おばけやしきは想像通りの……
「今日はちゃんと寝れた?」
「寝たよ。流石に同じ轍は踏まないしね。」
人の多い遊園地、二人は手をつなぎながら中を歩いていた。
「ねえ、まずはあそこ行こうよ。」
「……お化け屋敷苦手じゃなかった?」
「苦手だよ。でも、蛍くんがいるから大丈夫かなぁって。」
「つぐみがいいなら僕は良いけど。」
そんなこんなでお化け屋敷に入ったつぐみと蛍だったが……
「グアアアアア!」
「きゃあ!ほ、ほ、ほ、蛍くん!」
「つぐみ、僕はここにいるからね。怯えすぎだし、そんなくっつかれると歩けないから。」
「バア!!」
「きゃああああ!」
「おっと。なんで倒れそうになってるの?」
「アアアアアア!!」
「きゃあ!」
「ちょ!つぐみ!立って!座り込まないで!!」
「もう無理だよ……腰抜けちゃったし……」
「はぁ。仕方ないな。」
蛍はそう言うと、つぐみを何とかして背負い、そのままお化け屋敷を抜ける。
「大丈夫?」
「そんなわけないじゃん!!怖かったよ!!」
「そんな泣かないでよ。せっかくかわいいんだから。もっと笑ってくれないと。」
その後、蛍の努力の甲斐あってつぐみは何とか一時間ほどで落ち着いた。
そろそろこの作品のネタが切れてきたので、あと二話でひとまず完結にする予定です。




