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プロローグ〜始まりの記憶〜

魔術絡みの犯罪を取り締まる零課に勤務している刑事である剛はいつものように警視庁を訪れていた。そこに零課局長から新たな任務が舞い込む。それは剛の実家でもある魔術組合『封杖院』が執り行う『御霊移し』と呼ばれる儀式の警備であった。ある事情で実家を出た剛は8年ぶりに実家に戻るが、かつて剛に懐いていた妹とは険悪の雰囲気となっていた。更に儀式を狙って動く影の姿もあり・・・・剛は儀式と妹との関係を死守できるのか!?警察×学園ファンタジー第一弾!!

それは、遠い遠い過去の記憶。


二人の兄妹が交わした、些細な、しかし確かな約束。


青年(あに)少女(いもうと)に対して告げたその言葉は誓いとなり、心の支えとなった。



「お兄ちゃ・あ・・・ん・・・(みそぎ)を・・・一人に・・・し・ないで・・・・」


江戸時代から続く武家造りの大きな屋敷の門前で10歳にも満たない幼い少女(いもうと)青年(あに)の腰元に抱き付いて泣いていた。


「すまない。禊・・・」


その少女(いもうと)に対し、申し訳なさそうな表情を浮かべながら青年(あに)が応える。


「これから(しばら)くは、俺もお前も一緒に暮らすことは出来ない。分かってくれ・・・今は、これがお互いにとって最善の方法なんだ・・・」


我ながら酷い言い草だと思う。


自分でも納得しきれていないことを、10歳も年下の少女(いもうと)に押し付けているのだから。


青年(あに)は己の生来の口下手を忌々(いまいま)しく思う。


「い・やぁ・・・いや、いやいやいや!!・・・・そんなの嫌だよ!!お兄ちゃんと離れたくないよ!!」


それでも、少女(いもうと)は涙を流し、抱きしめる腕に力を込める。


「それじゃあ・・・約束をしよう」

「ひっぐ・・・・・約束?」


少女(いもうと)の肩を両手で掴んで少し引き離した青年(あに)は、腰を落として屈み少女の瞳をまっすぐ覗き込みながら、できる限りの笑みを浮かべて言葉を(つむ)ぎだした。


「うん。俺はいつまでも禊の味方でいるよ。どんなに離れていても、禊が本当に俺が必要になったなら、(たと)えどこにいても禊の(もと)に駆けつける。だから、少しの間(、、、、)(はな)(ばな)れになっても頑張れるね?」

「・・・ひぐぅ・・・・・・えぐぅ・・・・・・・うん」

「いい()だね。じゃあ、約束だ」


そう言って、青年(あに)少女(いもうと)と小指を(から)ませ、約束する。


「「ゆーびきーりげんまんうーそついたらはりせーんぼんのーます、ゆびきった!!」」



それは他愛もない約束だが、その兄妹にとっては何よりも重い誓約(せいやく)となった。


だが、今でも青年(あに)は思う。


本当に酷い()だと。


なぜなら、少しの間(、、、、)と言っておきながら、その約束を果たすのに


8年(、、)の歳月を(つい)やしてしまったのだから。






「・・・・・・夢か・・・・」


都内にある神社にいた青年、守宮剛(もりみやたける)が目を覚ます。


「それにしても、また懐かしい夢を見たな・・・・」


その夢に内心懐かしく感じながらも、酷い自己嫌悪に陥っていた。


もう8年も彼はあの家に戻っていない。


あの家での記憶の大半は苦々しい記憶でしかなく、どうしても戻る決心がつかないまま、気が付いたら8年も時間が経ってしまったのだ。


「さて、昼休みもそろそろ終わりそうだし・・・・戻るか・・・・」


そう言って起き上がると、剛の体の上で気持ちよさそうに寝ていた子猫や子犬たちが離れていく。


「「にーー、にゃぁーー」」

「「あん、あん」」


少し不満そうに、まるで急に動いた剛に対して抗議するかのように鳴いている。


「はは、ごめんよ。私もそろそろ時間だからね。また来るよ」


子猫や子犬たちを一通り撫であげた剛は神社を後にし、自分の職場――――――――――


警察へと足を向けた。


補足:魔術も科学もこの世界に存在する技術の一種であり、同じ手順を踏めば大抵が同じ結果をもたらすことができる。

一般的に、戦闘においては、魔術は個人での戦いで、科学技術は集団での戦いで効果が大きいと言われている。

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