べんきょうは大変
「蛍くん、勉強教えて~。」
放課後の教室。
今日からテスト週間だからか、少し殺気立っているようにも感じる。
「ん?いいよ。何の教科やる?」
「全部。」
「いつも通りだね。じゃあ、そこ座って。」
そう言いながら蛍は、最前センターという学生の大半にとっては最も回避したい席を指差す。
つぐみはその席に大人しく座ると、ノートと教科書を開く。
「蛍先生!準備出来ました!」
「先生じゃないから。じゃあ、まずは数学から始めるよ。このテスト範囲で使う公式は……」
そう言いながら蛍は黒板に白いチョークで公式を書く。
「で、この公式は前に習ったこれと繋がってるから……」
そう言いながら、蛍は黒板に白チョークを滑らせる。
その様子はまさに授業と呼べるもので、いつの間にかその生徒の数は増えていた。
「……以上がこのテスト範囲の公式かな。って、なんでこんなに増えてるの?」
「「「「「六分儀先生の授業が分かりやすいから」」」」」
そう声を揃えてクラスメイトは言う。
それを聞いたつぐみは、頬を膨らませながら立ち上がり、黒板の前まで歩いていくと蛍の腕に抱き着く。
「蛍くんは私のものだからね!」
「……嫉妬?」
苦笑いでそう訊く蛍に、つぐみは大きく頷いた。
やること+やりたいこと+睡眠時間>24時間
なので、今週の更新はもしかしたら予告なしに休むかもしれません。




