あこがれは大変(後編)
「私はあれからお姫様抱っこの方法を考えた。」
放課後、つぐみは蛍のベッドに腰かけながら真面目そうに言った。
「思いついた?」
「うん!私がこうベッドに寝て、それを蛍くんが持ち上げればいいんだよ!」
「なるほど!ベッドの上なら落としてもダメージがないね!」
「落とすの前提で話さないで!」
「たぶん落とすし……」
「じゃあ落としてもいいからやってみてよ!」
そう言い、つぐみはベットに横になる。
蛍は覚悟を決めると、背中と膝の下に手を入れて持ち上げる。
「うわっ!意外と怖い!」
つぐみがとっさに蛍の首に腕を回したので、二人の体が密着する。
「あれ?想定よりも軽い。これ、持ち上げるのが一番キツイかも。」
「蛍くんの想定してた私の体重は?」
「55くらい?」
「そんなにないよ!私身長150くらいだからね?」
「50くらい?」
「もっと軽いよ!詳しくは言わないけど!」
「ふーん。それより腕がプルプルしてきたから降ろしていい?」
「えー。したいことがあるからそれが終わってからね。」
つぐみはそう言うと、蛍の唇に自分の唇を重ねる。
驚いた蛍はつぐみを危うく落としかけるが、気合で耐えた。
「不意打ち成功!」
つぐみはそう言うと最高の笑顔を見せた。
つぐみは、もやしっ子の蛍でもお姫様抱っこできるくらい軽いです。
そして、蛍くんが言うには「世界一かわいい」らしいですよ。




