かみなりは怖いもの
「きゃあ!」
外で鳴った雷につぐみは悲鳴を上げる。
「つぐみ……今日、家の人いないの?」
「そうだよ……だから蛍くんの家に来て……きゃあ!」
雷の音が聞こえた瞬間、つぐみは蛍に抱き着く。
「うぐっ……つぐみ、その勢いは死ぬ……」
「ご、ごめん……きゃあ!」
「……もうそのままでいいよ。」
重い一撃を受けるより抱き着かれる方がいいと判断した蛍は、つぐみにそう言う。
「うん。そうする。」
「それはいいけどこの雷、明日の午前三時くらいまで続らしいよ。」
「え………蛍くん、お願いがあるんだけど。」
「嫌だ。」
「えっ!まだ何も言ってな……きゃ!」
蛍は腕の力を一瞬強めたつぐみの頭を落ち着いてという意味も込めて撫でる。
「うぅ……蛍くん、泊めて?今日蛍くんも一人でしょ?」
「客間ならあるけど。」
「ダメ!蛍くんと一緒じゃないと寝れない!」
蛍は予想通りの展開にため息をつく。
「じゃあ僕は床で寝るね。」
「お願いします一緒に寝てください!」
これ何言ってもダメなやつだと悟った蛍は、もう諦めることにした。
「はぁ……いいよ。」
「ありがとう!」
つぐみは蛍の返答に飛び上がるほど喜ぶ。
ちなみに、その日の夜は二人とも恥ずかしさと緊張感で寝れなかった。
こうやって書いてると、ランキングに入る作品の凄さがわかりますね……
ランキング入りできる気がしない……