プロローグ1,2
地獄をみた彼は、この世界も地獄にしようと塔の階段を上る。
プロローグ1・・・破滅の階段
ピヨ歴2531年
21月29083日 午前127時 ピヨピヨ金城開幕
コツ・・・・コツ・・・・コツ・・・・。
テンポよく、誰かが階段を上っている。「誰か」が上っている階段がある塔を人は、「破滅の眞侵塔」と呼んでいた。しかし、その階段は現実にあるのかも、定かではなく、おとぎ話なのかもしれない。けれども「誰か」がその「破滅の眞侵塔」をのぼっていると言うことは現に存在するのだろう。「誰か」はその階段をまだ上り続ける。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「誰か」は無言で笑った。そして一階だけ口を開いて笑うと階段上から消えた。最後に言った言葉はたぶん
「これでこの世も終わりだ。これでこの平和の地と呼ばれたここも地獄となろう。三十年前の楽園ディアカッサと同じく・・・。ふふふふ。我の極楽の時間を長く続けてくれよ。そうそれば、神に誓い存在となるのだから。まずは天空の白の城主を配置につけよう。主役もいないと面白くない。そうだな。呪われた剣を生まれながらにして持つ・・・良いではないか。もちろん仲間もいた方がいい。おお。お決まりの裏切りもなければ。ふむ。悪くはない展開ではないか。」
であろう。・・・・。これが全ての元凶の元であった。これが・・・・これが。
そして別の時間の別の場所、神木バスカヴィルで。主役はこの世に生を受けた。この瞬間、主役は生まれたのだから。
次の日の新聞ではこの驚異の噂が世界的規模の新聞社、ピヨ四新聞の記事にされた。それは伝説から始まっていた。
・・・・・伝説・・・・・
その昔、鳥たちは、絶滅の危機に瀕していた。邪悪な魔物と呼ばれる怪鳥軍団ロードによって破滅の寸前に追いやられたのである。長蛇の怪物イパヴァも参戦していた。そんなとき立ち上がったのは伝説の勇者、バスカヴィルである。ロードのリーダーヴィアソン・ルーザヴァと七日間にも及ぶ一騎打ち《聖戦》の末勝ったのはバスカヴィルだったが、その三日後、重傷によって死んでしまったのである。そしてバスカヴィルが命を懸けて守ったその血を鳥たちは生地とたたえ、神木町バスカヴィルが出来たのである。
そしてその一方で、ロードのリーダーヴィアソン・ルーザヴァもまた、息を引き取ったのは三日後であった。リーダーを殺された恨みで、暗躍する鳥たちもいる。闇に潜み、ヴァスカビルの仲間を殺していくのだ。その生け贄の血で、ヴィアソン・ルーザヴァは復活するという。
と言う伝説がある。それを救うものはいないのか。ピヨ四新聞はその勇者をバックアップしたいと思っている。もし、いるなら、我々を助けてほしい。バスカヴィルに永遠の平和と愛とを・・。
オルフェイス「真実」第一章より
それは一つの物語であり、物語ではない。・・・・真実とは虚となり、常に牙をむくものなのだ。信じるのは自分次第。信じられるものもまた、自分次第。嘘が本当で本当が嘘でもある。信じられるのは・・・・・自分だけ・・・・・これが、わたしはこの世界の、掟だと思う。おそらく、真実の掟だと・・・
世界の真実は知っても虚しいままである。世界は醜いから。また、醜くしたのも、自分達だから・・・・・。これが、真実であるのだ。誰がどういおうとこの事実だけは、変わらないのだ・・・。これから変えていけるようなものではないのだ。 どうあがこうとも・・ この世界は変わらない。恐怖が近づいているのも知らないのは自分だけなのかもしれない。
プロローグ2ピヨピヨ金城生誕
俺は日記を開いた。そしてまだ書いていない今日のことを書き記した。
一羽の赤子についてである。
バスカヴィルに赤子生誕
本日生まれた赤子は、みると絶叫した。母親も例外ではなかった。子供が産まれたというのに母親は
「こんな子供いらないわ。捨ててちょうだい!」
と語った。その子供は、保育施設に預けられることになったのだが、どこの施設も預かろうとはしない。皆怖いのだ。赤子の額にある魔剣、ルーザヴァが・・・。英雄バスカヴィルをしに追いやった一番の理由、それはヴィアソン・ルーザヴァの持つ額からのびる剣である。
そのルーザヴァが付いている子供は殺される運命となった。そう言う運命の元に産まれてきた子供なのだ。
その子を俺は引き取った。どんな運命になろうとも。俺はその子を哀れみ、引き取ったから。この子の名前はピヨピヨ金城 。
そこで男は日記を書く手を止めた。その子供がが泣き出したからである。その子こそ、男が日記に記したピヨピヨ金城であった。そのピヨ金に最悪の日が来るのは目前だった。そしてその目前の火に真実を知るのは大きく成長した赤子だった。
次回より本格スタート!