番外編 彼氏を連れて来ました
20年以上後の話になります
「彼氏連れてきたの」
「……え?」
蛍は大学生の娘、翠のそんな言葉にギターを弾く手を止める。
「彼氏!?どんな人?」
「つ、つぐみ?どうしてそんな興味津々なの?」
「だって、可愛い娘がやっと彼氏連れてきたんだよ?」
「そうかもしれないけど!」
「お父さんお母さん、廊下に待たせてるから来てもらっていい?」
「いいよ〜」
「え?もう来てるの!?僕なんの準備も……」
蛍は慌ててそう言うが、時すでに遅し。
翠が青年を連れてリビングに入って来た。
「は、初めまして。み、翠さんとお付き合いさせていただいている、深星雪翔です。」
緊張した様子の雪翔だが、彼を見た蛍は固まっていた。
「深星って……もしかして、君のお父さんって『星空深夜』?」
「え……そ、そうですけど、父の知り合いですか?」
「あー、実は僕『六分蛍』って名前で活動してて、深夜君のライブでギター弾いたりしてるんだよ。」
娘の彼氏が、仕事仲間の息子だったことを知った蛍の心境は複雑である。
「おー、世間は狭いね〜」
「そうだね。狭すぎて驚くよ……」
蛍はそう言うと一人廊下に出て、『星空深夜』と話すために電話をかけるのであった。
すごく雑な話でしたが、そういうものだと思ってください……




