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男の娘モデルとイケメン同級生

男性なのに美少女モデル?がイケメンの同級生と鉢合わせ?

日向が学校から、帰ってくると、


二つ年上で、別の学校に通っている姉の沙織が、2階の自分の部屋から玄関まで、

かけおりるように階段をおりてきた。


「遅い、遅い、早くいかないと撮影に遅れちゃうっ

服を用意しておいたから、すぐ着替えてっ

メイクも大急ぎでね。」


「ごめん、おねえちゃん!ちょっと、電車に乗り遅れちゃって。

急ぐから…」


日向は自分の部屋に入ると、すぐ着替え始めた。

そして、30分たつと…

彼は、姉にそっくりな美少女に変身していた…

女装というレベルではない、性転換してしまっているっていいたくなるほどの変身だった。


可愛らしいワンピースを見にまとい、顔立ちを活かしたメイクを施し、髪の毛には付け毛をして、ツインテールのヘアスタイルになっていた。


部屋に姉が入ってきた。


「ふうっ、良かった。事務所の人、今迎えにきたよっ。間に合った。それにしても、日向…じゃなかった、ひよりって、私にそっくりね♪うん、可愛いっ♡」


二人は、家をでると、


迎えにきた車にのって、とある撮影現場に向かった。


……


この二人(姉弟)は前田姉妹というコンビ名でモデルをしていた。


ファッションに敏感なティーンの女子の間で知る人ぞ知る人気のモデルだった。


あくまで、ファッション関係のみの活動で、芸能活動的なことはしていなかった。

が、可愛らしくて、そっくりな二人が仲良く最新のファッションを着こなす姿は、

ファッションに敏感な女子の心をとらえ、一部ではアイドルのような扱いを受けた。



妹のひよりが実は男性であるという事実は事務所の社長と担当する社員は知っていたが、公にはされていない。

そして、姉妹モデルとしての活動は、期間限定的なものだった。


世の中を欺いてモデルを続けることを日向は良しとしなかったのである。

1年生の年末で日向はモデルを止めると表明していた。

その後、姉の沙織は単独モデルととして活動する予定となっている。

前田姉妹というコンビモデルは青春時代の思い出にすることにしていた。


それにしても、なぜ、日向は女の子モデルになってしまったのか?


実は、幼い頃から姉の沙織にそっくりだった日向は、ずっと姉の下着や洋服を着て、女装を楽しんでいた。あまりにも似合うし、姉にそっくりであったので、親も放任。

実の姉も、おもしろがり、その女装を手伝った。ひよりという女性名まで付けてしまった。

その結果、日向は中学生になる頃には、姉そっくりの美少女に育ってしまった。

ただし、世間的には秘密であり、女装は家の中で行っていた。外出はしないようにしていた。


ところが、中学3年生の時、性同一性障害の診断を獲得し、高校進学とともにホルモン投与もはじめて女っぽく変化した日向は、我慢できなくなった。

隣近所の目をかわしながら、女装して、姉とショッピングなどの目的で、繁華街に出かけるようになっていった。そこでモデル事務所にスカウトされて、モデルになってしまったのだ。


胸は少しふくらんでいる。ヒップも丸くなっている。だから、学校に行くときは、胸を押さえるサポーターをしている。ヒップはちょっと大きめのズボンで隠している。けっこう大変だ。

男性として今の高校を卒業するのは無理だと家族も思うようになった。

ホルモン投与の継続で、女性化はさらに進んでいくことは間違いなかったからだ。


親は真剣に考えてくれた。

そして、親が奔走した結果、新年を迎えた後、

別の高校に女性として通うことが可能になった。(その前に、性転換手術も受けることが条件になった。20歳になったら、戸籍も変えることも決めた。)

今は11月末なので、あと1ヶ月で、今の高校での生活は終わりだった。

モデルの引退時期が年末になったのも、こういう事情による。


さて、話は戻る。撮影が終わった姉妹というか姉弟は、都内のある撮影所から行きと同じように、車で家まで、送り届けてもらった。

夕食は撮影現場でお弁当が支給されたので、食べる必要はない。

「明日は、休みだねっ。さっ、家に入って、すぐお風呂はいろうっ」姉の沙織がつぶやいて、玄関に入ろうとしたとき、容姿がそっくりの弟の日向が声をかけた。


「おねえちゃん、私、化粧品で必要なものがあるから、ちょっと、近くのドラッグストアに行ってくる。」


「うん、わかった。気をつけてね。」



いそいそと、15分くらい歩くと、9時まで営業しているドラッグストアがあり、日向は目的のメイク用品を探す。


「あった!よかった。これがないと落ち着かないんだよね。」


もう、閉店近くであり、店内にはホタルノヒカリが流れていた。


「急がないと、レジがおわっちゃう!」


慌てて、レジに向けて小走りにかけだす日向だったが、運の悪いことに、別の通路からでてきた、

若い男性と勢い良くぶつかってしまった。

思わず「きゃっ!」と叫び声をあげて転ぶ、日向。


「大丈夫!ごめん。怪我してないっ?」


その若い男性は、必死な態度で、日向の体を抱きかかえるようにして起こしてくれた。


「私こそごめんなさい。前をよく見ないでかけ出したから、いけないのっ。

あっ、レジがおわっちゃう!」


再び日向は駆け出した。助けてくれた男性の顔はよく見なかった。

そして、レジにたどり着き、化粧品の購入を終え、ほっとした時、

自分の後ろで、自分と同じようにレジの清算をしている先ほどの男性について

気が回る。


(あ、お礼を言っていなかった!私ってダメな子だ。今からでもお礼を言わなきゃ!

でも、閉店直前だから、お店の外で、お礼を言おう!)


なぜか恥ずかしくなったので、日向は後ろを振り返らず、

店の出入り口の外に出て、男性が出てくるのを待った。


そして、若い男性が出てきた。


「あっ、あのーっ

先ほどは起こしていただき、ありがとうございました。

ご迷惑をかけたのに、すぐその場をはなれてすみませんでした。」


出入り口で店舗に背を向けて立っていた日向は

あわてて、男性の背中側から、声を張り上げて声をかけた。

そして、ぺこりと頭を下げた。


男性は振り返って、


「いや、いいんだよ。怪我してなければいいんだ。

お互いに注意しなきゃねっ。」


(感じいい男の子だなあっ。高校生かな。私と同い年くらい?

っていうか、聞いたことのある声だ。)


そこで、顔をゆっくあげると、よく知った顔だった。


「あっ、山東じゃない?」


と思わず日向は声をかけてしまった。




「????????えっ?、だ、 誰…かなっ?」


(あっ、しまった!!今はひよりだったんだ!やっちまったー、


もういいや、ばらしちゃおう)



周りをキョロキョロ見回し、従業員や、客がいないことを確認した後、


女声から、一オクターブ落とした低音で、声を落として日向は話し出した



「うっ、オレだよ、同じクラスの秋山日向だ…


じょ、女装しているんだ。」


ぽかーんとする直也だったが、



「えっ、うそ?…、そういえば似ている…

でも女の子にしかみえないっ…」



「山東、ちょっとだけ時間をくれっ、


ちょっと、事情を説明させてくれっ」




「わっ、わかった。」

イケメン同級生はどう思ったのかな?

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