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2話 【BBS】「世界遊子ネットワーク 統合広場」〈436号〉

[System:世界識別コード確認中……しばらくお待ちください]

[System:識別コード<428>/界名:ファム]

[System:ネットワーク構築中……]

[System:術式接続完了――]

[System:想念受容体生成完了――]

[System:電子端末接続子生成完了――]

[System:ネットワーク構築完了しました。ごゆっくりお楽しみください]


 ――[世界遊子]/ネットワーク――

 ――[構築者]/サンク=サレナドール

 ――【436号:雑談所(8)】――



【HN:優等生】:「あの、みなさんいますか?」


【HN:天才商人】:「いない」


【HN優等生】:「いるじゃないですか……」


【HN:盗撮魔】:「いるけどちょっと待って。今盗撮してるっす」


【HN:天才商人】:「おい、誰か衛士呼んで来い。白昼堂々と盗撮してるやつがいる」


【HN:優等生】:「クーンさんもちょっと聞いてください。あと盗撮はやめてください」


【HN:盗撮魔】:「サーニャくんはマジメすぎるっす! だから優等生なんてあだ名つけられるんす!」


【HN:優等生】:「い、いや、あの、そもそも別のこのあだ名嫌いじゃないんですけど……。じゃなくて、大変なんですよ」



 ◆◆ 【HN:尻尾美人】さんが入室しました ◆◆



【HN:尻尾美人】:「ねえちょっと待って。俺のハンドルネームなんかおかしい。……誰だッ! 語尾に美人つけたやつ! 俺男だぞ!」


【HN:天才商人】:「あ、オレだわ。ごめんなサンク。でもお前美人だしな。黒尾の手触りも一級品だし」


【HN:尻尾美人】:「うわっ、直せないし! えっ? なんでこっちから操作できないの? 俺世界遊子ネットワークに接続するとき魔術式使ってるから機械の故障とかありえないんだけど」


【HN:天才商人】:「ああ、ハカセにちょっといじってもらって、ネットワーク方向からロックかけた」


【HN:尻尾美人】:「ふざけんな! なんで微妙に嫌がらせに手が込んでんだよ!!」


【HN:盗撮魔】:「まあまあ、そう言わずに。サンクさんも別に美人って言われるならいいじゃないっすか。サンクさんの盗撮写真結構売れるし、大丈夫っすよ」


【HN:尻尾美人】:「何が大丈夫だか全然わかんないしちょっと待って盗撮写真ってなに」


 

【HN:優等生】:「みなさん! いいから聞いてください!(怒)」



【HN:天才商人】:「サーニャが(怒)使ったぞ。そろそろ聞いてやろう」


【HN:盗撮魔】:「そうっすね」


【HN:尻尾美人】:「怒らないと話すら聞いてもらえないって相当だな……」


【HN:優等生】:「……」



 ◆◆ 【HN:筋肉魔】さんが入室しました ◆◆



【HN:筋肉魔】:「ぬ、微妙に文字が抜けておる」


【HN:天才商人】:「意味としちゃ大して変わってないから大丈夫」


【HN:筋肉魔】:「そうか。いやしかし、語弊があっては敵わん。一応直しておく」



 ◆◆ 【HN:筋肉魔】さんが【HN:筋肉魔法使い】へ名前を変更しました ◆◆



【HN:筋肉魔法使い】:「うむ。これでよし」


【HN:天才商人】:「毎度思うんだけど筋肉魔法使いって『筋肉魔法』を使うのか『筋肉な魔法使い』なのかわかりづらくね?」


【HN:筋肉魔法使い】:「どちらもなので問題ない。ちなみに我輩の場合治癒魔法は筋肉魔法として分類されておる」


【HN:天才商人】:「ああ、うん。超回復ってオチね」


【HN:筋肉魔法使い】:「ぬっ!! なぜわかった!!」


【HN:天才商人】:「おめえ頭の中まで筋肉でできてるからわかりやすいんだよ」


【HN:筋肉魔法使い】:「なぜ褒められた……?」


【HN:盗撮魔】:「すごいっす。皮肉が素で通じないっす」



 ◆◆ 【HN:ロボ子】さんが入室しました ◆◆



【HN:天才商人】:「やべえロボ子きた」


【HN:ロボ子】:「みなさま、少々騒がしいです。あとサーニャ様のお話をいい加減に聞いてあげてください」


【HN:天才商人】:「ホントロボ子なだけにネットワーク上の状況理解するのはええな」


【HN:ロボ子】:「機械侍女として当然の嗜みです」


【HN:優等生】:「もう喋っていいの……?」



【重複検知/有象無象】:「いいよー」



【HN:天才商人】:「なあ、何人か会話送信かぶると名前が『有象無象』になるの切なくね? アイデンティティ否定されてる気がする。ていうかほかになにかなかったのかよ」


【HN:ロボ子】:「キール様」


【HN:天才商人】:「わかったわかった。まずはサーニャの大変だとかいう話からな」


【HN:優等生】:「あ、ありがとうロボ子。じゃ、じゃあ喋るね」


【有象無象】:「はーい」



【HN:優等生】:「実はさっき……〈神士〉の方が世界遊子(レルーザ)協会の応接間に来ました」



【HN:天才商人】:「追い返せ。今すぐにだ」


【HN:盗撮魔】:「追い返すっス。あいつら神界に引きこもってるから盗撮写真で脅せないっす。誰か力ずくで追い返すっス。あ、サンクさんでいいじゃないっすか。今日ダンジョン行ってないっすよね?」


【HN:尻尾美人】:「ま、まあたしかに今日は非番だけど……神士相手に喧嘩売りたくねえ……」


【HN:筋肉魔法使い】:「筋肉言葉で丁重に返ってもらうというのはどうだ」


【HN:天才商人】:「意味わかんねえけどなんかそれでいけそうな気がしてきた」


【HN:ロボ子】:「ちなみに今はわたくしがお相手致しております」


【HN:天才商人】:「よし、胸からミサイル出して()れ」


【HN:ロボ子】:「搭載されていない装備です」


【HN:天才商人】:「ハカセわかってねえな」


【HN:優等生】:「あ、あのあの、どうしたらいいんでしょう……」



 ◆◆ 【HN:天才商人】さんが【HN:土下座神】さんを部屋に招待しました ◆◆


 ◆◆ 【HN:土下座神】さんが入室しました ◆◆



【HN:土下座神】:「はっ!? いきなりなんでござるか!?」


【HN:天才商人】:「おう、ゴエモン。今ちょっと応接間に神士が来てるから、おめえちょっと土下座してこい」


【HN:土下座神】:「ぬあっ!? 拙者理由もわからずに土下座はせんでござるよ! そんな軽い土下座は嫌でござる! しかるべきしちゅえーしょんというものが必要でござ」



 ◆◆ 【HN:天才商人】さんが【HN:土下座神】さんを部屋から追放しました ◆◆



【HN:天才商人】:「あいつ肝心なときに使えねえな」


【HN:尻尾美人】:「うん。でもお前もかなりひどい」


【HN:天才商人】:「ったく。まあいいや。ちなみに要件なんだって?」


【HN:優等生】:「あ、はい。なんでも新しい世界遊子がそろそろこの輝海世界に落ちてくるらしいです」


【HN:天才商人】:「マジか。てことは神界への勧誘関係?」


【HN:優等生】:「うーん。それとは少し違うみたいです。まだ三回の世界間転移してないらしくて、神界への引き上げ要項を満たしてないらしいですよ」


【HN:尻尾美人】:「わかった。『次の転移までスムーズに行かせたいから、お前ら〈世界遊子協会(レルーザ・ユニオン)〉に勧誘するのやめろよな』だろ」


【HN:優等生】:「あ、そんな感じです。あとついでに協会からそろそろ誰か神界に送れって」


【HN:天才商人】:「ぜってーやだ。神界行ったら神士養成コースだろ? あの職業ブラックすぎるんだよ。来る神士来る神士みんな目の下にクマ作ってるじゃねえか」


【HN:盗撮魔】:「最近また世界の数が増えて人手が足りてないらしいっス」


【HN:天才商人】:「神士になりたくねえからこうやって世界遊子の連合協会作って意地張ってんだよ。一応それなりにあいつらの役に立ってるしいいじゃねえか」


【HN:尻尾美人】:「じゃあいつもみたいに時間稼ぎする? あいつら忙しい時間どうにか割いてこっちに来てるし、ある程度時間削ってやれば帰るだろ」



【HN:ロボ子】:「ではこのまま応接間で時間を潰させましょうか?」



【重複検知/有象無象】:「それで」


【HN:ロボ子】:「ではあらゆる手段を駆使して応接間に閉じ込めます。術式展開します」


【HN:天才商人】:「よし、解決だな」


【HN:優等生】:「あ、あの、まだその肝心の新しくやってくる世界遊子について何も決まってないんですけど……」


【HN:天才商人】:「今日非番のやつー」


【HN:尻尾美人】:「はい。あ、でも午後から鍛冶屋行くんだった」


【HN:天才商人】:「じゃーお前はそっち優先しろ。サンクは海底ダンジョン攻略の主力だからもろもろそっち優先。――ほか」


【HN:盗撮魔】:「非番だけど盗撮で忙しいっす」


【HN:天才商人】:「そこの残念美人はもう黙ってろ」


【HN:盗撮魔】:「えー」


【HN:天才商人】:「ほか」


【HN:筋肉魔法使い】:「我輩は筋肉と(たわむ)れておる」


【HN:天才商人】:「お前は初対面だとキツいものがあるから却下。ほか」


【HN:優等生】:「あ、あの、じゃあ僕が行きましょうか……? 今ダンジョンからあがるところなので……」


【HN:天才商人】:「じゃあサーニャか」


【重複検知/有象無象】:「てかお前が行け」


【HN:天才商人】:「えー。……わかったよ、行けばいいんだな行けば。ちなみにどこに落ちてきそうだって?」


【HN:優等生】:「広場らしいです」


【HN:天才商人】:「またすげえところに落ちて来るな。落下の衝撃で死んだりしねえの?」


【HN:優等生】:「とてつもなく頑丈な方らしいです」


【HN:天才商人】:「マジかよ。てことは転生じゃなくて転移? 輝海世界に来るやつって転移多めだよな。まあいいや。ちなみに女?」


【HN:優等生】:「はい、女性らしいです」


【HN:天才商人】:「よっしゃ、俄然やる気出てきた。んじゃ俺が行ってくるぜ」



 ◆◆ 【HN:天才商人】さんが退室しました ◆◆



【HN:優等生】:「あっ、名前とかわからなくても大丈夫でしょうか……」


【HN:尻尾美人】:「まあ大丈夫だろ。世界遊子迎えるのだってこれが初めてじゃないし。じゃーとりあえずキールの反応待ちってことで」


【重複検知/有象無象】:「はーい」


【HN:尻尾美人】:「んじゃかいさーん」



 ――[世界遊子]/ネットワーク――

 ――[構築者]/サンク=サレナドール

 ――【436号:雑談所(8)】――


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