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(プリーズデリート.)  作者: 音羽[HAITA Press.]
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The Skeleton speak



 呼びかける声の背後では、聴いたことがないサイケな音楽が結構な音量でかかっている。


レイのあだ名を知っているし、コンポか何かを勝手に操作しているほど部屋に関しても馴れているといった様子だし、

少なくとも骸骨男は泥棒ではないらしい。


「――んじゃ俺、帰った方が良いね。」


無言のレイに気まずさを感じた俺は、退散すべきだろうと声をかけた。

旧知の仲間と、出会って少ししか経ってないトモダチと、鉢合わせさせたくない気持ちは俺にも痛いほどよくわかる。


 呼び出された目的は達成されたわけだし、骸骨男とレイと俺とでこれから仲良くホームパーティってノリにはなりそうにもない。


服の事は後で考えるとして、借りたタオルを腕の上で畳み差し出す。

「ほら、これ。」するとレイが勢いよく振り向きながら、凄い形相で睨みあげてきた。


「やだから。」


「え?なに?」


俺は静かな声を逃してしまわないよう、屈んで聞き返す。


「あいつ、変態なんだもん。」

「…えぇ!?」


俺は寸前で踏みとどまり、本来よりもボリュームを大幅に下げた小声で叫んだ。


「ヘ、ンタイなのあいつ?」


今、数歩先で、レイの部屋で、恐らくノンビリ音楽聞いて、寛いでいる男が、まさかの変態?


どのレベル?女子高の運動会で盗撮する様な奴か、はたまた熟女の仕事着をベランダから盗むような奴。


変態にもそれぞれランクがあってだな、それによっては通報でしょうが、と冷や汗を流す俺に


レイは眉を顰めて耳打ちする。


「ちゃんと追い出すから、ここにいてよ。」


「何言ってんの、追い出すとか。」


俺は部屋へ上がろうとするレイの腕を即座に掴んで止める。

タオルが滑って、床に落ちた。


「変態でも、顔見知りなんでしょ。

あっちも何か用があって来たんだろうし、あんまり物騒なことは。」


「ちがうよ。」


変態に対して穏便に済ませたい俺に、レイは俯いてモゴモゴ言った。


「……ドア開けたら勝手に入ってきたんだもん、勝手に来てここで揉めてたから、

ピクシーが逃げたんだもん。」


「それって、」



――背筋が凍る思いがした。


それって、ストーカーとか付き纏いと世間で言われているヤバい奴じゃん。

その上、住居に上がりこんでるとか、ド変態というかやっぱり完全な犯罪者でしょうが。


言おうとして口を開きかけた途端、骸骨男がそれを否定した。


「そんな言い方無いっしょ?」


俺は肩を聳やかして驚く。

無音で目の前に近づいてきていたことに全く気が付かなかった。


「まるで俺がネコ逃がしたみたいじゃん。

カレシの前だからって、ユーレーちゃんひどくね?」


男はニヤニヤした笑みを湛え、背後からレイの項を手の甲で撫でる。



レイは無表情、無言のまま立ち竦んでいた。

助けが要るのなら、いつでも警察に電話出来るし、さっき“追い出したい”って言ってたよな?

俺は眼でそう合図したつもりだったが伝わっているかどうかわからない。


「ああ、カレシじゃないんだっけ。」


男はワザとらしく眉をあげて言い、突っ立ってる俺の全身をジロジロ見詰める。


「バンドのメンツ……っぽいね?


トモダチとか言ってっけどさー

アンタもどーせ、ヤリに来たんっしょ。」




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