第16章 その8 転入生は突然に 前篇
その8 転入生は突然に 前篇
予定通り三日間の停学を終え・・・と言ってもわたしの処分は同室のリトすら知らず、体調不良で押し通しましたけど・・・ようやく登校した日。
みんなからは心配がてら、いろいろ聞かれて困りました。
それでも、久しぶりのクラスは、やっぱり楽しいんです。
そんな朝のホームルームで、クラス担当教官のワグナス副主任が、いつものように教壇から穏やかな口調でお話しています。
「では転入生を・・・」
って、転入生!?
驚きです!
でも見回すと、みんな意外そうじゃないんです?
「昨日ワグナス教官から話しがあった。」
「クラリスは休んでたからわかんないよ、リト。」
リトとエミルが今さらのフォロー。
もっと早く教えて欲しかったんです。
欠席中の授業のノートは欠かさずとってくれたリトも、こういうところは無関心で。
わたしはため息を一つつき、そしてみんなと同じように教室の入り口に目を向けるのです。
そして、教室に入ってきた人物は・・・!?
以前は、その髪と同じ水色の制服を着ていたのです。
三日前も会ったばかりで。
その人が、赤い瞳を輝かせながら自己紹介をするのです。
「エリザーナ・デ・エリルフォーショヌンと申します。ガクエンサイでは互いに敵味方に別れ戦った身ではありますが、今この時からは学友として共に歩んでいきたいと思います。諸卿、いえ、みなさん、よろしくお願いします。」
教室の前でクラス全員からは歓迎の拍手を浴びるのは・・・エリザさんです。
レリューシア王女殿下の側近が、我がエスターセル女子魔法学園に転入?
いったいどういう事情があったんでしょうか?
それに・・・なんかちょっと・・・ねえ?
「エリザさん、王女殿下がよくお許しになられましたわね。」
「本当だよ、じゃなくて本当ですね。殿下とオルガさんはヘク女に残った、いえ、残られたんですよね。」
シャルノやヒルデアといった、旧知で上流階級の仲間たちがエリザさんを囲んでいます。
ヒルデアはついわたしたち相手と同じような言葉遣いをして、いちいち直してますけど。
「エリザさんって、王女殿下の側近ですよね。確か影武者も兼ねている。」
デニーのメガネが光ってます。
その過剰な好奇心を向ける対象を発見したのでしょう。
とてもうれしそうで生き生きしてます。
「へえ~あたい、どうりで似てるって思ってたよ。」
リルがうんうんうなずくたびに、その童顔と身長に不釣り合いな胸が揺れます。
さすが最年長者の貫禄なんです。
「・・・でも、ガクエンサイでうちをスパイして、ア・・・フェルノウル教官に捕まったの。」
レンは何か不審そうです。
ですが、そんな小首をかしげる姿は、同性ながらかわいくてしかたありません。
2班のみんなとエミルはなんとなくわたしの周りです。
わたしたち市民階級の身では、エリザさんに直接話しかけにくい、というのが実感です。
「クラリスでも?王女殿下ともめっちゃやり合ってたくせに?」
「やり合ったなんて、大袈裟です!」
ドン、と拳で机をたたいてエミルに抗議するわたしです。
初対面の席でちょっと「ガンつけ」、いえいえ、にらみあったくいらいで、その後は時々親しくお話させていただいています。
それでも、正直に言うなら、必要がある時ならまだしも、貴族階級の方と気軽に雑談したいというほど慣れているわけではないのです。
叔父様みたいな無礼失礼欠礼の権化とは違うんです。
「男爵令嬢とは普通にケンカしてるのに?」
「あれこそ別でしょう!」
わたしの拳で机がドゴォンと悲鳴を上げますが、知りません!
だって、あの人格が貴族の範疇に入るわけがないのですから!
なにしろ、顔は重装甲の鉄面皮で覆われ、口には毒舌の速射弓を仕込み、なによりその脳内は人の弱みを探り付け込む悪辣な回路でできているんです!!
まったく、あんな人、今どこでなにしていようと知ったことじゃないのです。
「きっとあちらさんも、おんなじようなことを思ってるわよ。」
エミルが言うと、リトが珍しく
「ぷぷ。」
ってかわいく吹きだすんです。
いえ、リトだけじゃなく、側にいたみんなが笑って。
なんだかとっても不愉快なんです!
「あら、みなさん、楽しそうですね。」
わたしたちの笑い声・・・いえ、わたしは笑ってませんけど・・・・を聞きつけ、エリザさんが近づいてきました。
後ろにはシャルノたちが控えています。
「どうも三日前は失礼いたしました。」
先日のことを思い出し、頭をさげたわたしです。
「ああ、王宮でのことですね。あの時はこちらこそ大人げない振るまいで・・不快に思ったのではないかと案じておりました。」
「え?ええ・・・そうですね。殿下のご機嫌が・・・」
なんだか朝からの違和感が去りません。
そんなわたしですが
「なになに、王宮ってどういうこと?」
リルに食いつかれてしまいました。
エリザさんにも物怖じしない振る舞いは、さすがの無邪気さです。
年上ですけど。
「・・・それに・・・三日前?クラリス体調不良でお休みだったんじゃあ?」
あ、レンまで。
こちらはオズオズと、でも核心をついてきます。
思わずわたしは口を押えたのですが、時、既に遅し。
「ふふふ。何か事情がおありですね、班長閣下ぁ?」
その時、デニーのメガネが虹を反射したかのように七色に光るのです・・・なんてあやしいメガネ。
「何か、隠してる?」
リトまでがジト目でわたしを見るんです。
どうしましょう?。
さすがにここで「ホントは停学で、謹慎中の叔父様と二人で気晴らしに王宮見学に」なんて言っては却って問題が深刻化するだけのような気がします。
みんなに不審な目でにらまれながら、困り切ってしまうわたしなんです。
その様子を見て、エリザさんは都合悪げにそそくさとこの場から離れたのです。
「あなたがた、クラスメイトとは言え、王女殿下の側近で、王家にも連なる名族エリルフォーショヌン公爵家のご令嬢相手に遠慮がなさ過ぎではありませんか?」
その後には、シャルノが少し険しい顔でにらんでます。
そんなシャルノに放たれた、これまた不機嫌そうな声はエミル!?
「珍しいね、シャルノが貴族風ふかすなんて。」
にらみあう二人です。
片やプラチナブロンドの髪をなびかせる伯爵令嬢、片や金髪碧眼に見事なプロポーション、外見だけならお嬢様。
我がクラスが誇る美少女二人の間には、なんと飛び交う火花が見える気がします。
「ダメよ、エミル。」
わたしは思わずたしなめてしまいました。
ですが、心情的にはエミルの味方なんです。
でもシャルノだって、王国屈指の名家の令嬢ですが、入学してしばらくすると市民階級のわたしたちにも気さくに話しかけてくれるようになりました。
夏休み以来事件続きの学園で、今ではわたしにとっても大切なお友達なんです。
身分の壁はずっと薄くなっていて。
そんなシャルノたちだったのに、いざ、自分よりも同格以上の階級の方が来ると、そちらの肩をもつのでしょうか?
わたしたちだって、べつにエリザさんに無礼を働いたわけでもないし・・・。
でも、シャルノにエミル。
いつもは仲良しの二人も今はかなり険悪。
加えて、この場の2班のみんなは市民とかだし、シャルノとヒルデアがなんだか貴族階級代表みたいな感じで、これではせっかく今まで仲良くやってきたクラスがギクシャクしそう。
これではいけないんです。
わたしは、そう結論付けると立ち上がって、二人の間に入ります。
「聞いて、シャルノ。エミルもわたしたちも、エリザさんと仲良くしたいって思ってます。今はちょっとわたしの一件で話がそれたから、エリザさんが席を外しただけで、無礼を働いたとか遠慮なさ過ぎとかじゃないんです。」
しばらく漂う緊張感。
ですが・・・
「うんうん。クラリスの言う通りだよ、だから、誤解されないようにあたいらもエリエルと仲良くしようよ。」
知る人ぞ知るクラス最年長者のリルが飛び跳ねる勢いでそう言うと、その都度立派なムネが揺れて、一同複雑な気持ちにさせられるのです。
「思わず見入っちゃたけど・・・エリエルって・・・」
「ええ、まさかとは思いますけれど・・・」
その甲斐あってか(?)、エミルとシャルノもさっきまでのイヤな雰囲気を忘れてます。
「そうそう。エリザ・・・エルなんとかでしょ?だから愛称エリエル!」
胸をそらして大いばりのリルです。
「そのリクツでは、弟さんはオルエルですか?」
デニー、そこは突っ込むところが違う気がします。
「普通に、エリザっちでいいんじゃないの?」
エミル、なんでも「っち」をつけたがるのは普通じゃありません。
「・・・エリちゃんじゃだめ?」
レン・・・そうですね。
良いんじゃないでしょうか?
ですが、そもそもエリザというのがエリザーナの愛称なのに、更に愛称をつけるのは大きく方向性が違う気がします。
そこにど真ん中のストレート!
「要は、そう呼べるくらい仲良くなるってこと?」
さすがリトです。
見失い始めていた方向性をうまくまとめてくれました。
「そうそう、あたいが言いたいのはそういうこと。」
つまり、それは互いの距離を縮める努力!
「ヒルデア、シャルノ!クラス委員のあなた方にお願いします!」
わたしの依頼を即座に、察してくれる二人です。
「わかったよ、これはボクたちで企画してみせる!任せてくれ!」
「ええ、ですが、みなさんの協力が不可欠ですわよ。」
これが、わたしたちエスターセル女子魔法学園第一期生による初の企画・・・「転入生歓迎会」の始まりなんです。
「・・・で、なんでわたしが歓迎会実行委員長なんですか!」
お昼休み。
いつもの・・・わたしにとっては少し久しぶりの・・・東屋です。
さすがに冬の中庭は、少し冷え冷えしています。
それでもトマトハンバーグセットというなんとなく豪華なランチの後、暖かい緑葉茶をいただきながらの語らいの時間、のはずだったのですが。
「だいたいシャルノもヒルデアも、クラス委員のくせに大事な場面では人に任せ過ぎではありませんか!」
ガクエンサイの時だって、企画運営委員長とか戦隊長とか押し付けて、また今度も!
「まぁまぁ、クラリス落ち着いて。」
「ん。デニーの言う通り。」
デニーやリトになだめられ、いったん座りますけど。
ちなみにエリザさんはヒルデアたちがお相手してます。
全員同じ食堂で同じ物を食べるという軍学校ならではの景色に、いたく感銘しているのが遠目にもわかります。
王女殿下と別行動な時は普通の少女に見えちゃいます。
ま、一緒の時でも、王女殿下に無礼なことをしなければ穏やかだった気もします。
いつも怖い顔をして高飛車な双子の弟オルガさんとは違うんです。
「クラリス、聞いてください。」
気を取り直したシャルノが真面目な顔で言い出します。
もともとクラス一とも言われる美少女で高貴なシャルノに至近距離で見つめられると、わたしだってその迫力に怯んでしまうんです。
「先ほどエミルに指摘されて、気づいたのです。わたくし少しカン違いしておりました。確かに転入生であるエリザさんを気遣うのは大切ですが、わたくしたちはそれ以上に過敏になっておりました。」
シャルノが言うには、貴族界の中でも王族と血縁の強いエリルフォーショヌン公爵家につい気がねし過ぎていて、そしていつものクラスの雰囲気のままでは、市民であるわたしたちが失礼を働かないか気になっていた、とのことでした。
「ですが、どんな事情かは知りませんが、エリザさんが来たここは、軍の管理する魔法学校です。身分を気にしては生死を共にする信頼関係が築けないこともあります。なにより、我がクラスはみなさん、市民の仲間がいてこそなんです!」
言われてわたしも気づきます。
エリザさんの転入で過敏になっていたのは、わたしたちも同じだったんです。
何しろ転入生なんて、初めてですから。
「そしてクラリス!あなたは貴族や市民の身分を超えて、みんなに最も信頼されている人です。だから、わたくしたちのクラスをまとめてくれる役目には、あなたが一番なのです!」
プラチナブロンドの髪をなびかせたホンキのシャルノに迫られてしまうと、否とは言いがたいのです。
「そうそう、クラリスはあたいらの自慢の仲間だよ。」
「・・・レンもそう思うの。」
「ん。」
・・・みんなにもそう言われて・・・結局引き受けるしかないんですけど。
「でも・・・この歓迎会って?お茶とか場所とかの手配は?今日の放課後でしょ?」
今日だって、もうお昼休みで、五時間目終了後すぐに歓迎会?
いろいろ急すぎるんです。
「それは・・・あなたを、いえ、あの方を見込んで!」
そういう事ですか!?
シャルノたちが見込んだのはわたしではないんです!
信頼されているとかなんとかさんざんおだてておいて、まったく!
思わずムスってなっちゃう未熟なわたしです。
心が狭い?
その通りです!
「へぇ~転入生の歓迎会?・・・で、なんで僕に?」
五回のノックの後、メルに招かれた教官室です。
リルとレンはすっかり元通りになったメルの姿を見て、駆け寄っています。
「メルメル~よかったぁ~。」
「・・・メルちゃん助手、あの時はみんなを助けてくれてありがとう。」
それを微笑ましそうに眺める叔父様です。
メルが救ったのは99%叔父様ですが、おまけの1%でみんな助かったのは事実ですし。
わたしも二人がメルを・・・メルの獣人化を知りなお彼女を受け入れる様子を見てほっとしています。
リトとデニーはさすがに二人ほどには無警戒ではないようですが、それでも元通りのメイド服姿のメルを確認して表情が緩んだようです。
「・・・叔父様。ことは緊急を要するのです。」
今から準備して、会場や食材を用意する。
貴族の邸宅ならば可能でしょうが、それではクラス全員が開催、参加するとは言い難いのです。
ならば場所は教室、そして・・・
「要するに僕にお茶とお菓子を提供しろってことなのかい?・・・キミたち、学園祭の打ち上げで味を占めたんだね。」
巨人災禍の「祝勝会」。
ガクエンサイ本番の「口止めパーティー」。
シャルノやヒルデアがあれを念頭に置いて、今日の「転入歓迎会」を企画したのは間違いありません。
「ヤレヤレだよ。僕はこう見えてけっこう忙しいんだけどなぁ。」
「そうなのです。ご主人様はメルとこれから仲良くイチャイチする予定だったのです。」
例え明日この世界が異世界に飲み込まれようと、だれがそんな予定を認めるものですか!
しかも忙しい?
このひきこもりがどの口で・・・と、言いたいのですが、確かに叔父様は最近謹慎が解かれ、仕事復帰したばかり。
しかもその初日で王宮に大公殿下を訪問したり、昨日は再生医療院で右腕を再生したりとそれなりに忙しかったんです。
「でも・・・まぁ、かわいいクラリスの頼みだし。僕の右腕のリハビリにはちょうどいいかな。」
そう話しながら、「再生」されたばかり右腕を肘から振り回す叔父様です。
そこに、つと寄り添って甘えるメル。
「ご主人様・・・今度こそご無理は禁物なのです。」
うるんだ瞳で叔父様を見上げて犬の耳をプルプル・・・これは新しい技です、この犬娘。
「そもそも前回お試しになった『部分再生』は、中級術式では難し過ぎたのです。最初から再生医療院で上級術式『四肢再生』をかけていただければ・・・。」
ピク、です。
「・・・今、聞き捨てならない話が聞こえましたけれど。」
わたしの声にぎくっとするのは叔父様で、メルはわからないのかとぼけているのかキョトンの仕草です。
「メル、その『部分再生』って聞きなれない術式ですね。もしかして叔父様がおつくりになったの?」
メルは満面の笑顔で誇らしげに答えます。
「はい!ご主人様はかねてより人族の肉体を再生する医療術式が他の系列よりも高位になってしまうことを憂いておられました。そこで・・・モガモガ?」
遅いです叔父様。
あなたがメルの口を押える前に、もう言質はとれたのです!
「そこで、叔父様は自らの右腕の再生の為に新しい術式を開発して実験するために、メルに唱えさせた・・・そういうことですね、叔父様、メル。」
「すごいです!クラリスの推理は!」
デニーの賛辞は大袈裟です。
これくらいだれでもわかること。
まして子どもの頃からこの人の『実験』とやらに立ち会ったわたしなんです。
どうやらその中級術式による「再生」は未だ不完全で、魔力を常時消費してその肉体を維持するため、先日のように多大な魔力消費を行うと効果がなくなってしまうらしいのです。
「まったく・・・叔父様は人騒がせです。ご自分の右腕で実験なんてなさらないでください。」
「だって、自分で実験するのが一番その記録が正確じゃないか!」
なんて言い草でしょう!
「叔父様は実験のためなら、ご自分がどうなってもいいんですか!!」
慣れてるつもりのわたしでも、さすがにもう大声を出してしまうんです。
「ゴメン・・・でもね、人の腕で実験するよりは、いいかなってね。」
わたしの様子を見て、ようやくすまなそうに、でもそんな言い訳をする叔父様です。
この人はホントに自分のことを軽く見過ぎなんです。
まるでご自身のことには無頓着。
「・・・あのね、教官殿。」
くいっ、くいっ。
レンが珍しく叔父様の教官マントを引っ張ってます。
アントに対しては物怖じしなかった彼女も、元の叔父様に戻られてからは遠慮がちでした。
ホントはいつも話したそうで・・・。
「レンだって、突然教官殿が刺されたり、右腕が消えたりして、すごくドッキリしたの。きっとクラリスなんか、もっと大変。人のことを考えて自分で実験するのはわかるけど、もっとクラリスの気持ちを考えてあげて。」
わたしたちの中でもひときわ小柄なレンですが、叔父様はそのレンよりも身を縮めて見えます。
しかも
「ゴメンよぉ、レンさん・・・」
って・・・なんだか、16歳のアントにもどったみたい。
そう言えば、レン「さん」なんです。
みんなには、「くん」なのに。
記憶は忘れても、あの時の感情は残ったまま。
ミライの洞窟であった出来事は、わたしとレンだけのヒミツです。
わたしたちが叔父様を説得している間、シャルノがエリザさんを招待し、ヒルデアがワグナス教官に教室を借りる交渉をしていました。
お昼休みが終わるころ、わたし、シャルノ、ヒルデアは集まってそれぞれの首尾を確認します。
「エリザさんは参加くださるということですわ。」
髪をなびかせて微笑むシャルノ。
「ワグナス教官殿の教室使用許可はバッチリだよ。」
ヒルデアは騎士団のハンドサインで親指をたてます。
「叔父様はご協力を約束してくださいました。お茶とお菓子は大丈夫です。」
二人に比べればごく普通のわたしですけど、これで準備は万端。
「いいですか、ヒルデアにはクラス委員長として初めにあいさつをお願いします。シャルノはエリザさんをご案内してください。会場の飾りはリルたちにお願いしています。他に何か用意するものは・・・あ、式の中ではみんなあらためて自己紹介してもらうことにしましょう・・・他に何か思いついたことは?」
わたしたちは短い時間で考えを出し合い、そのまま5時間目の授業に向かうのです。