表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

混沌の渦〜ヒカリノトビラ〜

作者: やんちゃ

混沌の渦〜ヒカリノトビラ〜


制作:Gift Of Memories

シナリオ;やんちゃ





キャスト


ヴェール(佐倉伊織)

ラスティ(月城鏡夜)

リベリオン(やんちゃ)






ヴェール:私の中に記憶が渦巻いている。黒い記憶だった。

     何もかも捨ててしまいたい、そんな思い出、消し去ってしまいたい過去


リベリオン:何もかも忘れてしまえばいい、そうすれば君は楽になれる、そうだろ?

ヴェール:声に導かれるままに吸い込まれていく、まるで混沌の渦のように…


リベリオン:ようこそ、帰路の旅路へ。君は帰ることが出来る、そう、お望みの場所へ

ヴェール:目の前が薄れつつある…どうなっている?あなたは誰だ?ここは?

リベリオン:私はリベリオン。ここは君の記憶と今の空間の狭間だ

      君は迷っている、これからを生きることを。私はそれを少しお手伝いしよう


ヴェール:夢を見てるようだった…けど、これはまさしく現実、そう思える確信があった


ヴェール:私の手助けをしたとして、あなたに得はあるのか?

リベリオン:それが私の仕事だ。過去の傷を癒すとまではいかないかもしれないが、人は  

      前を向いて歩いていかなければいけない

ヴェール:逃げていると言いたいのか?

リベリオン:そうじゃない。ただ、振り返ることは悪くはない。しかし、それだけでは立

      ち止まってしまう。君が渦に巻き込まれないように助けたい

ヴェール:渦?何を言っている。不思議な人だな、あんたは。

リベリオン:呼び戻そう、君の過去を、そして、今度は光を見て進めるように…


ヴェール:(真っ白になっていく。光が私を包んで、そっと消える

     まるで呼び戻されるかのように。眩しく、柔らかく閉じていく)

(過去)


ヴェール:さよならは済んだよ、私、ちゃんと言えたから

ラスティ:そっか…なぁ、ヴェール、きっと、あの人もお前のこと好きだったよ

ヴェール:私は…あの人が大好きだった、全部、全部好きだった…

     人を想う気持ちはどうしてこんなに大きい、私の中で膨らんでいく

     あいつを、許せない、一生恨んでも恨みきれない。

     私は、まだ戦わなきゃいけない、あの人の為にも、私自身の為にも


ラスティ:(彼女の中で溢れ出る気持ちを俺は受け止めきれなかった

     あまりにも悲惨な運命と残酷な真実を目にして、立っているので精一杯だった)

ヴェール(私は強き剣士だった、誰にも負けない、そんな女剣士だった

     大切な人を失い、戦うことにしか生きられない日々だった

     でも、それから私は、何もかも壊れていった。全てが怖くてたまらなかった)


ラスティ:大丈夫?少し疲れてるみたいだけど、無理はするなよ

ヴェール:あぁ、平気だ、私にとって、これくらい、うっ…

ラスティ:ほら、今日は休んだほうがいい、最近寝てないんだろ、頑張りすぎだ

ヴェール:くっ、この程度で負けるわけにはいかないんだ

ラスティ:もう、君を見てると辛い、そんなに頑張らなくていいんだ

     辛い時は辛いって言っていいんだ。もう、苦しまなくていいんだよ

ヴェール:ラスティ、あぁ、すまない

ラスティ:俺が助けるから、ヴェールは俺が守るから、だから、ちゃんと休んでろ

ヴェール:あぁ、分かった、助かる。なぁ、ラスティは、大切な人を失ったことあるか?

ラスティ:そうだな、あるよ。俺は家族だな

ヴェール:家族、居ないのか?そう言えば、お前のことあまり知らないな

ラスティ:話して無かったよな。俺は小さい頃、両親を失った。目の前で殺された

ヴェール:そうか、お前も、辛い思いしてたんだな

ラスティ:この時代に生きてる限り、誰かしら何かを背負ってる、そうだろ?

ヴェール:あぁ、確かにそうだ。この戦いの時代、気楽に生きてる奴なんて居ないのかも

ラスティ:だな。ヴェール、元気だせよ、一緒に生きよう。これからをさ

ヴェール:もちろんだ。ん?どうした?

ラスティ:い、いやさ、俺、ヴェールのこと好きだから、な、なんて言うか、な?

ヴェール:あ、あぁ。私は、二度と人を愛することは無い。そんな気がする

     あの人より好きな人なんて、一生現れないと思う

ラスティ:う、そう、かな。そんなことないかもしれないよ

ヴェール:無い。言い切ろう、私は一生人を好きになることはない


ヴェール:(いつまで生きられるか分からない。そんな日々を過ごしていた

     生きている意味があるのか、それすら私には分からなかった

     今、私が死ねば、何が残るだろうか?私は後悔するだろうか?)


ヴェール:(そして、その後、ラスティは遠い所へ行ってしまった

     私を守ろうとして、消えてしまった。また、失った。私のせいだ

     全部、私のせいだ、どうして何一つ守れない、何一つ、残らない)


(現在)


リベリオン:記憶は戻ったのかい?

ヴェール:もう、何度も見た悪夢だ、毎日のように思い出す

リベリオン:君にはまだやらなきゃいけないことがある。失ったのは君のせいじゃない

ヴェール:でも、でもな

リベリオン:何もかも背負う必要はない。もう君だけが苦しまなくていい

ヴェール:私は…あの人を愛した、本気で、、な、、でも、全部、失った

     どうして、大事に思えば思うほど遠ざかる?なぜ、こんな風に失う

     教えてくれ。私は何か間違っていたのか?守りたかった、側に居てほしかった

リベリオン:君は何一つ悪くない。悪く、ないんだよ

ヴェール:お、お前は…

ラスティ:ヴェール、もう悲しまないで。みんな見守ってるから

     あの人も、きっとヴェールに生きて幸せになってほしいって思ってるから

ヴェール:ラスティ。ごめん、守れなくてごめん

ラスティ:君はきっと幸せになれる。深い闇を見なきゃ本当の光は輝かないよ、きっと

ヴェール:あぁ、私はずっと後悔していた。閉じこもってしまっていた

     この扉を開けるのが怖かったんだ。また、大切なものを失ってしまう気がして

     でも、何一つ無かったんだな、それは自分で作り出してた闇だった

ラスティ:うん、大丈夫。ゆっくりでいい、進んでみて。きっと光は溢れてる

ヴェール:私は、これからは守りぬく。傷ついても立ち止まりはしない

ラスティ:うん。扉、開けてみるかい?


ヴェール:(闇に閉ざされていた心に、開けた扉から、光が差し込んできた

     そうか、外はこんなに明るかったんだな、そうだな、カーテンしてたら

     明るい朝でも分かんねぇよな)


リベリオン:渦巻いた闇は、消えていく。断ち切れたみたいだな

ヴェール:もう、大丈夫。私は迷わない。助かった、ありがとう

リベリオン:ありがとう、か。君には似合わない言葉だな

ヴェール:う、うるさい

リベリオン:ははっ。私の仕事も終わったようだ、これからは歩けるよう願っている

ヴェール:それにしても何者だ?あんた

リベリオン:君を愛する者だよ。道標にはなれたかい?

ヴェール:うっ、まさか、あんた

リベリオン:また、誰かを愛せたら良いね。きっと出来るよ

ヴェール:うっ…ありがとう。

リベリオン:きっとまた、会えるよ


ヴェール:(不思議な出来事だった。夢のような出来事だった

     でも、真実なんだ。私にはそう感じられた、信じられた

     これからはちゃんと歩けるから。待っていてほしい

     心閉ざしてる人が居るならば、どうか一歩進む勇気を…

     きっとそこに、ヒカリノトビラは開いているから)


              

                                    END

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ