触れておきましょうか。
魔導とは簡単に言えば自分の心象風景を現世に表現して事象を書き換える行為のこと。
この世界は様々な人の視点から観測されているのは知っているわよね?
特にわたしと同じ中二病を履修した人なら分かりやすいのではないのかしら。
わたしという存在を周囲に認識させ、想いを広げ、圧倒させ、理解させる。
これができて初めて魔導の第一歩を踏み出せるわ。
だからこそ、自身にとってナニモノにも侵させない世界を内包できる人は魔導士になれる可能性があるということ。
それがわたしにとって中二病であったことが最大の強みというわけ。
まあ、魔導士としての強みはもう一つあるのだけど・・・それはまた今度にしましょう?
その方がお互いにとって楽しいことになると思うわ。
最後に魔導の術式構成を簡単に説明しておくけれど、ここからは興味がある人が読んでいってね。
ふふふ、だって結構覚えるの大変だもの。
それでは次回から新しい世界に降り立って楽しいこと探しを始めていきましょう。
では、またね?
あら興味を持って読んでくれるのね、嬉しいわ。
それでは早速始めましょう。
知識を共有できる相手との話し合いは楽しいんですもの。
術式構成は大きく二つに分かれるの。
完全詠唱<アーク・オーヴァチュア>、短縮詠唱<ドミナ・コード>。
二つの違いは説明しなくてもここを読んでくれる人は分かってくれると信じているわ。
だからもっと深い話をしましょう。
完全詠唱<アーク・オーヴァチュア>は術式の名前、開門、序章、展開、核、終章に分かれているの。
分かりやすく解説していくつもりだけど、難しかったらごめんなさい。
本に例えて話していくわね。
術式の名前は本のタイトル。
開門は物語のあらすじ。
序章、展開はそのままのイメージかな。
核とは術式を魔導に繋げる自身の根源たる想いを表すことで物語の本質を表す部分ね。
終章は世界への命令であり、観測者へのイメージの植え付けを完了させる行為で、エピローグだったりあとがきだったりするものよ。
これらをもって自身の心象風景を広げて、世界を周囲まとめて塗り替えさせることが魔導の本質となるわ。
簡単に聞こえるようかもしれないけれど、自分をその場にいる”全て”の相手に受け入れさせなければ発動しないのだから単調に詠唱するだけではだめなの。
だからこそ面白いと思わない?
少しでも興味をもってくれたら評価して欲しいわ。
やる気にも繋がるし、読んでくれる期待にも応えていきたいもの。
また会いましょう。