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八人の魔法使い  作者: 小伽華志
サトラ・ミナ編
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お久しぶりです。

多忙につき、以前のような更新ペースを守れずに本当にすみません。







 静藍は、魔法歴史博物館から呪文を唱えて学校まで戻ると、急いで永遠たちを探した。


 それぞれの部屋を見ても誰もいず、ふと、図書館へと向かった。


 図書館のドアを開けると、中には永遠と紅玉と翡翠と瑠璃と菫青がいた。


 「あ、先生お帰りなさい、どうかしたんですか?」


 翡翠はのん気に静藍を迎えた。


 「ああ、政府にお前たちを連れて来るよう言われたんだ。と、言う訳ですぐに博物館へ向かう。玄関前で待ってろよ。誰か、陽と陰を知らないか?」


 「あ、私お昼に二人に会いました。」


 「そうか、私は琥珀を呼んでくるから誰か探しておいてくれないか?」


 「じゃあ、僕探しておきます。」


 永遠の目撃情報を元に紅玉は二人を探しに駆けていった。


 その間に、静藍は自分の部屋へと急いだ。


 ドアを勢い良く開けると、足音を聞いたのか琥珀が静藍を待ち構えていた。


 「琥珀、いいかよく聞け、これから私と一緒に博物館へ行くことになった。中には、政府やら生徒やら人が沢山いる。でも、行かなきゃならないんだ。大人しくついて来てくれるか?」


 人が沢山いると聞いて躊躇うそぶりを見せていたが、静藍の気迫に負けたのか渋々頷いた。


 「そうか、よし、じゃあ行こう。」


 静藍が廊下に出ると、琥珀はその後ろに隠れるようについて来た。


 静藍たちが玄関へ向かうと、ちゃんと全員が揃っていた。どうやら、紅玉が頑張ってくれたらしい。


 「よし、全員揃ってるな。では、これから博物館へ向かう。」


 「え?先生、どうやって行くんですか?車ですか?」


 紅玉が静藍の言葉に質問した。


 「いや、車じゃあ、到底間に合わない。魔法を使って移動する。」


 「え!?本当ですか。」


 静藍の言葉に翡翠は目を輝かせた。


 「ああ、いいか?絶対その場から動くなよ。」


 静藍はそう前置きすると、静かに呪文を唱えた。


 「魔力よ、我が望む場所へと連れて行くのだ!」 


 静藍が呪文を唱えると、目の前が真っ白に染まり、気が付くと見たこともない建物の前にいた。


 「ここが魔法歴史博物館だ。」


 「わお!!本当に一瞬で移動しちゃった!!」


 紅玉は興奮したように叫んだ。


 「じゃあ、ついて来い。」


 静藍は、大股で建物の中へと入ってしまった。


 静藍のすぐ後ろに琥珀、その後ろは菫青、陽、陰、瑠璃、翡翠、紅玉、永遠と続いた。


 静藍は、迷うそぶりも見せずに次々に部屋を突っ切っていった。


 静藍が最後のドアを開けると、そこには、沢山の人々が待ち受けていた。


 あまりの人の多さに思わず琥珀は静藍のローブを握り締めた。


 静藍たちが入ると、一部の人たちが驚いたように目を見開き永遠たちを凝視していた。


 「ああ、先生早かったですね、その生徒さんたちですか?」


 「はい、そうです。」


 沢山の人の中から品の良いおじいさんが静藍に話しかけた。


 このおじいさんも一瞬だけ息を呑んだが、後は何事も無かったかのように続けた。


 「では、早速確認しましょうか。」


 「・・・は?」


 おじいさんは、いきなりそう言った。


 「そんなことしても無駄よ!!だってそいつらは魔力が無いんですもの!!」


 生徒の方から零の大声が上がった。


 「お譲ちゃん、どうして無駄だと思うのかね?」


 おじいさんは視線を零に向けた。


 「だって、魔力が無いなら一体どうやって『伝説の八道具』を使うというのよ!」


 零の言葉に政府からも「そうだ、その子の言う通りだ!!」という声が上がった。


 「お譲ちゃん、『伝説の八道具』は元々、魔法道具だったんだよ。」


 「は?だから何だって言うのよ?」


 零に向かっておじいさんはゆっくりとかんで含めるように言った。


 「魔法道具を使う人は、一体どんな人だったかい?」


 その瞬間、零は言葉を失った。


 「一体、どういうことですか?」


 政府から、疑問の声が上がった。


 「やれやれ、あんたたちよりもこのお譲ちゃんの方が察しがいいとはなぁ。」


 おじいさんは溜息をつきながら説明した。


 「魔法道具を使う人は魔力が多すぎる人だろう?」


 「だから、どうしたって言うんですか。」


 「魔力の多い人は、魔力を引き出せない。つまり、魔法が使えないんじゃ。」


 その瞬間、政府も生徒もまた、永遠たちでさえ絶句した。


 永遠たちは魔力が無かったのではない。


 魔力が多すぎたのだ。


 「じゃから、そこの生徒さんたちにも『選ばれし者』の可能性は十分すぎるほどあるんじゃ。」


 ふぉっふぉっふぉ


 とおじいさんは朗らかに笑った。






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