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理を統べる転生者~獣耳少女(嫁)を守ります~  作者: ナギ@にわか
白猫姫とおかしなご主人様
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2話『盗賊に慈悲は無い』

初めてのまとも(?)な戦闘描写です。

頑張りましたので、暖かい目で見ていただけるとありがたいですね。

まず、盗賊のボス以外の4人も神眼で鑑定してみた。

が、どうやらそこまで強くないようでボスの半分程度のステータスしかない。


次に、武器の確認だ。

ボスは斧、他の4人は剣、弓、槍、短剣、と魔法が使えるものは居ない代わりにバランスを良くしたのだと思われる。

いや、俺がリーチで判断してるだけだから違うかもしれないが。


それとステータスでは勝っているが、数で押されたらどうなるか分からない。

そこで俺は、先程シエラから通貨の価値を教えてもらう途中で聞いた事を思い出す。



「なあ、スキルポイントってあったんだがこれが何だか教えてくれないか?」


『いいよー。まずね、メニューの所に体のアイコンがあるでしょ?それを開いてみて。』


すぐに開く。

すると、何かの一覧がでてきたが……これは、


「取得可能スキル一覧って書いてあるけど…皆こんな事できるのか?」


『まさか。本来のスキル取得は生まれ持った才能、つまり先天的にあるものか、訓練を続けることによって後天的に得ることが出来る物の2つだね。』


「じゃあ、これは俺だけって事か?」


『そうだね、渚紗君だけのチートだ。いくら渚紗君の才能を底上げしても17歳からのスタートじゃ不意打ちで死んでしまうかもしれない。そうならないために、渚紗君にはスキルポイントで簡単にスキル取得が出来るようにしておいたのさ。』


「お、おお、そうか、それは分かったよ。じゃあさ、何で最初から500ポイントもあるんだ?」


スキル取得に必要なポイントは高いもので10、低いもので1だ。

どう考えても初期から500もあるのはシエラが犯人で間違いない。

だから、何でこうなったのかと聞いてみたのだが。


『えっと、それはね……その、喜んでくれるかなぁって……』


問い詰めてみたら、可愛い回答が来た。

そう言われては、文句は言えない。

そもそも、これは現実なのだから強くなれる分には問題ないだろう。

え?チョロいって?仕方ないだろ、彼女なんていなかったしな。


「いや、まあ、助かったよ……」


『そ、そう?……えへへっ』



こんな感じでスキルについては終わったのだが、初の対人戦の上に複数と来た。

流石にこのままでは不安なので今必要なスキルを一覧からいくつか取得していく。


まず、近接戦闘のために剣術のLvを6まで上げる。

これにかかったSPは6pだ。

Lv5までは1で、Lv6からは2pかかるらしい。

次に魔力操作をLv1だけとる。

弓対策に魔法を使うのは重要だからだ。

とりあえず火魔法、闇魔法、風魔法を6p使いLv2まで取る。

これらは剣術と同じく1pで取れた。

最後に怪我をした時の為に25pで回復魔法Lv7まで取っておく。

これは少し多めでLv5までは3ポイント、Lv6からは5ポイント必要だった。


残りSP

530→493


さて、これで準備は整った。

まずは、魔法を試してみようか。

スキル取得により流れ込んできた知識から魔力の操作方法と風魔法の使い方を引き出す。


「ウィンドカッター!」


「ああ?んなもん効くわけ……な!?ぐはっ…」


Lv1で使える初級魔法で牽制してみるつもりが短剣の奴を倒してしまった。

思い出してみて欲しい、そう、俺のINTは6000という盗賊のボスと比べると異常と言ってもいい数値なのだ。

この魔法は本来浅く風に切りつけられる程度の魔法で、防具があれば効かないはずなのだがステータスにより速度も威力も段違いになってしまった。


「こいつ、剣を持ってるが魔法使いか……これ以上魔法を使わせるな、かかれ!」


ボスがそう言うとこちらに突っ込んできた。

純粋な魔法使い相手なら正しい戦い方なのかもしれないが、むしろ俺はスピードファイターと言うべきステータスだ。

俺は、剣術スキルが教えてくれる知識に従って突きの構えをとる。

前傾姿勢になり敵を貫くべく、足を踏み出す。


『スキル【縮地】を取得しました』


手に入れたスキルを早速使って、弓使いを剣で突き刺す。

瞬間移動みたいで楽しいな。

相手には俺が突然目の前に現れたように見えたのだろう。


「は?……ゴバッ」


何が起きたか分からないという顔をしながら血を吐き出す男。

俺が剣を引き抜くと男は倒れる。


「おらぁ!」


日本にいる時にやられたら怯んでしまうであろう声と共に後ろから槍が貫かんと迫ってくる。

どうやら俺が弓使いを刺した直後に動いていたようだ。

だが、甘い。

俺には気配察知があるため不意打ちを食らわせるにはスキルの範囲外からの攻撃でなければいけない。

だが、唯一の遠距離攻撃の手段である弓使いは既に居ない。


「セァ!」


俺は抜いたばかりの剣を右回りに振り抜き槍の矛先を弾く。

そして、槍が弾かれ体制を崩している間に攻撃を加えるべく剣を握っていない左の手のひらを向ける。

使うのは先ほどと同じくウィンドカッター。

本来詠唱がいるのだが、スキル取得によって知識を得ている俺は無詠唱で魔法を放つ事が簡単に出来る。


ビュンッ!ズバッ!


と、音をたてながら首が飛ぶ。

血がかからないように縮地で下がりながら残りの2人を見る。


「なんだそりゃぁ……」

「ひっ……」


ボスの方はかなり驚いているが戦意は失っていない。

それに対して剣使いは化け物を見るような目を俺に向けながら自暴自棄になったように突っ込んでくる。


「うぁぁぁあ!」


攻撃が俺に届くのを待つことなく、縮地で横を通り抜ける瞬間に腹の辺りを切って両断する。


「ふう、あと一人だな。」


思っていたよりも精神的に疲れたのでため息をつき、そう独りごちる。

と、そこで。


「おいお前、一体何者なんだ!」


「何者と言われても……」


そんなことを言われても……星乃渚紗です!と言ってやりたいが聞きたいのはそういうことじゃないだろう。

なんと言えばいいのか悩んでいると……


「そうか、話す気は無いと言うことか。良いだろう、お前を殺して生き残る!」


黙っていたせいで勘違いされてしまったらしい。

だが、元より戦うつもりなので問題は無い。

とはいえ、普通に戦うと怪我をしてしまいそうなので、闇魔法さんの登場だ。

Lv1にあるダークボールという魔法だが、これは目隠しの効果くらいしかない。

普通の魔法使いでは相当魔力操作に長けていなければ目に当てるなどという芸当は不可能だろう。

もちろん俺にもそんなことは出来ないので、有り余ったMPを注ぎ込むことで奴の全身を覆えるサイズにする。


「な、なんだ!?何も見えないぞ!」


暗闇に囚われたやつは斧をメチャクチャに振り回すが、俺には当たらない。

だが、これでは俺も近づけないので火魔法を使うことにする。

Lv2で使えるファイアーウォールという魔法だが、これはその名の通り炎の壁を作り出す。

俺は、それで奴を囲んでいく。


「あつい!!あついいぃぃ!助けてくれぇぇ!!」


奴の叫び声は数分間続くだろう。

だがしばらく経つと痛みで斧を取り落としたようなので、無防備になった体にウィンドカッターを放つ。

当然真っ二つだ。

あ、ファイアーウォールに当たって血が蒸発した。

え?正々堂々戦えって?俺はお人好しじゃないんだ、複数で襲ってくる様な奴らに慈悲は無い。


『スキル【精神耐性】がLv4に上がりました。』

『スキル【火魔法】がLv3に上がりました。』

『スキル【風魔法】がLv3になりました。』

『スキル【魔力操作】がLv3に上がりました。』

『スキル【神眼】がLv2に上がりました。』

『スキル【縮地】がLv2に上がりました。』

『スキル【身体操作】がLv2に上がりました。』


連続して聞こえてくる声に、先程までの緊迫した空気が霧散していったように感じた。

この声は俺にしか聞こえていないはずなので、そんな訳はないのだが。

そして、気が緩むと同時に膝をつく。


「だ、大丈夫か!?」


先程の護衛の人がそう言って近づいてくるが、別にどこか怪我をした訳じゃない。

ボスの助けを求める声をひたすら無視して魔法をかけ続けなければいけなかったため、精神的に疲れただけだ。

日本人としての常識が染み付いているせいで、割り切っているつもりでもまだ駄目みたいだ。

ふと、敬語で話すべきか迷ったが、先程の戦闘を見られた後で丁寧な態度をとっても意味は無いだろうと判断する。


「いや、大丈夫だ。むしろあんたの方が怪我をしているだろう?」


そう、目の前の男は腕と脇腹から血を流している。


「俺が治そうか?」


「回復魔法まで使えるのか?さっきの魔法といい、凄いんだな。出来れば頼みたいが、そんなに金は無いぞ?」


「いや、代金はあんたを()()()()に貰うさ。」


そう言いつつ、初めての回復魔法を使う。

Lv4で使えるようになるミドルヒールという魔法で傷を治す。

すぐに治っていくのだがビデオの巻き戻しを見ているようで気持ち悪い。


「よし、治ったぞ。でも、流れた血までは戻らないから気を付けろよ。」


「あ、ああ。ありがとう、助かったよ。だが、さっきのは一体どういう……」


護衛の男がその疑問を口にしようとしたその時、馬車の中から小太りの男が降りてくる。


「いやぁ、ありがとうございます。本当に助かりました!もう助からないと思っていたのですが、まだ、神は私を見放してはいなかったようですな!」


と、小太りの男は心底ホッとした様子でそう言う。


「あ、申し遅れました。私は、奴隷商を営んでいるレドガーと申します。」


そう言いながら、手を差し出してくるレドガー。日本だと考えられない自己紹介に、どう名乗るべきか迷ったが、


「俺は、ナギサだ。よろしく頼む、色々な。」


そう答えることにした。

俺の言葉を聞いて、ルドガーはニッコリと笑う。

意図が伝わったのだろう。


俺は、盗賊から助けた代わりに奴隷を出来るだけ安く買わせてくれ。

あと、他にも融通してくれよ?

という感じのつもりだったのだが……


「ナギサ様には助けて頂いたお礼として、私が街で取り扱っている奴隷からお好きなものをお選び下さい。それと、見たところ徒歩のご様子ですので、是非乗って行きませんか?」


「あ、ああ。今は行き先を決めて移動しているわけじゃないから、ありがたく申し出を受けさせてもらおう。」


予想以上の高待遇にたじろいでしまう俺。

まあ、馬車に乗れるというのは向こうにとっても護衛が増えて好都合なのだろう。

中々上手くいっていることに頬が緩みそうになるのを抑える。

そう、むしろここからが大変なんだからなっ。


『スキル【ポーカーフェイス】を取得しました。』


……え?今来るのか?


「……はぁ、締まんねぇなぁ。」


どうだったでしょうか?

さすがに、初めてで上手くできてるとは思いませんが伝わりはしたでしょうか?

次はスキルの特性の理解なんかを深めていきます。

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