本当の彼女になれる?
イケメン高校生の意外な行動にドキドキ?
待ち合わせの日がやってきた。
待ち合わせをしたカフェで、
ミス緑が丘高校の四ノ宮鈴香は、親友である古山志乃と二人で
待っていた。
鈴香が志乃に話かける。
「もう、直也を逃がさない。中学の時だって、あと少しで彼女になれるかなって、思ったら、うまく逃げちゃうんだもん。他に好きな女の子がいるならあきらめるけど、そうじゃないんだよね。優柔不断で、めんどくさがりやだけなんだよねっ」
志乃が答える。
「たぶん、直也は、同じ高校の女の子に彼女のふりをしてもらうつもりだと思うよ。でも、そんなのすぐ化けの皮が剥がれるよ。
それから、一応、直也の高校の女の子で、直也と釣り合いそうなかわいい子を写真付きでリストアップしてきたから見てみて。
鈴香に敵う女の子いないと私は思う。
今回は勝率高いんじゃない?」
「うん、私もこの間、直也の高校に行ってきたけど、たいした子はいなかった。何とかなるよ♪」
そして、10分後、二人の前に、
山東直也と、見たことのない美少女が現れた。
「かっ、可愛いっ。すごい美少女!!あんな子知らないよ。
リストにないよ志乃!」
「そ、そんなっ。いったい誰、あの子?」
「四ノ宮、久しぶり。おお、同じ中学の古山じゃないか?
紹介するよ。今の彼女、前田ひよりだ。」
「はじめまして…。前田ひよりです。四ノ宮さんのことはよく伺っています。よろしく。」
「あっ、あっ、し、四ノ宮です。」
「ふ、古山ですっ。」
待ち構えていた二人は完全にペースを外された。
それでも、四ノ宮鈴香は、攻撃をしかけた
「直也、その子、本当の彼女じゃないでしょう?彼女のふりしてって頼んだんじゃないの?
いくら直也だって、そんなかわいい子とつきあっているなんて信じられないっ
もし、本当に彼女なら、ここでキスしなさいよっ!」
その瞬間、彼女役の日向は
冷静さを装いながら、直也の顔をみた。
(ど、どうするの?いくら何でも、男同士で、キスしないよねっ)
と心の声をあげながら…
でも、次の瞬間、直也は、日向の方を抱き寄せ、素早く自分の唇を
日向に重ねた。ふわっと言う感じの軽いキスだったが、実にスムーズだった。
(えっ、き、キスしちゃった〜)
日向は心の中で、激しく動揺した。
相手の二人の動揺はもっと大きなものだった。
「えっ、あっ、あわわっ、本当にキスしちゃった」。四ノ宮鈴香は
顔面蒼白になった。
「うっそー!本当に恋人なんだ!」
古山志乃も目を大きく開くと同時に、開いた口を閉ざそうとしなかった。
正気に戻った志乃が、急にあることに気がついて、口を開いた。
「鈴香、今、気がついたっ!
この子、モデルで人気の前田ひよりだよっ!
可愛くて有名な子!」
「えっ、そんなすごい子なの?ええっ?」
「じゃあ、これでいいよなっ。ひより、さあ行こうっ」
直也とひよりは、驚愕する二人をおいて、カフェから出て行った。
「さてと、どうするかな?用件が終わったし、どっか行くか?
渋谷原宿代々木あたりどうだ?」
「うん、いいよっ」
ふたりは、繁華街でいろんな店をのぞいて、楽しんだ。それは、まさにさわやかの高校生カップルのデートだった。
しばらく、ウインドウショッピングをして、飽きた二人は、
都会のオアシスのような公園を歩いた。
周りに人がいなくなったときに、直也は、切り出した。
「きょうは、ありがとうなっ
おかげで助かった。いきなりキスしちゃってごめん。
驚いただろう。あやまるしかないなっ」
「ううん、ああ言われたら、するしかないもんね。
いいよ、気にしてないからっ」
「怒ってない?」
「うん、怒ってないよ。」
「なら、…勇気を出して言うよ。
断られるのを覚悟で言う。
本当にオレの彼女になってくれないかな?」
直也は真剣な顔をしていた。
「ええっ、ちょっと待って。
私の正体知ってて、からかってるの?」
「本気だ。
この間、ドラッグストアで、転んだひよりを抱き起こした時から、オレは恋に落ちた。
きょう、迷わずキスしたのも、好きになっていたからなんだ。
オレにとって、ファーストキスだ。」
(えっ?学年1のモテ男のファーストキス?
あっ、私もファーストキスだった!
夢見たい!学校一の素敵な男の子に告白されている。
でも、…いいのかな?
山東に恋している女の子いっぱいいるのに…)
「う、嬉しいけど、私を好きなんて、とっても信じられない。
今、返事はできないよ…」
「そっか、そうだよな。
俺も、自分の気持ちが急に盛り上がっているのが信じられない
気持ちはわかる…
次の土曜の夜、この間会ったドラッグストアの近くの公園で
この間と同じ時間に
会ってくれ
その時に返事を頼む」
「うん、わかった」
二人はドキドキしたまま、その場で別れた
彼女になりたい。でもやっぱり…