すきは告白以外にも
「ねえ蛍くん、大好きだよ。」
昼休みの教室、つぐみはそんな爆弾を投下した。
案の定教室内が静寂に包まれる。
「きゅ、急にどうしたの?」
「告白の時以外に好きとか言ってなかったなーって思って。」
「……もうヤダ……」
この先の流れを悟った蛍はバタンと机に突っ伏す。
「え?ど、どうしたの!?」
「いや、この先の展開が読めただけ。」
「?」
つぐみは蛍の言ったことがわからず、首をかしげる。
「まあいいや。それより、蛍くんは彼女に何か言うことがないのかい?」
「…やっぱりこうなったか。」
蛍はふと一つ妙案を思いつく。
「つぐみ、もう少しこっち来て。」
「いいよー。」
「ちょっとそこに立ってて。」
「? わかった。」
つぐみは蛍が何をするつもりなのか分からずに首をかしげるが、言われた通りにする。
蛍は急に立ち上がってつぐみを抱きしめる。
「ふえっ!?」
「…僕も大好きだよ。」
蛍は耳元でそう囁くと何事もなかったかのように座る。
「ふ、ふわぁ……」
つぐみは力が入らなくなったのか、蛍に体重を預けるように倒れ込む。
その顔はかつてないほどに真っ赤になっている。
「きゅ、急には反則っ!」
「ふふっ、悪戯成功!」
そう言う蛍を、つぐみは頬を膨らませながら見た。
これを書くたびに画面に向かってふかーーいため息をつく感じです。
はぁーーーーーーーーーー。
ちなみに蛍くんは自分から仕掛ける時は恥らいがなくなるタイプです。
ただやっぱりみんなの前でするのは恥ずかしいご様子。