べんとうは昼休みに
「一緒に食べよ!」
昼休み、つぐみが弁当を持って蛍に話しかける。
「いいけど、いつも一緒に食べてるよね?」
「それは気にしないで。」
「了解。」
二人はいつも通り向かい合うように座り、弁当を広げる。
「「いただきます」」
二人の声が重なる。
「蛍くん、あーん。」
つぐみはそう言って箸で持った卵焼きを蛍の口に持っていく。
展開を予想していた蛍は戸惑うこともなくそれを食べる。
「ん、おいしい。つぐみが作ったの?」
「そだよ!よくわかったね!」
「ふわっとした味がしたから。」
「あ!それ私の愛かも!」
「かもね。もらってばかりじゃ悪いから僕のも食べる?」
「食べる!」
蛍は卵焼きをつぐみに食べさせる。
「お、おいしい!!」
「そんなに?」
「頬が落ちるかと思ったよ!蛍くんが作ったの?」
「うん。」
「凄い!蛍くんのお嫁さんはこんなに美味しいものが食べられるなんて幸せだね!!」
「え?僕はつぐみと別れるつもりはないから、つぐみさえよければお嫁さんはつぐみが……って真っ赤になってどうしたの?」
「そ、それ天然で言ってるでしょ!」
「え?天然?どういうこと?」
「っ!もういいよっ///」
つぐみが真っ赤になった理由がわからず、蛍は首をかしげた。
愛かもねってつぐみの発言を完全にスルーする蛍くん。無自覚でつぐみにプロポーズ(?)をしてますよね。
無自覚って恐ろしいと思います。
というか、これ昼休みだってこと、二人とも忘れてますよね………