第23章 その18 あと一歩の結着!?
その18 あと一歩の結着!?
「女ながら、リーチを倒した。まあ、公正な条件とは言い難かったが、それでも敬意を示すには値しよう。」
たった一人で、その強敵を倒した魔法兵にまみえる「大佐」です。
そのあまりに無防備で堂々とした様子に、魔力矢を叩きこもうとしていた気勢を一気に削がれてしまいます。
しかし、その言葉は……それはつまり、女だけど直々に話ししてやる、っていう思いっきり上から目線なのです!
これは以前の主任すら軽く上回るほどの女性蔑視!
遅ればせながら気づいて、むか、です。
「……その特務曹長は、リーチは生きてますよね?」
「せっかく敵将とまみえて、話す内容がそれか?しかも自らあれほど痛めつけた相手の生死を気遣うとは、偽善だな。」
今度はかちん、です!
いえ、偽善の自覚はありますけど、それでも人の死を願うことはわたしにはできないのです。
「生きてはいるが、魔術的な治癒もポーションも使えない。もつかどうかは、運だな。死なすには惜しい男なのだが。」
惜しがってるとは思えないくらい淡々と話す「大佐」ですが、その言葉になぜか偽りは感じないのです……いえ、奇襲も策略もためらわない男ですが、きっと認めた相手にウソはつかない。
さっきの学園長方との論戦の内容だって、全部本心だったと思うのです。
「……これを。保管バッグから出して5分以内なら、効果はあります。」
「……偽善、というよりお人よしと言うにも甘すぎる類か……なるほど。アントの姪だったか?悪いところが似たものだ。」
いらいら!
なんで、こんな人にいつもかあさんに言われてることを言われなきゃならないんでしょう!
思わずポーションをバッグに戻そうとするわたしです!
「いらないのですね?」
「いや、ありがたくいただく。」
むっ、として、それでも「大佐」にビンを乱暴に押しけます。
「貸しにするには大きすぎるな。この場で返すことにしようか。」
何を言われたのでしょう?怪訝な顔をしたわたしに、
「少し時間をやる。アントの姪。」
「大佐」はそう告げたのです。
その声に重なるような、レンの悲鳴じみた思念が響きます。
(クラリス!敵の攻撃で、みんなも応戦しなきゃいけないの。だから精神結合は中断したの!このまま攻められたら、危ないって主任が言ってるの。)
(ん。落ちたかも。)
……これが?そういうこと?
「大佐」にとってリーチの価値はそれくらい大きいと考えるべきか、どうせわたしたちのトリデなぞすぐ落とせると思っているのでしょうか?
「女だからってバカにして!叔父様には禁じられたけど、今からあなたを倒せばそれでわたしたちの勝ちです!あなた一人で魔術師を相手にできるんですか!?」
「女と言えど、リーチを倒した魔術師をバカになどできんよ。だが、魔術師?それはどうかな?」
「大佐」が黒眼鏡を外します……いいえ、今気づきました。
あれはメガネではありません!
あれは封印具!
黒いレンズと思っていたものは、近くでよく見ないとわからないくらい、細かくて精密な模様がギッシリ書き込まれていたのです。
「にゃああ!」
金色に光っていたクロちゃんは、一瞬で黒く戻り、そのままわたしの肩から飛び降りて逃げ去ってしまいました!
さすがはネコ。
犬とは違い、どこか薄情と言うか強弱に素直というか……ぐすん、ですけど。
ギラッ!
「大佐」が空を見るや、突然空気が、いえ、空が震えます!
星の光は歪み、ツキという黄金の円盤も見る見る細くなって、消え去ってしまったのです!
「何を……何をしたんですか!?」
わたしの声も、語尾が怪しいのです。
震えないのが精いっぱいで。
そしてわたしに向けた「大佐」の目は……目がない!?
普通の、少し落ちくぼんだ肌がそこにあるだけ!?
思わず大きく飛びのくわたしです!
これは異世界のムジナ、いえ、MUJINAですか?
ザムジナリブズゼアーとかいう、あのKWIDANの?
いえ、違います……その額には、縦長の目が一つ!
「私が?いや、これはたまたまだよ。丁度たまたま、あの空の妙なモノが消える瞬間だっただけだ。ただ、あれがなければ、お前は魔術は使えない。そうなのだな。」
偶然?
そんなはずはない?
まるで「大佐」の狙い通りになったみたいな偶然なんて?
小剣を抜き、構えたわたしですが、その背中は謎の冷や汗でぐっしょりです。
リーチのような剣士の威圧とはまるで違う、しかし明らかに強力な気配を感じるのです。
これではまるで……そう。
冬季実習の時に感じたような、あの感覚。
「まさか……あなた、人ではないのですか!」
「失礼だな。人族に決まっている。ただ……この目が、シャル・アークの瞳が、全てを私に有利なように導いてくれる、それだけだ。」
それは、事象に与える影響力が特異点クラスと言う、霊獣、いえ、吉祥獣なみの……。
「私のもう一人の相手が、こんな小娘とは意外だったが。」
それは、以前叔父様からわたし自身が言われたことで……。
「そう。今日私が戦う相手は、かつての部下アント二等兵と、第八師団のイスオルン大尉。」
それは戦略で叔父様が、戦術で主任が対抗していて……
「しかし、もう一人存在していた。私の描く現実を、違うものに変えてしまう、もう一人の邪魔者。」
それはつまり、麒麟の昇天とゲンブの覚醒に居合わせて、その影響を受けたわたし!?
「この二か月ほど、完成間際の私の計画に、たまたま不都合ばかり起きてね。」
それはこそたまたまでしょう!
わたしなんかこの二か月なんにもなかった!
平和な学園生活で……
「それは二人の力が拮抗していたんだよ。いや、むしろキミの方がちょっとだけだけど押し気味だったんじゃないかな?」
それは、こんな緊迫した場面でも、ゆるく、でもとっても聞きなれたお声です!
ですが……そのゆるいはずの声が微かに固くて……叔父様?
「やっと来たか。アント二等兵……なるほど、随分大人になった。」
わたしがつくった南側の沼をどうやって抜けたんでしょう?
汚れ一つない叔父様です。土と泥だらけのわたしなんかとは違って。
「……あんたは随分老けたな?リーチなんかたいして年くって見えないってのに……戦略級アイテム、シャル・アークの瞳。ある霊獣の核を基に、因果律を傾けるっていう。あんたともあろう者が、よくもまあ、そんなやばいものを……その対価は通常の視力と……寿命かい?」
でも、やはりいつもの叔父様のお声ではない。
まさか緊張していらっしゃるのでしょうか?
「叔父様、どうしてここに?」
「月も消えちゃったし、この子が逃げて来たんで、なんかあったなって。」
クロちゃん!
わたしを見捨てて逃げたんじゃなくて?
よかった!
「よく教えてくれた、いい子だ……いてっ!」
叔父様は足もとのクロちゃんをなでようとして、またも引っかかれています。
前世で相当ネコに悪いことをしたのでしょう。
そう言えばお国の楽器にはネコの皮を使ったものもあったとか……それ?
「ネコ?また怪異に興味か?雑念が多過ぎる……見た目ほど中身は変わらんな。戦争に集中していれば私の片腕として、いや、私以上の参謀になれたかもしれないものを、お前は魔術やら怪異現象やら敵の生態やら余事にばかり気をとられて、結局どれも半端なまま。そんなお前の終戦案など画餅にも劣る。もっと現実を見ろ。」
固く厳しく冷たい「大佐」です。
存在しない両目ではなく、額の目まで冷ややかです。
「亜人をみな殺し、女性を押し込め、自分の認めないものは、ヒトも怪異も認めない……そんな堅苦しいだけの現実なんか見たくもないね。それはあんたが色眼鏡で見た現実さ。だいたいあんたが苦戦してるのは、そのネコたちや街中の怪異を害したからなんだよ?」
「にゃあ!」
そんな「大佐」と比べれば、貫禄も迫力も大いに見劣りしてしまい、拗ねた子どもみたいな叔父様ですが、クロちゃんはそんな叔父様に初めて同調したように鳴いたのです。
「……さっきの現象もその娘の起こした奇跡も、ネコのせい。そう言いたいのか?そんな不確かな怪異など、ほんのささいなきっかけ一つでこのザマ。ヒトの理性の前では恐れるに足らんよ。」
「相変わらず、その信念、ってより思い込みがひどいよね。だいたい、そのささいなきっかけのために、王国、いや、人族を代表できるほどの知性が、その寿命を何年削ったんだい?」
「それこそ些事だな。寿命なぞ、本願を果たすまで残っていればそれでいいのだ。」
ツキを打ち消す偶然を起こす、そのためだけに寿命を?
なんて危険なアイテム。
そしてなんて軽い命!
「そんな!あなたは自分の命すら軽視するから、あんなに部下が犠牲になっても平気なんですね!」
多くの敵が、そして職員さんも何人か死んで……なんでって叫びたいわたしです!
その大元がこの人なのに、まったく動揺も何もないのが許せないのです!
「クラリス……それは少し違う。静かにしててくれる?」
「叔父様!?……ですが……」
「お願いだから。」
「……はい。」
なんでわたしが発言を禁止されたんでしょう!?
だけど、優しく髪を撫でられると、大人しくなってしまうのは子どものころからの躾の成果なのでしょうか?
わたし、子どもみたいです。
でもそんな叔父様の手の動きも、今は少し固い。
こんなに緊張してるのに、人前にでること自体嫌いなのにどうして?
……ひょっとして相手と話したがってるのは大佐だけじゃない?
そんなわたしたちを「大佐」の額の目は、冷たく眺めるだけです。
「……アント。あんな愚策など実現不可能だ。我が元に戻れ。そしてもっとも現実的な道を進むために、手を貸せ。昔のように。」
「言うと思ったよ。だから会いたくなかったんだ。昔のことなんか思い出したくもないってのにさ。」
「お前の愚策だが、汲むべきところがないわけでもない。しかし」
「……せっかくこうして出て来てやったんだ。勝負しようか。」
「お前が?もう勝敗はついたと思っていたが?あのトリデもどきはいつでも攻め落とせる。」
「本当の勝負は、亜人との戦略案の優劣だろ?なら……これでどうだい?」
叔父様がどこからともなく広げたのは、大きな地図と、大小さまざまな形のコマ?
「兵棋戦か……お前ごときでは役者不足だな。」
「まあね。でも、ホラ。僕には、この子がついてるし」
わ、わたしですか!?
わたしなんか、いえ、軍隊音痴の叔父様よりは戦略戦術の初歩くらいは学んでますけど……って、いえ、そうじゃなくて、兵棋戦で決着なんて!
「不謹慎です!こんなにたくさん犠牲が出たのに、最後はこんなので勝負ですか!」
って規律委員みたいに叫んでしまったわたしです!
「そんな小娘一人か?」
ムカ!です!
そりゃ、わたしと叔父様、二人合計してやっと「大佐」と同じくらいですけど……年齢だけは。
「そもそも女ごとき、なんの加勢にもならんだろうに。」
ムカムカ!です!
この差別主義者め!
「そこまで言うなら、このクラリス・フェルノウル、戦隊長として叔父様に、フェルノウル教官殿に助太刀させていただきます!」
こうなったら奥の手です!
ツキが消えてもわたしたちにはまだ、残ってる。
(レン、主任に状況を伝えて!)
思念でレンを通してイスオルン主任に助言をもらうんです!
必勝カンニング大作戦です!
(うん!なんだか大変みたいだね。でも……なんだか卑怯だってレンは思うの。)
グサ!です!
でも、いいえ!です
こうなったらなにをやっても勝たせてもらいます!
「ああ。何人で来てもかまわんよ。」
ほら、「大佐」もこう言ってますし!
「この兵力なら、グオル関門を抜け、州都エーデルンまで行けるのだ。」
「これは……ダメだね。軍道の途中であんたの主力は物資不足で干上がるんだよ。」
「セメス川の水運を少なく見積もりすぎではないか?」
日蝕はいつ終わるんでしょうか?
未だ暗い中、石床に座り込んで地図をはさみ、にらみ合うわたしたちです。
ランタンの明かりは意外に明るいのですけど……周囲に人の気配が全くないのです。
余人を交えず集中したいという、「大佐」の希望でコアード兵も近寄らない、ここは北校舎の屋上なんです。
「いいや。これはアドテクノ商会の流通量を基に算出した正確な予測値だ。」
「では物資そのものをより多く確保する。配給制を王都だけでなく、王国全土で行えば、対処は可能だ。」
「だから、もともとの生産力が……ほら、ここ二十年のツケで、こんなに落ち込んでるんだ。」
にゃあ……クロちゃんは退屈そうにあくびです。
ですが、「大佐」も叔父様もすっかり兵棋に夢中で……この人たちって変人です。
「国力の低下は深刻だな。しかしそれではお前の計画でも大した兵力を動かせんぞ。特に、矢の不足の解決は急務だ。最後の局面では、主力が動かなければ、終戦はおろかアキシカの解放も不可能だろう。」
人族の軍は圧倒的に少数ですが、亜人に比べ練度が高く、遠距離戦が得意。
だから基本戦術は序盤の矢戦で充分に敵を削り、消耗させることが前提なのです。
それなのに矢が足りない、と言うのは致命的です。
「あらら……ええっとね……」
叔父様もすぐには対策が出なかったみたいで……。
(クラリス、学園長がね……。)
「叔父様!セーメル港のアドテクノ商会のこの工場!これ増設していただきましょう。働き手は現地の女性を雇用すればいいのです。」
商会は学園の裏の「すぽんさあ」でもありますし、ちゃんと利潤の回収を見込めるのならば協力してくれるのだそうです。
「さすが僕のクラリス!」
えへ。
わたしの案じゃありませんけど。
途中から学園長も入ってきて、女性がからんだ問題には積極的に入れ知恵をくださるのです。
「女がつくった矢で戦うだと?」
この、感情に乏しい声からもれるイヤそうな感じ。
本当になんて失礼な差別主義者!
「だからあんたは現実を見てないって言うんだよ。お国を守り、かつ給金がもらえる仕事なら、女の人だって手を抜かない。もともと女性の方が勤勉なんだから。」
思わず拍手したい叔父様の名言ですけど、ですが絶対ご自分のことは棚上げ発言なのです。
「しかし」
そしてこれに反論しかけた「大佐」。
(ええとクラリス……)
「大佐!あなたは女性のつくったものが不要と仰るのですか!それでは女から生まれた人はみんな不要なんですね。ではあなたの軍は女から生まれてない人だけで編成してください!」
「…………。」
「いいぞ、もっと言ってやれ。」
いえいえ、これは全部学園長の……ちょっと後ろめたいわたしです。
「まあ、物資の不足は女を労働力とする、というお前の案の利点を理解しないわけではないが……。」
「へへへ、認めたかい?」
ハナタカの叔父様。優勢です!
「……ならば、お前の部隊は兵力不足だ。この兵力でアルグラデが維持できるものか。」
「うっ……不可能じゃないって思うんだけど、難しくはあるかな……。」
いえ、均衡です……。
「だからお前は詰めが甘いのだ。いいか、たかが一個大隊クラスの兵力で、その特性上、増援はないのだぞ。更に支援部隊は水上任務があるのだろう?実兵力は3、4個中隊ほどになるのではないか?」
「ぎゅううう……」
いえいえ、劣勢です……。
「……しかし、卒業生はもう目いっぱいつぎ込んだし、これ以上魔法兵はかき集められない……支援部隊の水兵だって、今以上の速成は練度に関わるし……練兵所の増設は……しかし今でも初年度生の数を考えると……」
なんだか悶え苦しむ叔父様です。
ジタバタしないのが不思議なくらい。
(クラリス、主任が言ってるの……。)
「叔父様、そこは水兵さんを連弩で強化してはいかがですか?」
「あ!なるほど。兵力は変わらないけど、元戎の量産を進めて、それを配備すれば!……んじゃその分の物資は……リブロ川を先に制圧しておくか。これで東側を勢力圏にしてっと。」
「はい。それで東海岸一帯を確保すれば、本土からの海運により供給量が増えるだけでなく、現地での生産も期待できます。」
「現地?……お前たち……アキシカ一帯に部隊を展開する権限をどうやって得るつもりだ?いや、そもそもこんな独立部隊など、正規軍の指揮系統に入るわけもない。その問題を後回しにしてここまでお遊びに付き合ったのだが……そろそろ聞かせてもらおうか。」
「……ここで、それ来る?」
ドキ。
実はそれが問題なのです。
学園の秘密に気づいてから、わたしにとって、男性ばかりの軍組織において、そこから外れる形の、女性ばかり、しかも独立部隊など、どういう形で成立するのかは深刻な疑問。
ですから、ガイゼルたちに学園の軍閥化、つまり軍施設の私物化を指摘される度に悩んではいたのです。
どおおん……どおおん……どおおん……どおおん……
「なに?」
その地響きのような音は、学園の北西から聞こえるのです。
何度も、何度も。
立ちあがり、屋上から見渡すわたしですけれど……カベ?
学園を囲むカベが!?
(クラリス!カベが、学園の西壁が壊されたの!)
(ん!破城槌!)
まさか!
ガイゼルに味方した兵たちが運んできた2基の破城槌。
まさか兵たちはあれを放置して逃げてしまった?
なんて士気の低い!
そして誰かが……ってコアードしかいませんけど……それを使って壁を壊した?
ならわたしたちのトリデは東西から挟み撃ち!?
いえ、それどころか、もともと少人数で西と北は頑強な壁に頼っていた防衛体制は!?
(完全に崩壊したって主任があわててるの!)
このレンの思念は、完全に悲鳴なんです!
「大佐、停戦中ではなかったのですか!?」
敵を信じてはいけなかったのです!
叔父様は、そしてわたしも甘すぎ……遊ばれただけなのです!
わたしが悔しさと、そしてトリデのみんなの安否に心をいっぱいにした瞬間です!
「ええい、控えい、控えい!皆の者、頭が高い!控えい!」
……なんて甲高い声が、屋上にまで響くのですが……聞きおぼえがあるのです。
「皆の者、控えなさい。レリューシア王女殿下のおなりで御座いますよ。」
…………は?
(ク、クラリス!壊れた壁の向こうからレリシア様が!)
(双子もいる。)
「エリザ、オルガ。ここにいる皆さんはわたくしの大恩ある教官方で大切な同級生たちですよ。そのような居丈高な振る舞いはおやめなさい。」
「「はは~っ」」
って、レリシア様に言われれば即座にこれが控える姿の見本とばかりはいつくばる双子の側近たちです。
とは言え、二人ともレリシア様の影武者がつとまるくらいそっくりなので、それはそれで奇妙な光景なのです。
そしてレリシア様に続いて突入してきたのは……
「皆様、ご無事ですか?」
「心配したんですぅ~」
「きっと大丈夫だよ。ボクはみんなを信じてる。」
「リト、ケガないんかい?クラリスはどこや?」
シャルノ、ミュシファ、ヒルデア、エミル!
他にもカリュナ、ルレーシャ、サーミャルの「がや」というか「もぶ」というか、あまり話してない人たちも!
(クラリス、それ、ひどいってレンは思うの!)
(ん。冗談にしてもダメ。)
(ごめんなさい!)
うれしくてつい悪ふざけしちゃい、義姉妹に叱られたわたしです。
(でも……なんでみんなが?)
と思いながらも、寮生でない、貴族や富裕階級のみんなが駆けつけてくれた!
こんな危機の中なのに、クラス22名が全員集まった!
それは……無条件にうれしいことなんです!




